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社会不適合者が凄腕のショコラティエになっていた件  作者: エスティ
第3章 ローカルアイドル編
43/70

43粒目「トゥルーホワイトデー」

 3月上旬、中津川珈琲で雛祭りが行われ、いつものメンバーが集合する。


 カフェの中に雛壇があり、多くのお客さんから注目を浴びている。定期的にフェア期間が設けられ、期間限定メニューを出すことで購買意欲を煽るのだ。


 この手法は葉月珈琲にも持ち込もうと考えたが、これはリピーターありきの購買戦略だ。


 葉月珈琲が導入するにはまだ早い。日本人規制法さえなければすぐにでも導入可能だが、このままではじり貧だ。売り上げも下がってきている。だがお兄ちゃんは相も変わらず楽観的だ。客が来ないなら営業しなければいいと言い出す始末で、常にパソコン画面に向き合いながら動画を投稿している。


 ラテアート動画を定期的に出し続ける習慣が身についたようだ。


 某世界的な動画サイトに夢中のようだが、当初は全くお金にならないと考えていた。だがお兄ちゃんはこれを使って宣伝すれば、世界中からコーヒーファンを集めることができると、お客さんから聞いて早速行動に移してしまったのだから驚きだ。情報収集しながらアイデアを思いつく力は、紛れもなく私よりも上だ。お兄ちゃんは戦略家よりも戦術家に向いた現場主義者であることを思い知らされた。周囲に合わせるのは私の得意分野だが、周囲との差別化はお兄ちゃんの得意分野だ。


 しばらくは気まずくて会えなかったが、静乃が声をかけてくれたお陰で、みんなとまた会えた。


 1人でいる時が1番落ち着くはずなのに、静乃たちに誘われると、会うのが楽しみになる。


 きっと、それが友達なんだろうと、私は改めて認識する。


「璃子、あの後調子は大丈夫だったの?」

「うん、大丈夫。それよりバレンタインが台無しになっちゃったね」

「でもさー、あの後荒井君、あっさり解放されたんだってー。酷くない? もしまた璃子が狙われたら責任取れるのかっつーの。あのままずっと拘留されてりゃいいのに」

「まあまあ、もう来ないといいけど」

「葉月、何でここに?」


 後ろから声がかかる。振り返ってみれば、中津川珈琲に来たばかりの浅尾君が佇んでいる。


「私の行きつけなの。浅尾君がここにいるってことは、静乃に誘われたとか?」

「よく分かったな。あの後、中津川に誘われて、一度来てみたら美味かったからさ、時々ここで飯を食うことにしてる。値段も良心的だからな」

「とか言ってるけど、最初はコーヒーの苦さに耐えられなかったんだよ」

「うるせーな。コーヒーはともかく、フードメニューが絶品だからお勧めだ」

「酷いなー、うちはジェズヴェコーヒーが売りなのに」

「まあコーヒーは大人の味だから、分かる方が珍しいと思うよ」


 フォローするように言うと、浅尾君は私たちに背を向ける形でカウンター席に着く。


 いつものようにランチセットを注文すると、生卵が中央に乗っている鉄板焼きナポリタンがジュージューと音を鳴らしながら浅尾君の目の前に現れる。一緒に置かれているメロンソーダの上には生クリームが乗っている。絵に描いたような昭和のカフェだ。


 今ではレトロカフェと呼ばれているが、時代が変わろうとも、その味わいが色褪せることはない。


 明治から昭和にかけて愛された日本式洋食をベースにしているが、ジェズヴェを取り入れてからは独自の進化を遂げているようだ。煙草の匂いがしない。禁煙になっているのはエレーナさんが喘息だからだろう。お客さんの多くは煙草を吸おうともしないし、煙草嫌いを中心に常連がいるようだ。


