努力の成果
初投稿です!これからがんばります。
今日も朝から鏡を見て髪を整える。ダサくない程度に着崩れされた制服に赤茶のセンター分けにされた髪、耳にはお気に入りのピアスが一つづつ、そして首にはプレゼントで貰ったチョーカーをつけている。
うーん今日も俺イケてるなー()
俺は笹木陽人名前の通りの生まれながらにしての陽キャ...なんかではなくこの春高校に入る前に必死に自分磨きに励んだ養殖系陽キャまあ高校デビューというやつである。
今日は入学式、つまり俺の努力の成果発表の日である。
「ふぅ...こんなもんでいいかな」
春休みで必死に学んだセットを終え俺は一息つく。
「ちょっとおにぃいつまで鏡見てるの?邪魔なんだけどーてかそろそろ準備しないと遅れるよー?」
「すまんすまんすぐどくからてかえ?まじ?」
「まじ」
こいつは俺の妹の悠花俺とは違い天然の陽キャである
俺の高校デビュー計画の立役者の1人でもう1人の俺の幼馴染と一緒に散々遊ばれ...もとい力を貸してくれた恩人である。
oh......セットに時間をかけすぎて遅れるところだったぜ初日から遅刻はやばい...もっと練習しないとな俺は急いで準備をする
「じゃあ俺そろそろ行くわ」
「いってらー」
俺は待ち合わせをしていた時間に家を出る。すると家の前には見慣れた少女が立っていた。
「おっすおはよーさん」
「おうおはよ」
少女の名前は水嶋葵俺の幼馴染で幼稚園以来の付き合いである。俺の高校デビュー計画の立役者のもう1人で正直こいつがいなければ俺は挫折していたと思う。
「いやーだいぶ仕上がってますねぇ」
「そう?良かったわまじ感謝してる」
「いいってことよ愛する幼馴染のためなんだからさ 」
「それ充希さんに報告しとくぞ?」
「ふんっそんなんじゃあたしと充希の愛は揺らがないね」
「そーでっか」
そうこの女彼女持ちである。
充希の恋愛対象は女性でそれに加えて大の男嫌いで男子とは友好に見せつつ絶対に懐に立ち入らせない立ち回りをしている。え?俺なんで大丈夫なのかって?
充希曰く「お前は別枠だし今更男だからどうとかお前とはありえない」
だそうだまあそれはこちらとしても同感である。
よってこうして2人で登校しても彼女さんに怒られることは無い。
「てかあんたいつするの?」
「ん?何を」
「何をってそりゃ告白よこ・く・は・く ったくなんのためにあんたのイメチェンに付き合ったんだか」
俺が高校デビューを計画した理由、それは俺の想い人
彩川実乃梨さんに告白するためである。彼女はど陰キャであった俺に普通に話しかけてくれる天使でそれに俺は中3の時に彼女の言葉に救われた。その瞬間に彼女に惚れた。我ながら単純なやつである。しかしそんな彼女には好きな人がいた、それは彼女の幼馴染の湯川慎二である。
(なぁあの子めっちゃ可愛くね?隣のヤツ彼氏かなぁ)
(あの人めっちゃかっこいいね!美男美女カップルだぁ)
学校に近づくにつれ人が増えそんな声がちらほらと聞こえるようになる
「なぁなぁ陽人さんや」
「なんだい葵さん」
「私たちお似合いカップルだってさー?」
「そう見えてるなら良かったよ中学の時なんてなんであんなやつが葵さんの隣にいるんだよって毎回言われてたからな」
こいつと釣り合うように見えるならとりあえずデビュー成功でいいのではないだろうか?いやいやでもまだ実乃梨さんには程遠い、精進せねば...
なんて考えていると学校が見えてきた。
「新入生の皆さんは玄関すぐにあるクラス表をみて自分の教室に向かってくださーい!」
学校に着くと上級生の人が指示を出しているのが聞こえてくる。それに従い俺達も自分のクラスを探す。
1ー3のところに自分の名前を見つけた。
「おっあたし達一緒じゃんいぇーい」
「い、いぇーい!」ぱしんっ
葵につられてハイタッチをするこういうのを自然とできるのが天然の陽キャなのだろうか...
「てかあんた実乃梨ちゃんも一緒のクラスじゃん!
