62粒目「転機予報」
苦難続きだったお兄ちゃんの人生に大きな転機が訪れた。
お父さんの友人が娘を引き連れ、大手コーヒー会社である『株式会社穂岐山珈琲』へと誘いを受け、私たちは大いに喜んだが、お兄ちゃんは誘いを断った。
社長令嬢の穂岐山美羽さんはお兄ちゃんに心底惚れているようで、去年のバリスタの世界大会で優勝したことも知っていたようだ。
私より5つ年上の大学生で、ポニーテールの茶髪にグラマラスな体型、黄土色のトレンチコートの下には白いニットの服を着こんでいる。父親と同様にコーヒー好きで、私たちの弱みを握っていることもあり、お兄ちゃんから特別な許可を貰い、定期的に訪れてくれている数少ない日本人客となった。
他にもお兄ちゃんの同級生の内、比較的仲が良い女子たちが訪れ、美羽さんも名を知られることとなっていた。唯ちゃんは相変わらずで、お兄ちゃんがコーヒーを淹れる姿を飽きることなく眺め、毎日のように訪れていた。もはや1番の常連だ。凪たちを呼びたいが、やはり無理だろうか。
2月を迎え、節分を過ぎた頃だった。
1年で最もチョコレートの需要が伸びる時期だ。全国のショコラティエにとっては今年の売れ行きを占う重要な時期。競争が激しい分、他の月よりも美味しいチョコレートが出現しやすいため、消費者としても楽しみだ。生産が多いために格安で売られるため、チョコレートの月と言ってもいい。
チョコレートの需要が最も低下するのは8月だ。夏頃にかけて沈むのは買ってすぐ冷蔵庫に入れなければ解けてしまうからだ。夏場の猛暑はチョコレートの天敵と言っていいが、裏を返せばこの時期でも売れるショコラトリーを確立してしまえば、チョコレート市場における勝利だ。
美羽さんはバレンタインデーにチョコレートをお兄ちゃんに渡そうと、私の元を訪れた。
外国人観光客がいない時は、接客を私に任せて自分は2階で動画制作をしていることが多いのだが、私とて決して暇ではなく、タレントップでの活動を兼ねると、必然的にお兄ちゃん1人のワンオペになることも少なくないため、私もアイドル活動を制限することに。
葉月珈琲の売り上げの方がタレントップでの収入を上回っている。
去年のように外国人観光客が来てくれれば、地元復興の足掛かりになる。
大会でのお兄ちゃんの集中力は並外れている。あまり遠出はしてほしくないが、心のどこかでまた優勝してくれることを期待している自分がいる。大会での実績がそのまま人気に繋がるならば、プロアスリートと変わらないのかもしれないし、バリスタの地位向上にも繋がる。
もしかしたら、ショコラティエにも同じことが言えるのかも。
「ねえ璃子ちゃん、あんたショコラティエ目指してるんでしょ。あたしにもチョコレートを教えてくれないかな。自分で調べるだけじゃ限界があるというか、板チョコを溶かしてまた固めるだけだと手作り感ないし、やっぱ心を込めて作ったことが分かるようなチョコにしたいの」
「一応できなくもないですけど、お兄ちゃんはチョコレートなら基本どれでも喜びますよ」
「あの、私にも教えて頂けませんか? チョコレートの作り方」
端の席に座っていた唯ちゃんが話しかけてくる。
目をくりくりとさせながらぶりっ子のような笑顔を見せる。
まだ小学生ではあるが、多くの修羅場を乗り越えてきただけあり、人を上機嫌にしながら思い通りに動かす術を知っている。唯ちゃんにお兄ちゃんを好きな理由を聞いてみれば、今まで誰もやったことのないラテアート動画を投稿し、触発されたからとのこと。
某世界的な動画サイトにおいては、最も早くラテアート動画を出したのはお兄ちゃんだ。
バリスタの動画投稿者として考えれば先駆者と言っていい。
私もショコラティエ動画を投稿しようと考えたが、チョコレートはコーヒーと違って作るのに時間がかかるため、編集が非常に困難で、アートとして動画化するにしても、私にはまだチョコレートで世界中を唸らせるほどの技術はないし、何より目立ちたくない。
