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黒の聖職者  作者: 秋 望
プロローグ 虚構
1/5

1話「見えない糸」

完全なる素人の作品(作品と呼べるかどうかも怪しい)ですので生温かい眼で見ていただけると嬉しいです。

あらすじとか書くの苦手だなぁ、やっぱり。いや、文章も苦手だししょうがないか等、何故投稿したんだこいつはと思われても仕方ないことばっか言ってる人間ですがどうぞよろしくお願いします。


少女の身体が震える。

なぜこんなことになってしまったのだろう。

今日はいつも通りに家をでて、高校に行き、

放課後に友人と遊ぶ約束をした。いつも通りの日常。

しかしーー



帰宅してすぐに準備をし、足早に待ち合わせ場所の公園に向かう。

いつも通りに自分よりも先に待ってくれている友人と合流しようと、見慣れた公園の敷地内に足を踏み入れる。

しかし、友人の姿は見当たらない。

何かあったのかな?、めずらしい出来事に心配になる。

そして、それは現れた。いや、正確には、元々その場に居たのだ。

友人を心配する少女の背後に潜むそれは、

深い闇を思わせる黒い身体をしている。

そして、その形は人のような姿を保っていた。身長は、少女と同じくらいだろうか。

いつも通りに先に来て友人を待っていた、少女と同じくらいの身長だ。

「・・・・・・っ!」

不意に感じるおぞましい感覚に、背後を振り返る。

「遅かったね・・・・・・真由美。これから・・・・・・どうする・・・・・・?」

そこには、友人の声で語りかけてくる、黒い何かがいた。

スライムのような身体を人型に形成している化け物は、親しい友人に話しかけるように、

まるで、自分を知っているかのように言葉を放つ。

「いや・・・・・・、こないで。近寄らないでっ!!」

悲痛な叫びが、夕日が照らす静かな公園に響く。

拒絶された黒い化け物は、両腕を真上に振り上げる。目の前にいる少女を、脆弱な、人間という生物を殺す一撃を放つために。

「・・・・・・っ!」

恐怖に目をかたく閉じる。

(どうしてこんなことに・・・・・・!?)

