002#胎児
箱根駅伝往路は東洋大、青学は6位。意外な展開でした。
意識がカチリ、とはまる感覚。
目は全く見えない。ただ、何か温かいもので包まれているのは判る。
空気?いや、これは羊水だ。
今俺、いや僕は母親の胎内にいるんだ。
あとどれくらいで産まれるかわからないけれど、とりあえずさっき言われた「ギフト」なるものについて確認してみよう。
心の中で開く感覚。、、、よし、これか。
目の前に写しだされているような感覚だ。目は閉じているのにね。
ギフトはこれだな。
【ギフト】
前世界の事典
異世界の仕組み
異世界の歴史
異世界の地理
異世界の言語
、
、
、etc
とりあえず異世界の仕組みを読みかじってみようか。
*
数分読んでいると、なんとなくわかって来た。
この世界はルフィシスといい、
文明が一番発達している人族、
身体能力が高い獣人族、
排他主義の魔人族、
この3族で構成されている。
魔人族は度々他の2族に戦争を仕掛けては負け、仕掛けては負けというのを繰り返している。前回は50年前。
この時、大敗を喫したことで今は静かのようだ。
次に、魔法の仕組みだ。
魔法の定義とは世界への干渉。
火魔法や水魔法などは体系化されたに過ぎないということらしい。
また、詠唱も不要にできるようだ。
そのためにはイメージが大切だそう。
胎内でもできる練習法としてはそのイメージを強めること、それととても重要なのが魔力を増やすことだ。
魔力は心臓を中心として体内に薄く広がっているようで、それを動かすことから始め、集めて体から出すことで体内に溜め込める魔力の量が増えていくそうだ。また、それと同時に吸収する速さも速くなるようだ。
今の魔力はステータスによると1のようで、10が一般人のピーク、1000が1人前の魔法士、10000でトップ100に、100000程度になれば同程度のやつがいなくなるくらいとのことだ。
最後にスキルについて。
スキルは自分で作った【努力】の以外にも持っているかもしれないのだが、1歳になったら教会に行き儀式を行わなければ使えないんだそうだ。【努力】は例外ということらしい。
*
ついに産まれる時が来たようだ。
僕は産まれるまで、魔力の鍛錬、イメージ力を高めること、世界について知ることの3つを【努力】した。
そのお陰で魔力は100となった。
まあ、ギフトに入っていた本は読み切れてないんだけど。
箱根駅伝復路も頑張ってください。芦ノ湖とか寒いでしょうからね。