私を見て店に来てくれるようになれば嬉しいが、執拗にアプローチするような人が来てしまっては疲弊するばかりだ。時々私のことを大層気に入った外国人観光客に声をかけられ、接客を余儀なくされることがあるが、英語が話せないふりをして誤魔化している。何度かデートにも誘われたが、定期的に胸ばかり見ていたし、体目当てな人はすぐに分かる。
私のようなHSPにとって、接客は必要以上に体力を使う。
故に私の適性が対人関係重視の仕事に向かないことが分かったのは幸いである。
「別にいいけど、うちは余裕ないから、材料費は自己負担になるよ」
「大丈夫です。バレンタインデーの前日までに用意しておきます」
「じゃああたしも持ってくるね。あず君を射止めるためなら、何だってするんだから」
両腕の拳を強く握りながら美羽さんが言った。
口が裂けても言えないが、お兄ちゃんが最も興味のないタイプだ。
就職レールを歩み、周囲に流されることに違和感を持たず、そのくせ何不自由なく健常者として過ごしてきた人は空気同然。良くも悪くも普通の人だ。私としては極力刺激せず、チョコレートだけ渡して満足してもらうしかない。唯ちゃんもお兄ちゃんにぞっこんだし、目には見えない火花が散っている。
唯ちゃんと美羽さんには材料のメモを取ってもらった。
私が教えたのは『チョコチップクッキー』の材料だ。
無塩バター、砂糖、塩、卵、バニラ、小麦粉、ベーキングパウダー、チョコレート、ナッツ類を用意してもらい、種類がある食材は好きなものとし、私はブラックチョコレートとヘーゼルナッツ、唯ちゃんはストロベリーチョコレートとアーモンドスライス、美羽さんはミルクチョコレートとピスタチオを使うことに。植物油脂が入っている板チョコは溶けやすいため、出来上がりに違いが出る可能性があることを考慮し、植物油脂はなしとした。
柔らかくした無塩バターに砂糖と塩を加えて混ぜる。溶き卵を加えて混ぜ、バニラと小麦粉とベーキングパウダーを加える。チョコレートとナッツ類を加え、冷蔵庫で1時間冷やす。生地を約135グラムずつに分けてクッキーを作る。予熱したオーブンで15分焼けば完成だ。
お菓子の基本は、混ぜる、冷やす、切る、溶かす、焼く。
これらだけで多くのお菓子が作れるのだ。
――バレンタインデー前日――
唯ちゃんと美羽さんがチョコレートの食材を持ち寄り、私の言葉を聞きながら家庭科の調理実習のような演習が始まった。チョコ作りを誰かに教えるのは初めてではない。相手の理解力に合わせて教えていこうと思っていたが、2人は思った以上に理解が早く、一度言えば充分であった。
特に注意を要することがないのは、教える側にとっては非常に楽だ。
一方でもっと教えるのがうまい人であれば、更に伸びるのではないかと思った。
最も理解が早かったのは凪だ。色んな人にチョコ作りを教えていて分かったが、伸ばし方も伸び方も全く違うのだ。一度言えば分かるばかりか、自分なりの考えで試行錯誤を始める者もいれば、何度も同じ質問を繰り返し、結局コピペができるようになるくらいで終わってしまう人もいたのだが、前者は開発側の仕事に回り、後者は言われた通り製造する側に回るのが適切であると考えた。
ショコラティエにも適性の振れ幅がある。やはりチョコレートは奥が深い。
田舎の貴婦人という意味を持つ某ソフトクッキーを思わせる味わいだ。
一口食べてみると、口の中でクッキーが溶け出し、チョコチップの感触が伝わってくる。途中でヘーゼルナッツのボリボリ感がたまらなく歯を伝う。続いて唯ちゃんのチョコレートを口に頬張ると、アーモンドスライスのカリカリとした優しくも硬さと脆さを感じさせる食感が味覚を刺激する。美羽さんのチョコレートはピスタチオの風味が真っ先に伝わってくる。一般の人には伝わりにくい玄人向けの味ではあるが、個性が強い味は、お兄ちゃんに合わせているかのようだ。