 流行に乗らず、自らの持ち味で生き延びている。


 私たちはランチセットを食べながら、いつものようにガールズトークを繰り広げた。


 みんな自分のことばかり話しているが、お陰でみんなが置かれている状況が手に取るように分かる。


 私が気になっているのは、荒井君がどうやって仮交際の件を知ったかだ。今までに話した人たちの中に真犯人がいる。またしても全員を疑わなければならない。浅尾君は親を人質に取られながらも屈する様子はない。天野さんがどうやって勝ってきたかを暴露すると荒井君は言っていたが、どうにも嫌な予感がする。みんながガールズトークに夢中になっている今がチャンスかもしれない。


 トイレに行った後、私は席に戻らず、浅尾君の隣に腰かけた。


 鉄板焼きナポリタンの最後の一口を頬張る浅尾君。


「……なんか用か?」

「天野さんだけど、八百長でもしてたの?」

「結果的にはそうなるな。おじいちゃんが意図していたわけじゃねえけど、不正は確かにあった」

「聞かせてもらってもいいかな?」


 浅尾君は少し間を置くと、周囲を見渡してから口を開いた。


「おじいちゃんが王座戦を防衛した時、対戦相手が荒井グループと通じていた人だった。王座戦でわざと負けるっていう条件で裏金を受け取った。その頃のおじいちゃんは落ち目で、既に三冠から一冠まで転落していて、おじいちゃんの娘、つまり和子さんの母親が荒井グループから八百長を唆されて、おじいちゃんはしばらくの間、王座に居座り続けた」

「なるほど、天野さんが意図したものじゃないとはいえ、世間にばれたら大目玉ってわけだ」

「そういうことだ。和子さんは女流棋士を目指していたけど、伯母の不祥事を知って身を引いた。親が不正に関わっているなんてばれたら、居場所がなくなるからな。ずっと前、就職してOLになるって言った時の葉月は……和子さんが教師になるって言った時と同じ目をしてた。女流棋士初のタイトル獲得まであるって言われていたのに、夢を諦めざるを得なかった。でも葉月はそんな立場にいないだろ。この前のバレンタインデーの時も、チョコを食べている時の葉月は輝いてた」

「……」


 私にも思うところはある。教師を務めている時の和子さんは、仕事を割り切っているようだった。


 荒井君に躊躇なく注意できたのは、親戚が犯してしまった罪への贖罪なのかもしれない。だが私は決めたのだ。ショコラティエになり、かつての平和な日々を取り戻してみせると。


 まずは浅尾君の誤解を解かなければ私の気が済まない。


「浅尾君、天野さんには内緒にしてるけど、私はショコラティエになるって決めた」

「本当か?」

「うん。私は誰かと競うよりも、チョコ作りを仕事にしたいって思ったの」

「……そうか」


 ホッとしたように浅尾君が言った。彼なりに心配してくれていたようだ。


「浅尾君は将来の夢とかあるの?」

「一応決まってる。先のことを考えるのは苦手だからさ、自分の得意だって分かってないし、葉月みたいに多才でもない。だからさ、大学を出るまでに何も決まらなかったら、俺は教師になる」

「てっきりプロサッカー選手を目指してると思ってた」

「あのなー、プロのアスリートになれるのはほんの一握りの逸材だけだぞ」

「でも荒井君のことも圧倒してたじゃん」

「何言ってんだよ。ぶっちゃけあいつはスポーツ下手だからな。スポーツ万能っていうのはただの噂。あいつが荒井グループの御曹司で、立場上逆らえないから、みんなあいつの前では弱いふりしてたってだけで、本当はスポーツ推薦どころじゃねえんだけど、誰も指摘してくれないんだ。可哀想だよな」

