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プロローグ 歪みの始まり

夜に入る直前の、静かな青黒い空。

眼を覚ましたかのように、ぽつぽつと星たちも姿を見せ始めていた。


時は秋の終わり。

少々肌寒くなってくる頃だ。


渡り鳥の群れが翼を連ねて、いつもの年のように、南へとわたっていく。


それをのんびりと眺めながら、ささやかな平和をじっくりと味わうように、魔法使いは暖かいココアをゆっくりと口に含む。


「いやぁ、平和だねぇ」


その平穏を打ち破るように。

突如、地上から赤い光の柱が勢いよく吹き上がった。


「おぅっふ!?」


ビビった魔法使いは思わずココアを噴出した。

同時に、マグカップも取り落とした。


が、彼は全くそれに気づいた様子は泣く。


「ちょ、何アレ!」


そんなことを気にしている場合ではないと言わんばかりに、魔法使いは手すりに腹を乗せて身を乗り出した。


不吉を予兆するような、禍々しい赤い光の柱。


それを一通り凝視した後、その根元へと視線をおろす。

―光の柱、禁域に刻まれた魔法陣の頂点の一つから、噴出していた。


「禁域が、揺らいでる…」


いつもな夜の闇のしたでも弱弱しい光しか発しない筈の禁域の魔法陣もまた、同調するように、強く発光していた。


ひとしきり睨んだ後、魔法使いは険しい表情できびすを返す。

と、床にこぼれ落ちたと、割れたマグカップを見て、顔色をさぁっと青ざめさせた。


「…どうしよう。ヤツキに怒られる」

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