第5.5話パート2:中島和也〜3〜
奏は涙を拭きながら廊下を走っていた。すると後ろから奏を呼ぶ声が聞こえ、振り向くと将吾と浩貴がいた。
『どうしたんだ!?何かされたのか!?』
将吾が心配そうに聞いた。
『うぅん。それより何でここに?』
『今から音楽室に行こうと思ってさぁ……中島の事で……』
『えっ……』
『奏がここまで必死になるって事はホントに凄いんだろ?だから1度聞いてみて、仲間に入れるかを考えたくてさ♪♪』
『……もぅ無理だょ……』
『どうゆう事だ?』
『仲間にならないって。私は最初から和也の邪魔してたみたい………』
奏はボロボロと涙を流しながら言った。将吾は奏を抱き締めたかったが、そんな勇気はなく、ただ奏を見ているしか出来なかった。
『ゴメン……俺、ウソついてた。』
突然、浩貴が言った。奏と将吾は意味が分からなかった。
『名前しか知らないって言ったのはウソだったんだ。実は和也とは中学が一緒なんだ。んで何でウソをついたかと言うとアイツは昔からイジメられてて、それに関わりたくなくて、あんなウソついて逃げようとした。でもそれは最低だって気付いたんだ。だから、ちゃんと和也の実力で決めたくて、こうして来たワケ。』
『………でも、もぅ遅いょ……』
『アイツは、人にそんなヒドイ事を言わない。アイツは自分よりも他人の事第一に考えるヤツだ。多分、奏にそんな事を言ったのは、奏の事か何かでイジメられてるヤツに脅されて、奏を助けるためにした事なんだと思う。』
『……私のため??』
『和也はきっと奏を守りたかったんだょ。奏は和也を孤独の闇から救いだした人だからな。』
奏は音楽室へと走りだしていた。言わなきゃ……和也に『もぅ1人じゃないよ』って……
奏は音楽室のドアを勢いよく開けた。しかし、そこには和也はいなかった。奏は窓から、和也が昨日のヤツらに体育館へと連れていかれてるのを見た。
『んで、望月さんに俺達の事を紹介してくれたか?』
ボスらしき人が和也に言った。
『もぅ望月さんは僕の前には現れない。それにお前らなんかに望月さんを紹介なんてしない!!』
『それが答えか…じゃぁ、死ねや。』
『待って!!』
和也が殴られそうになった時に、奏が叫んだ。
『望月さん!?何でここに!?』
『和也をイジメてるらしいね。』
『……あ〜ぁ、バレちゃった。まぁいぃゃ。望月さんに近付く手間が省けたし♪♪』
奏にジリジリと近付いて、もぅ少しで触れようとした時、
『俺達の奏に触るんじゃねぇょ!!』
っと声がした。そこには将吾、浩貴、勇日、蜜柑がいた。
『奏ぇ〜先に行くなよ。心配してたんだぞ』
将吾が不満気な声をだした。
『ぉぃ、逃げた方がよくないか?』
1人の男子が言った。
『何でだょ。』
ボスらしき人が睨みながら言った。『あそこにいるの、向井勇日だ。』
『向井勇日?』
『前に、最強最悪と言われた男だ!!覚えてないのか???』
それを聞くと和也をイジメてたヤツらの顔は青くなった。そして逃げ出した。
『和也!!大丈夫??』
奏はすぐに和也のもとへと行った。(それを見て悲しむヤツ1人)
『何で??僕は望月さんを傷つけたのに………』
『和也が私をかばうためについたウソって分かったからいぃの☆☆それに、私達は仲間でしょ??』
『えっ……でもあれは断ったハズ……』
『ホントは入りたいんでしょ?』
『………ぅん……でも、僕にはそんな資格ないょ……』
『なぁに言ってんだ。』
将吾が言った。
『資格は俺達が決めるんだ。今までは奏が1人で入れたいって言って暴走してたヤツであって、俺達はまだ、何も『入ってくれ』なんて言ってないハズだ。だから、今までのは無し!!和也がホントに入りたかったら、俺達に実力を見せろよ。』
っと言い将吾は意味ありげに笑った。
『音楽室に行こうか☆☆☆』
奏が明るく言った。皆は音楽室へと歩きだした。
『望月さん!!』
和也は奏を呼び止めた。
『あの、あり……』
和也がお礼を言おうとした時、奏の指が和也の唇を押さえた。
『そんな言葉はいらないから、そのかわりに、私の事を奏って呼んで♪♪』
そぅゆうと和也の唇から指を放した。和也は笑顔で頷いた。
『分かった……奏!!』
和也は、奏と並んで歩きだした。和也の顔には寂しいという表情はなかった☆☆………
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