良かったねー」
「まじか!よっしゃ!あ、てか慎二も一緒かよ」
「ライバルくんも一緒かーどんまい!まあライバル認定すらされてないけど」
「うるせっこれからなるんだよ」
俺達は教室に向かって歩いていくやべぇ緊張してきた..俺はドアの前で一旦立ち止まる
「ふぅ...」
「何やってんのいくよ?」
「いやちょっと緊張しちゃって」
「大丈夫だってもっと自信持ちな?それともなにー?あたしと悠花ちゃんのプロデュースを疑うのー?」
「確かにそれは失礼だな...よしっ!行くか」
俺は意を決して扉を開く扉を開けた瞬間中にいる生徒がいっせいにこちらを向く(うっ...)しかしすぐに視線ば戻り少し落とした声でまた初めましての友達や旧友との会話を始める
(待ってなにあの美形カップルヤバいって)
(女の子は北中の葵ちゃんだよね?確か前学校パンフのモデルになってた!)
(あぁだから見た事あるのか、でも隣イケメンくんは見たことないよね?)
(うん...やっぱり彼氏かなぁ)
俺の肩がバシッと叩かれるそして
(ね?大丈夫でしょ?)とでも言いたげなドヤ顔をしている。なんだこいつ
「さっ席つこ?自由みたいだしあたしあそこの窓側がいい」
そういうと葵は1番後ろの窓側に座るそれを追って俺も葵の隣の席に着く。しばらく取り留めのない会話をしているとガラガラっとドアの開く音がした。そちらを一瞥すると、oh......マイエンジェル実乃梨さんがいらっしゃるではないか。実乃梨さんは少し戸惑うように周りをキョロキョロと見まわしている。おっとこれは株をあげるチャンスでは?そう思い俺は声をかけようと立ち上がろうとする。
「実乃梨さ、」
「実乃梨ちゃん!こっちこっち!」
葵が俺より早く立ち上がり実乃梨さんを呼ぶ、俺が不満げな顔で見つめると「せっかくなら驚かそうよ」と小声で伝えてくる。ったく持つべきものは幼馴染だな!
「おはよー!実乃梨ちゃん!」
「おはよう!葵ちゃん!」
「席自由みたいだし一緒にすわろ!」
「そうなんだありがとう!でも...」
実乃梨さんがこちらを覗いてくる。そんな熱い視線を向けないでくれ火傷しちゃうじゃないか。なんて思っていると
「あーこれ?これは陽人だよ陽人覚えてる?あたしの幼馴染の」
「え!陽人くんなの?凄い雰囲気変わりすぎてて気づかなかった!」
「そう?春休みこいつと妹に色々学ばせてもらったんだ。変かな?」
「全然そんなことないよ!とても似合ってる!」
「ほんと?良かったぁ」
俺はできる限りの笑顔で答える。良かった...似合ってるんだ。そして俺は勇気をだして彼女に話しかける。
「葵は窓側がいいらしいし前ももう人がいるから良かったらこっち来ない?」
俺は自分のもう反対の席を指さす。言えた...言えたぞ!
「うん!ありがとね!」
「どういたしまして」
それからまた3人で話をしていると時間ギリギリで扉が開く。
「あっ慎くん!おはよ!」
「おー実乃梨おはよ」
特になんの断りもなく実乃梨さんの隣に座る慎二。俺が隣に座るためにどんなに緊張したと思ってんだちくせう。
「もー初日からこんな時間ギリギリでまた夜更かししてたの?せっかく待ってたのに...」
「わりぃわりぃてかいつも言ってるだろ?俺を待たなくていいって」
「だって...一緒に行きたいんだもん。」
「ん?」
「なんでもない!」
目の前でラブコメを見せられた俺はどんどん落ち込んでゆく...これ勝ち目なくね?俺が葵にもたれかかって絶望していると慎二がこちらに気づいて話しかけてきた。
「てか水島さんも一緒なんだよろしくー」
「おー湯川くんよろしくー」
「おうてか何?それ彼氏?」
「んにゃこれは現実を見て絶望した幼馴染くんだよ」
「ん?まあよくわからんけど陽人以外にも幼馴染いたんだな」
「いや?これ陽人だよ?」
「まじかこれが?」
こいつらさっきから人をこれとかそれとかいいやがって慎二はありえないものを見たような顔をしてこちらを見る。悪かったなありえないようなやつで
「そうだぞ俺は笹木陽人だ」
「まじかぁあの?いやー変わりすぎっ」
「まあ色々あったんだよ」
4人で話していたところに担任の先生がやってきた。
小柄で一見中学生に見えないことも無い若い先生
一瞬迷い子かなと思ったが服装で先生だと気づく。
「はーいみなさーんこれから入学式ですので体育館に移動しまーす!」
先生の指示に従い体育館に移動する。それからつつがなく式が終わり、教室に帰ってくると自己紹介の時間になった。
「今から自己紹介をしてもらいます。名前と所属予定の部活、趣味等自由に話してください!目安は1人1分です。」
きた、ついに来た俺がここしばらく俺がずっと考えて練習してきた時間が!
