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ログアウト不能は死んで………………………ない!!

作者: 的菜何華

ログアウト不能――とくればデスゲームだ。

いや最近はデスゲームでないログアウト不能も多いがログアウト不能とくればデスゲーム、そういう風潮は今なお強い。


そういうわけで。

投入型電磁的遊具の利用者の自発的切断に関する法律――通称ログアウト不能解禁法はそのあたりに細心の注意が払われ、その結果として多くのことが禁止された。


まず、エリアの大きさは10m×10m×10mに限定された。

ちなみにこれは業界団体の強い後押しによって拡大されたのであって最初は1m×1m×1mであったという。

もはや立つことすらままならない物置スペースで何をやれというのか。

議員連中の考えることは時に常識を超越する。


そして、ログアウト不能可能時間は一日一時間に限定された。

ゲームは一日一時間。

…………オカンか!!

もう一度言おう。オカンか!!

ちなみにこれは業界団体の強い後押しによって拡大されたのであって最初は一日十分だったという。

チュートリアルすらできない短時間で何をやれというのか。

議員連中の考えることは(略


さらに戦闘行為は全面的に禁止された。

ついでにありとあらゆる武器が禁止された。

加えてHPという概念自体禁止された。

というか戦士職は全般的に禁止された。

おまけに薬物(ポーション含む)と攻撃型トラップが全面的に禁止された。

……何が何でも死ぬんじゃない殺すんじゃないという執念を感じる。


これだけでもかなりヤバいが……モンスターの出現禁止がここについてくるのだ。

そして登場NPC数は一名のみ。

ちなみにこれは業界団体の強い後押しによって拡大されたのであって最初はNPCも登場不可だったという。

議員連中の考えることはさておき業界団体実に無力である。


そこの生産行為の全面禁止と育成行為の全面禁止がこれにとどめをさす。


――ゲーマー達は思った。

ログアウト不能、死んだな。


無論落ちものパズルとかならやれなくもないが……それをVRでやって、ましてやログアウト不能でやってなにが楽しいのか?


なにせ一日一時間縛りである。

もはや打つ手はないだろう。


名実ともに――ログアウト不能は死んだのだ。












けれど。

けれどけれど。

その男は哄笑する。


ようやく。

ようやく――俺の時代がやってきた。


ずっとこの時を待っていた。

本当に面白いゲームには――戦闘も育成も生産もいらないのだと証明するこの時を。


さあ、反撃の時は来た。

見せてやろう。ログアウト不能の可能性を。

見せてやろう。一日一時間の可能性を。

見せてやろう。10m×10m×10mの可能性を。

何よりも――ゲームの可能性を。


その日、一つのゲームが産声を上げる。

戦闘もなく。

生産もなく。

育成もなく。

それでいてVRでやることに――ログアウト不能でやることに意味のあるゲーム。

一日一時間で――10m×10m×10mでやることに意味のあるゲーム。


そのゲームの名は「勇者と魔王~勇者パーティなんだけど勇者とはぐれた上レベルが1に戻ったので魔王城から脱出します~」。


ジャンル名――VR脱出ゲーム。

極小にして最短の勇者物語の反撃が――今始まる!!

まあ、結局のところログアウト不能ものってすっごい複雑な脱出ゲームの話だよねって話でした。


VR脱出ゲームはVR+脱出ゲームではなくVR+リアル脱出ゲームです。

VR技術あればリアル脱出ゲームのまとまったスペースを交通の便のいいところに確保しなくてはならないという弱点が消えるんでありなんじゃね?と思った次第。


連載化しても……と思ったけどその前にリアル脱出ゲームもうちょっと体験してからだよなあという感じ。

一回やったけどうちのチームだけ脱出の遥か手前で足止めを食らい脱出できなかった……。

他のチームはみんな脱出できてたのに……(´;ω;`)



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