「……浅尾君も知ってたんだね。夢を叶えるのは難しいって」

「将来の夢なんて言わされてるだけで、本当に目標がない奴は、大人の機嫌取るような回答してる」


 私が考えていたことは、案外みんなと変わりないのかもしれない。


「あれっ、みんなここにいたんだー」


 聞き覚えのある声に横を見ると、スーツ姿の和子さんが佇んでいる。


「和子さん、どうしてここに?」

「静乃ちゃんが小学生の時、家庭訪問で何度か来ていたの。ここのコーヒー凄く美味しいでしょ」

「はい。甘味と酸味が後から伝わってきて美味しいです」

「味分かるんだー」


 和子さんが私の隣に腰かけると、すぐに中津川社長が目の前に現れる。


「ジェズヴェコーヒーを1つ」

「畏まりました。今日は雛祭り記念で作ったケーキもありますが」

「じゃあそれもお願いします」

「はい。少々お待ちください」

「ここの期間限定メニューって毎月変わるから、月に一度は必ず来ちゃうんだよね」


 教壇に立っている時とはまるで別人だ。外にいる時の方が生き生きしているような。


 和子さんは近況報告をするように、今までのことを話してくれた。小学校教師の仕事はそれなりに楽しいようだが、時折特徴的な子供を見かけるという。私のようにいつでも満点を取れるが、あえて平均点を取っている生徒を他にも度々見かけると訴えるように言った。


 更には小学校低学年の段階で躓き、クラスの成績で常に最下位争いをしている生徒に驚かされると言ったが、平均的な能力から離れている生徒は一定数いる。均質性の高いバランスタイプを育てる前提が理不尽なほど強力に効いている。能力に偏りのある生徒が苦戦を強いられるのも無理はない。


 学力別にカリキュラムを組みなおしてはどうかと校長に尋ねたが、現状変えるには前例が必要の一点張りで、相も変わらず昔ながらの教育方針が続き、少しずつではあるが、不登校児に加え、卒業後引きこもりになる生徒が増えていると、和子さんは人知れず心を痛めていた。


 これから教師を目指す浅尾君への忠告とも受け取れる。


 将棋教室での一件も天野さんから聞いたようで、和子さんは私の行く末を憂いていた。


「あんなことがあったのに、特別講師を辞めないのは凄いと思うけど、そんなに家計苦しいの?」

「はい。お父さんとお母さんの稼ぎだけでは……とても足りない状況なんです」


 ――主にお兄ちゃんが高級コーヒーに、経費を湯水のように使ってしまうせいだけど。


「今だから話せることだけど、実は私、女流棋士を目指してたの」

「知ってます。詳細は浅尾君に聞きました」

「えっ……もしかして、あのことも話したの?」

「ああ、葉月は信用できるから大丈夫だ。それにその内、荒井が全部ぶちまけるかもしれないし」

「荒井君が釈放された時点ではニュースになってないから、恐らく話してないと思うけど、このままだといつかばれるかもね。私も職場の人に知られたらどうなるか」

「言わないんじゃなくて、言えないんだと思いますよ」

「どういうこと?」


 和子さんが首を傾げた。夏芽たちは仲良しそうに話している。


 周囲の雑音が秘密の話をただのノイズに落とし込んでいるのが幸いだ。


 恐らく浅尾君も和子さんも荒井グループのことをよく知らない。内部事情を調べるのは至って簡単だったが、恐らく荒井グループは不正の温床と見て間違いない。


「もしばれた場合は、荒井グループも不正に関わっていることになりますから、諸刃の剣なんですよ。なので一切関わりがないと白を切れるように、自分からは言わないと思います。恐らく何らかの拍子に知ってしまって、脅しの材料にしているんです。人の弱みを握れば言うことを聞いてもらえる経験をしているので、咄嗟に口から出てしまったものと思われます。恐らく釈放された後、父親から物凄く怒られたと思いますよ。天野さんが荒井君を除籍処分にしたのが証拠です。ばらすにしても、真実を歪ませるでしょうね。予め証拠を潰してから、自分たちは関係なかったと」