振り上げた両手を真下に、渾身の力を込めて振り下ろす。

ドゴォンっ、土埃ととともにえぐられた地面が宙を舞う。

そしてそこには、死体と化した少女の姿がーーない。

「あっぶねえ~。危機一髪だったな」

聞き覚えのない人物の声が響く。

「な・・・・・・に・・・・・・っ!?」

化け物の前方およそ三メートル辺りに、少女を抱えながら佇む一人の少年がいた。

その少年は、少女を地面に降ろすと、化け物を見据える。

「おいあんた、名前は?」

「真由美・・・・・・坂下真由美です」

「じゃあ、あいつの名前は?」

えっ?と、思わず聞き返す真由美。

「何を言ってるんですか?・・・・・・。あんな化け物の名前なんて、知るわけないじゃないですか」

少年は、真由美に視線を向け、言った。

「あんた、うすうす気がついてるんじゃねーのか。あいつの正体に」

そんなわけない、という言葉を飲み込む。

そうだ。私は、わかっている。

今までの出来事の中で、あれが誰なのか、気がついてしまっている。

「あれは、魂を穢されて発症する病だ。あそこまで異形化しちまうと、多少の後遺症は残っちまうかもしれねーが、まだ助かる」

問いかける。

「あんたは、自分の友達を助けたいか?」

少年の言葉に、頷く。

「咲を・・・・・・咲を助けて・・・・・・っ!!」

少年はふっ、と軽く微笑むと、

「じゃあ、取引き成立だ。もちろん、報酬はもらうぜ」

少年は右手を前に突き出す。

そして、真由美の視界に、不思議な光景が跳び込んでくる。

光だった。少年の身体を包み込み、辺りの影をよりいっそう濃く浮かび上がらせるほどの眩い光。

まるで、全ての悪を浄化するような、眩し過ぎる白。

「少しばっかり苦しいかもしんねえが、我慢してくれ。そのかわり、必ず助けてやるからよ」

「がああああアアアアアア――!!」

光を浴びて苦しんでいる咲は、もはや人の形すら保てていない。

ぐにゃぐにゃとスライムのように身体が波打っている。

「咲・・・・・・」

心配そうに友人を見つめる真由美を尻目に、少年は大地を蹴る。

撃ちだされた弾丸のような速度で走る少年は、咲の懐に入り、スライム状の身体に光る右手を捻りこむ。

苦しみの雄叫びをより強くしながら悶える咲は、同時に腕を後方へ引き力を込めて、前方にいる少年に向かって突き出す。

とっさに腕を引き抜き、後ろへ跳躍。すんでのところで攻撃をかわす。

「頃合いだな」

意味深につぶやくと、少年の右手の光が、その輝きを増す。

瞬間、少年の姿が掻き消えた。

「!」

姿を消した影を探すように、首らしき部位をしきりにに動かす。

が、見つけることは叶わず、かわりに声が聞こえた。

「今、楽にしてやる」

その言葉が聞こえるのと同時に、目の前に見失った少年の姿が現れた。

「おらっ――!」

気迫のこもった声とともに、再度腕を身体に突っ込む。

その瞬間、黒いスライム状のものが弾け飛び、一人の少女が地面に倒れた。

「咲!!」

友人の姿をみて、そばにかけよる。

セーラー服姿の咲は、意識はないものの、呼吸はしている。目立った外傷もない。

安堵した真由美は、少年にお礼を言おうと向き直る。

「後遺症はなさそうだな。息もしてるし顔色も悪くない。まあ、とりあえずは大丈夫みたいだ」

いつの間にか近くまで来ていた少年に驚きつつ、謝辞を述べる真由美。

「あ・・・・・・ありがとうございます」

「気にすんな。仕事だからな」

「仕事?」

「そうだ。俺は聖浄者、あま・・・」ごほん、と咳払いし言い直す。「・・・孤島残黒。魂の穢れを浄化し祓う者・・・・・・あー、まあ、聖職者の戦闘バージョンみたいなもんだ」

よくわからない説明に目を白黒させていると、残黒と名乗った少年のポケットから電子音が鳴り響いた。

めんどくせえなあ、と後ろ頭をかきながら、真由美に背を向ける。

「なんだよ姫愛・・・・・・なに? 黒光りする生物兵器が台所に出たって・・・・・・お前それ、ゴキブリだろ・・・・・・」

小型情報端末を耳にあてながら辟易する残黒。

たった今、二人の少女の命を救った者とは思えないくらい、その後姿がやけにやつれているように見えた真由美だった。




「ただいま――って、うおっ!」

先ほどのヘルプコールを受けた残黒は、足早に自宅への道を急いで走り、玄関のドアを開けたところで一人の少女に飛びつかれた。

見た目十五・六歳ほどの少女は、両目に涙を浮かべ、腰ほどまである黒い髪を揺らしながら残黒の腰にまとわりついていた。

「残黒っ!! 助けてくださいっっ!!」

「お、お前。いきなりどうした。ていうか、なんでお前は――」

視界に入る肌色に驚愕しながら、

「なにも着てないんだっ!?」

「そこは問題じゃないんですっ! ゴキブリが・・・・・・黒い悪魔がでたんですー!」

「世間一般では大問題だ! 早く何か着ろ!」

ぎゃあぎゃあ喚く姫愛をたしなめつつ、居間になぜか脱ぎ捨ててあった服を着せていく。

もうなんか色々なところが見えてしまっている姫愛への目のやり場に困る残黒。

数分後、なんとか服を着せ、ソファーに座らせ事情を聞く。(黒い悪魔は処理した)