私としては美羽さんを味方につけておきたい。
いざとなればお兄ちゃんには穂岐山珈琲に就職してもらい、安定した収入を稼ぎ、また起業資金を貯めて葉月珈琲を復活させればいい。もっとも、お兄ちゃんにその気があればの話だが。
「チョコチップクッキーってもっと硬いイメージがあったけど、結構しっとりしてて美味しい」
「中に入ってるナッツの固さのギャップが食感を底上げしてますね」
「ふふっ、唯ちゃん評論家みたい」
「感じたままを言ってるだけですよ。美羽さんはあず君にチョコを渡すんですか?」
「うん。唯ちゃんもあず君に渡すの?」
「はい。とても素敵な人ですよねー。好きなことに一生懸命で、見ていて惚れ惚れします」
「……そっか……じゃあ唯ちゃんとはライバルだね」
少しばかり沈んだ表情を見せ、声のトーンが急に低くなる美羽さん。
目には見えない火花が散っている。とてもこの場にはいられない。
唯ちゃんはビクともしないあたり、肝が据わっている。美羽さんはお兄ちゃんに取り入ろうと必死なのは分かるが、ストレートに深入りしすぎだ。一方で唯ちゃんはお兄ちゃんとの接し方を心得ている。社会性に乏しい人と話す経験が豊富で、集団の中での立ち振る舞いを知っている。
「美羽さん、1つ提案があるんですけど、本命チョコじゃなく、義理チョコとして渡した方がいいと思います。お兄ちゃんは押しの強い人には警戒心を向けるところがあるので」
「どうしても義理チョコじゃないと駄目なの?」
「名前を伏せて渡す方法もありますけど」
「そんなの嫌! どうにかする方法はないの!?」
私の肩に掴みかかりながら美羽さんが尋ねた。
お兄ちゃんと結ばれたくてしょうがないと握力で訴えてくる。
でもそれじゃ駄目だ。力で人の心を支配することはできない。お兄ちゃんが引きこもっているのは、力による支配を免れるためだ。無理に人と関わり過ぎた反動とも言える。
「今のお兄ちゃんは日本人恐怖症の影響で、愚直にアプローチすると、距離を置かれる可能性が高いんです。お兄ちゃんと結ばれたいなら、もっと慎重に立ち回る必要があるかと」
「……分かった。じゃあ渡す方法は璃子ちゃんに任せる」
「私もそうします。プレゼントは押しつけるものであってはいけないと思いますから」
唯ちゃんはすぐに理解を示したが、美羽さんは苛立ちを隠せなかった。
目先の欲しいものを真っ先に取りに行く性格だ。所謂陽キャと呼ばれる存在だが、陰キャを地で行くお兄ちゃんにとってはいかんせん眩しすぎるのだ。
私が2人をバレンタインデー前日に呼び出した理由は他でもない。お兄ちゃんに渡すための本命チョコを作ってもらうだけじゃなく、所謂友チョコを渡すためでもあった。
金華珈琲のマスターは、私のチョコレートには人を和ませる力があると言った。
もしそれが本当なら、美羽さんの気を鎮め、下手な行動に出ることを防げるかもしれない。このまま彼女の機嫌を損ねてしまい、葉月珈琲の存在を外にバラされてしまえば、私にとってもお兄ちゃんにとっても危機だ。大手コーヒー会社との繋がりを断ち切ってはならないと、私の勘が叫んでいる。
「美羽さん、私たち3人でチョコレートの交換をしませんか?」
「いいけど、もしかしてあたしのチョコが欲しかったとか?」
「はい。ピスタチオは研究のし甲斐があると思ったので」
「じゃあ私のチョコも2人にあげます。プレゼント用の袋とかありますか?」
「ここにあるから、好きに使って」
「はい。ありがとうございます」
美羽さんが私の作ったチョコチップクッキーを一口齧る。
「――これ、凄く美味しい。あたしが作ったのよりずっと」
「昔からチョコレートを作り続けていたので」