「あんなのが次期総帥になったら、とんでもない世の中になるかもな」

「……阻止したい?」

「もちろんだ」


 浅尾君と和子さんと連絡先を交換し、協力関係を築くに至った。


 特別講師はお兄ちゃんの事業が落ち着くまで継続するとして、数少ない収入源を守らなければならない以上、私と浅尾君たちの利害は一致している。


 事情があって組んでいる相手のことを友達と呼んでいいのだろうか。


 ――何で私、浅尾君のこと気にしてるんだろ。


 数週間の時が経ち、ホワイトデーの時期を迎えた。


 元々はバレンタインデーだけだったが、チョコレートを貰った男性がお返しする目的で、事実上の創設となった日だ。恩返し目的だっただろうが、いつの間にか義務感を植えつけられ、義務で与えられた恩恵を義務で返す虚しい日と化している。優子さんが言うには、譲渡関連のトラブルを防ぐべく、バレンタインデーとホワイトデーを両方禁止にしている企業もあるんだとか。


 面倒な習慣を作ったものだとつくづく思うが、これは製菓会社の企業戦略だ。


 友チョコの登場により、身内同士でチョコを回せるようになったのが救いか……。


 ――ホワイトデー当日――


 静乃たちは来なかった。お返しを強請っているように見えるのだろうか。


 私、春香、秋葉の3人で対局していると、将棋教室に集合すると、男子たちが私を取り囲んだ。


「あの、これ受け取ってください」

「俺からもどうぞ……」

「俺のマカロンも」

「俺も俺も」


 私の手の上にマカロンが次々と手渡され、すぐ鞄に詰め込んだ。


 普段は手ぶらだが、念のために鞄を持って来ていたのが幸いした。


 優子さんが言っていた通り、どうやら私はモテるらしい。主にこのケダモノホイホイのせいで……。


 ずっと見られていたのが恥ずかしい。明らかに胸ばかり見てたし、男性恐怖症って、こうやってなるのかな。義理チョコならぬ義理マカロンをここにいる女子全員が受け取ったが、私だけマカロンを多めに貰ってしまった。見た目からは本命との格差が感じられないが、恐らく中身で差をつけているものと思われる。お兄ちゃんがバレンタインチョコを貰った時は、チョコの大きさや値段の高さで本命アピールをしていたくらいだ。結局、ほとんどのチョコは私が食べてしまった。


 当分はマカロンをお菓子として消費できるし、お兄ちゃんへの手土産になる。


「はぁ~」

「お疲れさん」

「いいなー、璃子ばっかりモテて……」

「モテるなんてロクなもんじゃないよ。ずっと誰かに注目されるなんて面倒だし、余分に嫉妬を買ったりするし、だから一生分稼いだら、引きこもりになる。それが私の本当の夢」

「ふーん、つまり稼ぎ方に拘りはないと」

「うん」


 思わず口角を上げながら返事をしてしまった。


 やっぱり言いたいことを言えている時が1番スカッとする。


 隠し通すことが大人なんだろうが、時々はこうやって子供に戻りたい。ずっと大人でいるのは、全力疾走し続けるようなもので、疲弊する未来しか見えないのだ。


「葉月」

「浅尾君、どうしたの?」

「これ、この前のお返し」


 何の用かと思えば、恥ずかしそうに白い箱を差し出した。


「ホワイトデーだろ。この前名古屋まで行って、葉月が持ってなさそうなの選んできた」

「……ありがとう」

「面倒な慣習だよな。一体誰が始めたんだか」

「私は全然ありだと思うよ。大変かもしれないけど、こういうコミュニティがあるからこそ、生活が成り立ってる側面もあるし、それにこの前は……私を守ろうとしてくれたでしょ」

「そんなんじゃねえよ。あいつには前々からムカついてたから、対処しようとしただけだ」

「それでも……ね」


 動機なんてどうでもいい。行動したかどうかが全てだ。


 用を済ませた浅尾君がすぐに中島君と江藤君の元へと戻っていく。


 私は人の心を見透かそうとしてばかりで、肝心の行動には目を向けていなかった。対局指導に戻り、春香と秋葉の腕前を確かめていた。2人は大会が近いにもかかわらず、学年末テストを終えたばかり。テスト勉強を終える度にまたリハビリの繰り返しで、学業に戻ってみれば、以前習った内容を忘れてしまうことの繰り返しだ。人が憶えるのは、興味を持ったこと、必要に迫られたこと、強い印象を受けたことのみ。道端の石ころを見ても、大きさや形など、すぐに忘れてしまう。