「で、お前はどんな理由があって全裸になってたんだ?」

夕暮れ時の空からくる黄金色の光が部屋を照らす。

残黒は、連戦続き|(姫愛含め)で疲れている身体に鞭をうち、最大の疑問を口にした。

「なんとなく・・・・・・です」

「なるほど。変態じゃねえか」

「そうかもしれないです」

「頼むから否定してくれ・・・・・・」

一気に脱力する残黒。

もう全部投げだして眠りたい、目頭を押さえながら嘆息する。

そんな残黒の様子をみて、姫愛が悪戯っぽく笑う。

「嘘ですよ残君。私はただ、疲れた残君を癒そうとしただけで」

なぜ全裸待機が癒しになると思うのか、姫愛の思考回路が本気で心配になる。

「ん?」

不意に、残黒の情報端末が音を撒き散らした。

画面を見ると、メール受信中の文字が映し出されており、内容を確認すると、政府からの浄化依頼の緊急通知だった。

「場所は・・・・・・、ここの近くか」

聖浄者達は、国、もしくは民間からの依頼という形で仕事を得る。したがって、時間問わずメールという形で聖浄者達はその情報を得るのだ。

人物指定の依頼は希で、主に、ランクで指定されることになる。

「推定適任ランクAか。かなりの大物だな・・・・・・珍しい」

「残君のランクってAですよね? でも、A以外のランクってなにがあるんでしたっけ?」

「ランクは下から、C・B・A・S。まあ、Sランクなんてなかなかお目にかかれないけどな。聖浄者の中の一割にも満たないくらいしかSランクはいないって話しだ」

ランクごとにできることは決まっており、その違いはかなり大きい。

例えば、浄化。これは、魂の根本的な穢れを消滅させるということなのだが、これをできるのはSとAランク。

そして、浄化ではなく、穢れの侵食を止められるのがB。

最後に、穢れの侵食を抑えられるのがC、といことになる。

戦闘の面でも、その力の差は顕著に現れる。

SとAの違いは、祓うさいに要する時間、そして、純粋な力としての差ということになる。

「目撃情報通りならここから近いし、行ってくる」

「いってらっしゃい。気を付けてくださいね」 おう、と玄関に向かおうとしたその時、

「・・・・・・」

「どうしました?」

「いや、なんでもない」

(窓の方向から視線を感じたような ・・・・・・?)

言いしれない不安を抱きながら、自宅を後にする残黒。

気のせいだ、と自分に言い聞かせながら、ターゲットの情報を整理し始める。余計な考え事をしながら戦える相手ではない、Aランクという大物だ。

今は目先のことだけを考えろ、次の交差点を曲がれば、目撃情報のあった場所までもうすぐだ。

余計な思考を頭から消し、進む。

そして、この不安が現実のものとなることに、残黒はまだ気付かない。

夕日に照らし出された世界は不気味な静けさに包まれていた。



「さてと、残君の為に夜ご飯の支度でもはじめましょうか」

感染者の目撃情報は割と多い。一日に数十件は依頼通知がくる程だ。

当然、聖浄者達は対応に追われることになる。

しかし、名指しでの依頼ではないため、全員が動くわけではない。

場所や状況。そして、リターンの大きさなど、動かない理由になるものが多いのも現実。

そういった状況にあるため、誰かに先を越されるという事態が少ない。

残黒のような、稼ぎたい派の人間からしてみれば良い環境なわけだが。

一日に何度も戦闘を繰り返している残黒にとってみれば、家で温かいご飯が出来ているのは非常に有り難い。姫愛と暮らすことになるまでの晩ご飯はコンビ二弁当の出番が多かったのだ。

「今日は親子丼でもつくりましょうか。残君、喜んでくれるといいなあ」

想い人の顔を頭に浮かべながら、幸せそうに台所に向かう。

「いいや、あいつは多分、この状況を知ったら絶望に顔を歪ませるだろうねえ」

背後からの突然の声。

「えっ?」

振り向いた先には形を成していない異形の黒い化け物が佇んでいた。

ひひっ、女性の笑い声が聞こえるのと同時に、姫愛の意識は闇に沈んでいった。

読んで頂きまして本当に本当に感謝いたします。ありがとうございます。

指摘したい部分が多くあったと思います。是非それは今後の私の成長の為に胸にしまい込んで絶対に出さないで下さい。鍵とかかけてもらえると有り難いです。(打たれ弱いんですよ)

とか言ってますが、感想いただけると嬉しいです。くれぐれもお手柔らかに、牛乳に浸し過ぎた食パンくらい柔らかいと有り難いです。

ではこのへんで終わりにしたいと思います。

ありがとうございました。

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