「葉月家も楠木家もみんな大のコーヒー好きって聞いたけど、璃子ちゃんはチョコレート好きなんだ」
「コーヒーも好きですけど、昔おばあちゃんに作ってもらったチョコレートが気に入ったので」
「へぇ~、おばあちゃんの手作りチョコかー。てっきり逆張りかと思っちゃった」
「苦いのは人生だけで十分ですから」
そう言ってまた自分で作ったチョコチップクッキーを口に頬張る。
何を隠そう、私はおばあちゃんがチョコレートを作っているところを見て、自分でも作りたくなったのだが、おばあちゃんがチョコレートを作らなくなってからは、スーパーやコンビニで買うしかなかったことが想いを募らせた。スナック菓子としての量産型チョコレートは味が劣化していることも少なくないため、予てから自分で作ってみたいと思っていた。
夏芽が道具とキッチンを提供してくれたお陰だ。
そういえば、夏芽はあの後どうなったんだろうか。株式会社狭山は旧荒井グループの取引先。虎沢グループが吸収合併してからは、虎沢グループが取引先を引き継いだのだろうか。
一度調べてみる必要があるようだ。
「璃子ちゃんも、そんなに苦い思いしてきたの?」
「人知れずですけど」
「なんか璃子ちゃんのチョコレートを食べたら気が晴れてきた。また作ってくれない?」
「はい。構いませんよ」
さっきまでとは異なり、美羽さんは機嫌の良さを取り戻してくれた。
お兄ちゃんには距離を置かれてしまったようだが、これからも定期的に来てくれるとのこと。
パイプはどうにか繋いだ。穂岐山珈琲がバックにいてくれるのは大きい。カフェの経営にも精通しているようだし、店作りのお手伝いをしてもらう意味でも美羽さんが必要だ。
結局、バレンタインチョコは全て私からお兄ちゃんに渡すことに。
今のお兄ちゃんに本命チョコは重すぎる。喧嘩を売っているようなものだ。
唯ちゃんと美羽さんが帰宅した後、お兄ちゃんが2階から下りてくる。どうやら動画編集が終わったようだ。いくつかストックを作ってから少しずつ投稿するのがお兄ちゃんだ。
「お兄ちゃん、お客さんからバレンタインチョコ届いてたよ」
「うわっ! いっぱいあるなー。これだけあれば1週間はチョコレートで生活できるな」
「体壊すよ。後でホワイトデーのお返し考えないとね」
「相手が好きで渡してるんだからお返しの必要なんてねえだろ」
「そーゆーとこだよ。お兄ちゃんが反感買われるのは。これは1ヵ月かけてやるコミュニティイベントみたいなものだから。面倒かもしれないけど、こういう細かいところのケアをしないで理解してもらおうとするなんて、自分勝手以外の何ものでもないよ」
「理解なんて求めてない。最悪そっとしてくれたらそれでいい」
「でもお兄ちゃん、何だかんだ言っても、結局人との繋がりを求めてる気がする。本当に誰からの理解も求めてないんだったら、世界を相手に自分を発信したり、自分を世界大会に売り出したりなんてしないと思うけど。外国人観光客から大会優勝を褒めてもらった時のお兄ちゃん、凄く嬉しそうだったよ」
私が指摘すると、お兄ちゃんは頭を上げ、作業の手を休めた。
「……初めてだった。自分の特技を認めてもらえて、しかも世界一を決める土俵まである。バリスタ競技会がなかったら、僕は一生ニートだったかもしれない。璃子、当分はバリスタ競技会に出続けて店を宣伝していく。ただ出るだけじゃねえぞ。大会に出たら技術向上にも繋がるし、結果を出せばあの人の店に行ってみたいと思って検索してくれる。去年のヴェネツィア大会で優勝したら、チャンネル登録者数が1000人から1万人に増えた。コメント欄も読み切れないくらい埋まるようになったし、なんか人生が変わった気がする。去年までは世界中から否定されてると思ってた。でもそうじゃないと初めて思えたからさ、本当にそうなのか確かめたくなった」