 こんなことを繰り返す学生生活に、果たして意味はあるのだろうかと考えた。


 みんなと同じ経験をしていることによるアドバンテージがどれほど大きいかは知らない。


 しかし、ほとんどの人がしてこなかったような経験を積めることも貴重だ。


「ねえ璃子、浅尾君との交際は解消するつもりなの?」

「まだ決めてない。それにフリーになったら、また誰かが交際を申し込んでくるかもしれないでしょ。ほとぼりが冷めるまでは仮交際を続けるつもり」

「なんかずるいなー。浅尾君だってさー、パッとしないし地味だけど、男気はあるじゃん。その内誰かに告白されたりして。そうなった時どうするかくらい決めておいたら?」

「その必要はないと思うよ」

「どうして?」

「勝ったら教える」

「えぇ~」


 両頬を膨らませる春香。どうやら私の恋路が気になるらしい。


 恐らく浅尾君も、恋愛を面倒なものだと思っている。じゃなきゃホワイトデーのお返しを渡す時にめんどくさそうにしない。告白された時の言い訳としての仮交際であることは、浅尾君も同じだ。


 浅尾君の言動はお兄ちゃんに通じるものがある。


 不格好だけど、行動力があって、よく分からない気持ちにさせられる。


 誤魔化しながらやり過ごし、正午を迎えてから帰宅してみれば、お兄ちゃんは相も変わらずパソコンに夢中だ。よくここまで集中が続くものだが、過集中は依存とも呼べる。パソコン作業はは人と関わる仕事ではない分、社会性が壊滅的なお兄ちゃんとは相性が良い。


 世界のコーヒーについて調べているようだが、やはり私もパソコンを使った方がいいだろうか。


 お兄ちゃんがいない時にこっそり使っていたが、世界のコーヒー関連のページがブックマークに追加されており、どこからでもコーヒーに辿り着ける仕様だ。1日中コーヒーのことばかり考えているお兄ちゃんは立派な変人だが、私も忙しくさえなければ、1日中チョコレートのことばかり考えていたいと思った。ペーパーテストと趣味の狭間で、どっちつかずな生徒たちと変わりない。


 ショコラティエになるなら、もっとチョコレートと密接に関わる必要があると、私は密かな違和感を抱いた。お兄ちゃんがパソコンを閉じて1階に下りてくる。


「おかえり」

「ただいま。お兄ちゃん、近所の男子からマカロン貰ってきたよ」

「えっ……もしかして、ホワイトデーだと思って商店街を回ってきたのか?」

「まあ、そんなところかな。10個まで選んで。たくさんあるから」

「思ってたよりちゃっかりしてんだな」

「お兄ちゃんが言えたことじゃないでしょ。それより、売り上げ下がってきたみたいだけど」

「あはは……大丈夫だ。なるようになる。ケセラセラ」


 またこれだ。ケセラセラはコーヒーに次ぐお兄ちゃんの代名詞だ。


 失敗を恐れないフロンティアスピリッツを持っていることが見て取れる。


 にっこりと笑いながらマカロンを選んでいくお兄ちゃん。男子たちにとっては不本意だろうが、私1人では時間をかけないと食べきれない。人から貰うお菓子も貴重な収入源だ。


 しかし、本当に何とかしてきたのがお兄ちゃんの恐ろしいところだ。


 売り上げ的にはまたしてもピンチを招いた。唯一のお得意様である外国人観光客があまり来なくなっていたのだ。まだばれていないのが奇跡とも言える。お兄ちゃんはお兄ちゃんなりに努力を積んでいるようだけど、心配が募るばかりで、心休まる日がない。


 莉央さんが言っていたオーディションの件、考えてみようかな。

読んでいただきありがとうございます。

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