「じゃあまずは左前からお願いします」
「はーい」
数人が終えまず葵の番が回ってきた。
「どうも!水嶋葵です!北中出身で部活はまだ決めてないので色々見て回りたいなーって思ってます!あと趣味はーこのアホをいじることかなー?まあそんなとこでみんな仲良くしてねっ!」
皆が笑いだす。こいつっ人をダシに笑いを取りやがった!この天然陽キャめっでもありがとうクラスの雰囲気が穏やかになった。これで俺もリラックスできる。
...そしてついに俺の番が来た。
「どもー!こいつと同じ北中からきた笹木陽人です!部活は中学は陸上してたんだけど多分帰宅部かなー遊びたいし。趣味はーちょっと前にギターを始めたのでやっぱそれ。文化祭とかでバンドしたいって人がいたら誘ってくれると喜ぶ!じゃあこれから1年間よろしく!」
よしっ言えたぞ!多分大丈夫なはず...クラスメイトの反応も好感触な感じだし成功だ!俺が1人喜びを噛み締めていると
「はいはーい!その髪って染めてるのー?あと水嶋さんと付き合ってるの?」
「えっとこれは地毛で染めてないあと葵はただの幼馴染だよ」
俺の発言に男子と女子がドッと沸き立つ
(地毛であれってすごくない?)
(それな確かに染めたんじゃあんな綺麗にならないよねー)
(え?てか2人付き合ってないの?)
(じゃあ水嶋さんは狙えるのでは?)
(いやいやお前にはむりだろ俺もだけど...)
(私笹木くんに告白してみようかなー)
(でもあの二人の親密感に割って入れる気がしない...)
(確かに...)
なんかとても盛りあがっていらっしゃる。まあ葵に告りたいなら頑張ってくれ絶対無理だけど。それから
また数人が終わりマイエンジェル実乃梨さんの番になる。
「みんなよろしく!彩川実乃梨です!この2人と一緒の北中の出身で部活は前はサッカー部のマネをしていたんですがまだどうするかは決めてないです!趣味はウィンドウショッピングかな出来ればみんなと仲良くしたいなって思ってます!よろしくね!」
(え?北中の顔面偏差値どうなってんの?)
(美男美女しかいねぇの?)
(神は不平等だ...)
なんか悟り開いてる奴もいるがやっぱり実乃梨さんは凄い反応が圧倒的に多い。それから自己紹介の時間が終わりその後軽い連絡事項を終えて解散となった。
「ねぇ慎くん!一緒帰ろ?」
「いや、俺今日出た最新巻買わないとだから本屋寄って帰るわ」
「私も一緒いくよ?」
「いいって一人で行く」
「そっか...」
慎二に断られ寂しそに目を伏せる実乃梨さんその様子を見ていると背中をバシッと叩かれる振り返ると葵が眼で「お前がいけ」とうったえてくる。まじか...行けるか?いや行くしかねぇ!と意気込んで相変わらず落ち込んでいる実乃梨に声をかける。
「ねぇ実乃梨さん一人?これから葵と帰るんだけど実乃梨さんも一緒にどう?」
「いいの?」
「もち!」
「ありがと!...気を使わせちゃたね..」
小声でそう言われる。
「そんなことないよ?俺がただ実乃梨さんと帰りたかっただけ」
「ふふっそっかそういうことにしとくね?」
「うん」
「じゃあ3人で帰ろっか」
俺達は3人で帰路に着く。俺は改めて実乃梨さんと絶対にもっと仲良くなると誓った。
どうも!さくぱんです!見てくれてありがとうございます!これからこの作品は長くても10話程度で終わることを予定しているので気が向いた時にでも呼んでくれると嬉しいです!
良ければブクマ ★感想などして頂けると飛び跳ねて喜びます!