大賢者バインシュタイン
宴会もたけなわである
この国の料理はうまいが基本は塩味である
海のないファンハールでは岩塩を使用しているらしいがその岩塩がうまいのだろう
しかし肉も魚も同じような味付けだ醤油がほしいものだ
{醤油作れるか?}
--うーん材料はあるね でも本来は海塩だろ不純物の多い岩塩 ああ 精製すればいけるか--
「王様 調理場をお借りしてよいか?」
ラインハルト王
「ふむ かまわないが いったい何を?」
「ちょっと私の故郷の調味料を作りたくて」
ラインハルト王
「面白い実に面白い是非 見学させてほしい」
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次の日 大豆 麦 塩を用意してもらった
さてスキル万物創造 醤油を作れ
用意された大豆と麦と塩は樽一杯もの醤油となった
本来は麹による発酵など1年はかかるのに恐ろしいスキルだな
宮廷調理長
「な な 大豆と麦があっという間に黒い液体になった
なめてみてもよろしいか?」
ラインハルト王
「なんというすごい魔法じゃ さすがは転生者様である」
宮廷料理長は醤油を少し味見する
そのしょっぱさに身震いするも
「たしかに塩味である しかしそこに何とも言えぬ香りに旨さがある」
「鶏肉はあるかい?」
「これに砂糖混ぜて塗って焼くだけで美味しいからやってみてよ 串焼きでね」
宮廷料理長
「砂糖・・・聞いたことはありますが この国には流通していません
甘味はもっぱら 麦芽糖を使います イオナルの賢者様からお教えいただいた調味料です」
麦芽糖・・水あめの事だな それなら醤油にも合うな
「それじゃあ麦芽糖と醤油を混ぜてそれを塗ってを焼いてくれれば美味しいよ 是非やってみてほしい」
お昼に醤油の焦げる香ばしい匂いが充満した
大きなテーブルに焼き鳥が並ぶ
ラインハルト王
「あの醤油という調味料で味をつけた鶏肉か、旨そうだ しかしこの香り今まで嗅いだ事がない
なんとも食欲を刺激する香りだ」
王は我慢できずに串をついばむ
ラインハルト王
「旨い 旨い 今まで味わった事ない味
ユウスケ殿 是非あの残った醤油と作り方を教えてほしい」
「いや大丈夫ですけど 本来の創り方で作ったら半年はかかりますよ」
王
「なんと 半年であるか・・構わぬ是非創り方を伝授してほしい」
昔派遣で醤油醸造所を手伝った事があるちょっとおもしろいなと思ってしまった
苦い思い出もいでもあるなああそこは・・・
留美ごめん ちょっと寄り道していく・・
大豆を湯で 小麦を要り麹菌を混ぜる 麹菌を培養する過程は万物創造を使った子の種を保管する工程を宮廷料理人たちに指導した
ゆでた大豆に 煎った麦 そして麹菌で種麹を作る それに塩水を加えて放置
さて町を歩くか・・・
醤油づくりは時間がかかる分暇な時間も多い
王も醤油醸造の専門部署を作った
万物創造 タキシード
万物創造 背広
万物創造 作業着
いろんなパターンを作って置いた作業着が一番動きやすい 王の前では背広 宴ではタキシードにと変えてみた
背広とタキシードはこの時代にもあり使い方は変わらないみたいだが作業着はみんな珍しがる
ポケットがいっぱいあるつなぎなので動きやすい
とはいえ前世の後半は現場派遣が多く電気技術 土木技術なんでも修得した
習得し派遣先に気に入られると派遣先が倒産する
私は死神と言われた 先の醤油醸造所も私が勤めて2年目 職人にならないかといわれて派遣からそこの職人になろうときめた次の日に火事になった
神の間違いの大厄って怖いな でもなんであんな思いしなくては?腹が立ってきた神よ
まあおかげで技術だけはいろんな技術をもっているそしてそれもこの世界で生きることもあろう
そんな昔の事を考えていたら
「ユウスケ様・・・お約束はお忘れですか?」
ふと目の前に御一行様が
あら
「アスナ様 これはご機嫌麗しゅうございます」
はて約束ってなんだっけ
礼をしながら考える
--おいボンクラ先週に醤油蔵が暇になったらお話をしましょうとか言われていたぞ--
{ああ たしかに そんなのあったなあ}
アスナ様は俺の転生前の世界の話に興味心身なようだ
若者のファッション 流行など俺の青春時代の古いことをすごーいと最新の事のように聞いてくれる
年頃の女の子らしいといえばらしいのだが
