表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

#3 修行と現実

新たなキャラクターが登場。

遼の現実は?

修行はこれから!


「お兄ちゃん、勇者やるって本気なの?だってまだ何にも分からないよ。何と戦うのか知ってんの?」

 信じられないとばかりに鈴は遼に食って掛かる。

「いや~だってこの子困ってるんだろ。困っている人は助けろって、お父さんが何時も言ってるじゃん。それに勇者の資格持ってるのは俺たちなんだろ。この世界が消えたら、俺たちの地球も消えるって話なら帰れたとしても消えちゃうよ、俺たち。」

 遼は必死だ。


 次々迫りくるアンデットの群れをルルを庇いながら、切れ味抜群の美しい意匠を施した黄金の剣エクスカリバーを振るい次々と屠って行く。

 ブラックドラゴンが吐いた炎のブレスを呪文を詠唱し、風の魔法で真っ二つに切り裂く。

 その直後に飛行魔法を唱えドラゴンの頭上まで一瞬で飛び上がり、右手に持った蒼い雷を纏った剣を頭上へ掲げ振り下ろすと、ドラゴンは雷撃の爆発で圧倒的なダメージを受けその巨躯を地面に横たえる。

 「リョウ、ありがとう、私たちの世界を救ってくれて!」

 ルルが遼に駆け寄る。

 「いや、当然のことをしただけだよ。それに俺が救いたかったのはルル、君だ。」

 遼はルルの手を握り、目を見つめる。

 そして二人の影は一つに・・・・

  

「その話が本当だったら、それはそうなんだけど・・・、何かお兄ちゃん下心ない?今なんか妄想してた?」


 くっ、エスパーかこいつ。


焦る遼。

エスパーでなくても遼の鼻の下と表情を見れば誰でも一目瞭然なのだが。


「ば、バカだなぁ。俺は勇者様だぞ。下心なんかあるはずないわ。で俺たちはどうしたらいいの?」

遼はルルの方へ向き直り、下心の話をなんとかすり替えた。

「お二人には私と一緒にこの東域の聖地アレクサンドライツにある修行の地アクアへ行っていただき、そちらで勇者の修行と試練を受けてもらうことになります。」

ルルはやや神妙な面持ちで二人に説明する。

「え~、修行ぉっ?!。ヤダ。面倒くさい。

 私疲れるの嫌い。」

「修行って・・・。俺たち勇者でしょ。

 修行なんかしなくてもパーッと強くなってて必殺技とかスキルとか使えて、勇者しか使えない魔法とかバンバン使えるようになってるから必要ないでしょ。」

「勇者様、申し訳ありませんが、今のお二人の身体能力は、さほどチキュウで生活されていた時と変わりません。

あっいえ、体の丈夫さと体力、瞬発力は高くなっていると思います。この世界の人の能力が低いと言った方がいいのかも知れません。」

「えっ、じゃあ魔法とか必殺技は?」

「それはこれからの修行で身に付けてもらいます。」

遼はガックリとうなだれた。

「勇者なのに修行か~、なんか違う。思ってるのと違う〜。やっぱアニメやゲームとは違うかぁ~。」

「これが勇者の現実なのね。聖門を通ったら魔法も、必殺技も全部身に付いていたらいいのに。」

二人は難しい顔をしながら揃ってブツブツと文句を並べる。

 ルルが二人に元気よく声をかけた。

「それでは勇者様、アクアへ向かいましょう!」

「あんまり気が進まないけど、オーっ。」

「修行やだぁああ。」


「ここです!」

「「へっ?」」

遼と鈴はあんぐりと口を開けて大きく口を開けた洞窟の入口に立つ。

東域の聖門から僅か数十メートル先に修行の地アクアはあった。二人は少なくとももう少し距離が有って、街中やこの世界の様子を見られると期待していた。

しかも洞窟の入口には「おいでやす!死ぬ程辛い修行の地アクアへ!」なんてデカデカと真っ赤な文字で書かれた横断幕がぶら下がっている。

「なんで日本語?!京都弁?」

「以前召喚された勇者様が修行を終えてから書かれ たんです。ようこそ、アクアで頑張れって書いてあると伝わっていますが。」

「・・・う〜ん、間違ってはないんだけど、これ書いた奴、絶対性格悪いわ〜。」

「もうイヤ!絶対修行なんかしないもん。お兄ちゃんだけでいいでしょ!」

「そんな〜ここまで来たんですから修行して下さい

勇者様〜。」

「あのさ、勇者様って呼ぶのやめない?まだ勇者のタマゴみたいなもんでしょ。俺、加藤遼。リョウって呼んでよ。」

「ズル〜い、私も〜、加藤鈴。レイちゃんって呼んで、ルルお姉さんっ!」

ルルは迷った様子で二人の顔を見た後、

「わかりました、リョウ、レイちゃん。私の事もルルと気軽にお呼びくださいね。」


「さて、仲良くしているところ邪魔して悪いが。」


「うおぉっ!ビックリしたぁっ!!」

突然遼の顔のすぐ横に整った男の顔が現れた。

遼が驚いて飛び退いた場所にしゃがんでいた男性が立ち上がった。

短く立ち上がった銀髪に黒い瞳、目尻には僅かにシワが浮かんでいる。褐色に肌でモデルのような長身のスラっとした体型。白い布が全身に身体に巻かれているように見える服を着ているが、筋肉で引き締まった腕や胸の辺りが見える。


くっ、イケメン!その上細マッチョっ!

世の中不公平だぁっ!

こんな奴っ、こんなヤツっがいるから!!


遼はイケメンとは言えないが、十人並みの顔に身長もそこそこ伸びてきて黒髪で少し天然パーマのかかった髪の毛が特徴的な爽やかな少年だ。

中学から始めた剣道や、小学生の頃から続けている拳法でまあそれなりに体力と武術には自信を持っている。

しかし、彼は技術の習得までには時間を要した。

それは不器用という事もあるがそれ以上に彼の一番の欠点

人の話を素直に聞かない。

すぐ人や物のせいにする。

だらしない。

という三大スキルのせいだろう。

そのため遼の母親は何時もピリピリ、プリプリしてストレスが溜まっていた。

服装はシャツがだらしなく出ている、部屋の掃除は仕方がわからないと言ってしない、物はよく無くす、提出物は親に出さない。

だらしない服装や生活態度。家だけならともかく学校でもやっていれば女子にモテるはずがない。

モテない原因は他のイケメンのせいだけではない、自分の行いが悪いからなのだ。

所謂自業自得だ。


「お父さん。」


ルルが男性の元に歩み寄る。

「お父さん?!」


イケメン細マッチョの渋キャラ登場。

果たしてどんな性格か?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