「お兄ちゃんらしいね」
「僕は狭い世界にいたのかもしれない。世界はあんなに広いのにな。もっと早く出ていくべきだった」
「海外脱出は考えなかったの?」
「考えたけど、義務教育期間中は就労ビザが取れないし、現地で起業したり、僕を雇ってくれるカフェがあるかどうか不安だし、もし出るんだったら、ある程度稼いでからだな」
これは出ない合図だと、私は胸を撫で下ろした。
もしと言っている時点で、海外脱出は諦めている。
最初から出るつもりなどないようだ。理由は聞かずとも分かる。どうせ引きこもるなら、どこの国で生活しようとあまり関係ないし、治安が良くて生活が便利な日本に残る方が無難である。
お兄ちゃんが行動を起こす時はスピードが速い。つまり動かない時点でやる気がない。後先考えない性格の思考は至って分かりやすい。とりあえずは安心しても良さそうだ。外国人観光客の勧誘に命懸けなのも、日本に居座りたいからであると考えれば説明がつく。
1週間後――。
バレンタインが終わると、チョコレートの消費が落ち込んだ。
ここから最も消費の少ない8月にかけて消費が緩やかに落ちていくため、ショコラティエにとってはしばらく正念場となる。春先から夏場にかけて長期にわたって売れるチョコレート商品を開発することさえできれば、季節が変わっても売り上げを保つことができる。
まずはチョコレートを身近な存在にしていくことから始めよう。
夏芽にメールで尋ねてみれば、株式会社狭山は売り上げが下がり、下手をすれば会社が倒産し、家を売らなければならないという。あの百合園がなくなれば、彼女の心の拠り所がなくなる。
多くの恩恵を受けた。私としては恩返しがしたい。
借りは作らない。何もできないまま終わるのは真っ平御免だ。
狭山社長は脱税を隠したまま倒産しようとしている。因果応報と言ってしまえばそれまでだが、百合園まで道連れになることだけは避けたい。
せめてどこかに吸収合併でもされれば――ハッ! そうだ! 吸収合併されればいいんだ。
しかし、一体どこのグループにすればいいだろうか。アパレル業界で子会社を必要としていて、ある程度規模の大きいグループ企業でなければ、あの家を守ることはできない。虎沢グループは吸収合併した企業を平気で切り捨てるし、とても信用できない。
せめて狭山社長に追加徴税を払う覚悟さえできれば、後はどうにでもなる。
中津川珈琲で夏芽と落ち合い、今の事情を全て明かしてもらった。
「じゃあどこかの企業に吸収合併さえしてもらえれば、百合園が助かるってこと?」
「後は狭山社長の覚悟だけなんだけどね」
「でも追加徴税を払うのはいいとして、今の狭山を引き取ってくれるグループ企業なんて――」
「あるよ。このグループ企業ならどうにかなるかも」
私が推薦したのはヘルスケアスリーツだった。
調べたところ、ヘルスケアスリーツは全国でも屈指のスポーツブランドだった。
アパレル業界にも参入し始めたようで、スポーツ用品として動きやすいユニフォーム開発しているわけだが、スポーツクラブの運営には成功しているものの、ユニフォーム開発には難がある。アパレル企業を欲していても何ら不思議ではないはずだ。
凪に相談してみたところ、ヘルスケアスリーツの社長にアポを取ってくれるとのこと。
かつて凪が抗議したこともあり、あまり仲が良いとは言えないが、サイバーモールには一目置いているのか、あっさりとアポを取ることができた。夏芽にとっては分かりきっていた転機だ。
夏芽を救えるとしたら今しかない。一刻の猶予も許されない。
見捨てないと誓ったあの日のことを……私は忘れることができなかった。
読んでいただきありがとうございます。
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穂岐山美羽(CV:喜多村英梨)