しかしこの国の国賓として迎えられ醤油製造のほか兵士鍛錬や転生前の知識などを広める事など
転生者はどこの国も手厚く迎える代わりに国を豊かにしてもらう仕事をするみたいである
しかしここの兵士が弱すぎる
近衛兵長のバミル君がこの国の兵士の中では強い。あるが恐らく一番強いのはあの王様だろう
バミル君は女好きである こんな人物が近衛兵長でいいのかと思うが 実力は確かにある
しかしこの間の魔物には対処できないだろうな
そんなんで王妃が守れるのかと思うが・・・
なんでも精鋭はバルバイトに派遣されているらしい この辺りは王の結界で強い魔物もあまり出ないが
最近1万クラスの魔物が出没し始め警戒をあげているらしい
この間のダークオーク族はめったに王の加護がある地域では出没しないらしい アルミナ地域をでるとあのクラスはよく出没するがこの辺りで出るのは数年に1回らしい
それが群れをなしていたので相当ピンチだったらしい
皇女アスナはさらに近づき
「何さっきから考えごとのしているように黙っているのですか?少しはアスナの相手もしてください」
「まあ まあ アスナ様 俺の若いころに女の子の間に流行ったルーズソックスってのがありましてね
後で作ってアスナ様に献上しようとおもいまして 作り方を考えていたのです・・」
アスナ
「まあ ルーズソックスですか? ソックスというから靴下の類ですね 楽しみにお待ちしております」
アスナは顔を赤らめて城のほうに向かっていった
皇女に献上するんだからキラキラさせた方がいいよな・・・・
目の前に宝石店がある・・この国はとなりの国のデボシ鉱山から出土する宝石の売買が盛んで質がたかいらしいまたデボシ高山組合の剣は質が良くその販売もこの国から流通する物が多く仲買商売の様なもので生計を立てている商人も多いようだ
国賓の仕事で報酬はもらっているが宝石って高いよなあ・・・・
それに今作業着だしなあ・・・
作業着のまま入る店ではないだろうが この町では作業着姿が流行ってしまっている
醤油造りの合間 町をぶらぶらしていたが 最初はこのつなぎは姿は好奇の目で見られていた
気がつくと同じようなツナギを着ている物が現れ始め なにやらブームを作ってしまったようである
建設作業員や肉体労働者は実用的に使いこなしている しかし貴族的な高貴な従事さんもこの作業着である
おかげで町では目立たなくなったがちょっと異様な光景である
--お前にはモテモテの固定スキルがあるからな 女性が憧れれば それをまねる男も出てくる
実用的な服だから現場作業や従事のようによく動く職業からは重宝されるしな--
解析者が解析をするがまあいいだろう いいのか? いいとしよう
宝石店でちょうどいいビーズがあった 値段も手ごろで靴下にで飾っても問題なさそうだ適当に見つくろってもらって店を出ると行き当たりばったりにまるで水着姿の女性とぶつかった・・・
「うお っと 大丈夫ですか?」
俺は女性に声をかけた
女
「大丈夫だ しかしお前たくましいな 我が娘の夫となってみないか?」
可愛らしい顔をしているがたしかに引き締まった体は女性とは思えない
いや顔が可愛らしいだけにすこしちぐはぐである・・・
--アマゾネス 北部の国家で女性しかいない国家だ--
ほう・・神話の世界や昔の映画でもあったな・・・・
女
「おいバイン 早く来い こいつではないのか転生者は?」
男
「これこれルシア そんなところで大声を出すな」
ルシア
「バイン 宝石はあとでいい この男の魔導 尋常ではない 」
バイン
「どれどれ」
男は俺をじ~とみている
バイン
「おお転生者か俺と同じだ お前がユウスケか?」
何やらおいてけぼりである・・・
「たしかに ユウスケだが おあなたは?」
バイン
「いやいや 俺はバインシュタイン 転生者が現れたと聞いてな イオナルからやって来たわけだ」
どこかで聞いたことがある
ルシア
「私はアマゾネスのルシアである アマゾネス族の族長でもある」
そういえばイオナルの大賢者がそのような名前だったような
「俺と同じって あなたも転生者ですか?」
バイン
「いかにも 前世ではそこそこ有名な数学者だったようだがしらないか?」
バインシュタイン・・バインシュタイン・・・
ある有名な数学者を思い浮かべるが見た目が全然違いすぎる・・・
なんかこう優しそうな老人のイメージなんだが 目の前にいるのは屈強な肉体・・