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記録8 社内講習

挿絵(By みてみん)


この頃各企業がAEDを巡る男女の不仲を

解決しようと対策を講じ始めたらしい。

私の知人がそれに参加していたようなので

彼への取材から当時の状況を

文面にて再現


男性社員が会議室に集められる。

ポロシャツの短髪の男が入って来た。


ポロシャツの男

「皆さんこんにちわ!私は、

特定非営利活動法人

AED〇〇協会所属、

AED普及インストラクターのXXと言います。

今日は男性社員の皆さんに

正しいAEDの使い方を知ってもらおうと思い

やって来ました!是非正しいAEDの使い方と

そして正しい知識を覚えて帰って下さい!」


その後AEDの講習が始まった。

講習の終わり頃、


ポロシャツの男

「このように、女性の下着を外さなくても

AEDを使う事は出来ます。

女性のプライバシーを守れば女性が傷つく事は

ありません。それと、これまで

女性がAEDを使った男性を訴えたという事例は

一件もありません。これからは正しい知識で

倒れた女性にもためらわずに

AEDを使いましょう!皆さん、いいですか?」


男性社員一同

「・・・・・・・」

沈黙が場を包んだらしい。


一人の男性社員がポロシャツの男に質問した。


男性社員

「女にAED使ったらセクハラで訴えられるかも

知れないんで使わなくてもいいですよね?」

ポロシャツの男

「ですから、今までAEDを使われた女性が

男性を訴えた事は一度も無いので

安心して下さい」

男性社員

「これから起きるかも知れないじゃないですか

何で安心できるんですか?」

ポロシャツの男

「大丈夫です。万が一訴えられても

救助の為必要な行為なら裁判所が棄却するので

安心して下さい」

男性社員

「だから女からセクハラで訴えられた時点で男は

社会的信用を失うんですよ。

そうなったら仕事も失うかも知れないし

転職も出来ないかも知れないんですよ。

何処が大丈夫なんですか?」

ポロシャツの男

「それは気にしすぎですって」

男性社員

「そう言うならもし僕が女性にAED使って

セクハラで訴えられて

社会的信用を失って無職になったら

どう責任取ってくれるんですか?」

ポロシャツの男

「落ち着いて下さい。なんで私が

責任取るなんて話になるんですか」

男性社員

「貴方が言ったんですよ気にしすぎって

責任取らないんなら気にしすぎの一言で

片づけるなんて無責任じゃないですか?」

ポロシャツの男

「・・・・・」

別の男性社員

「今世間で騒ぎになってるんだから貴方だって

知ってますよね?

男達は訴えられて負けるのが嫌なんじゃなくて

訴えられる事自体が嫌なんですよ!

貴方AEDなんとか協会の人なんですよね?

AEDに詳しい団体がなんで俺達の言ってる事に

向き合ってくれないんですか?

テレビも!新聞も!法律も!この国も!

何でだ?何で皆俺達の事無視するんだよ!」

ポロシャツの男

「……一番大切なのは人の命だと思います」

男性社員

「質問の答えになってないですよね?

僕達だって命を救いたいに決まってますよ。

でもその為に自分の人生を棒に振るリスクを

背負わされるのはおかしいと思います。

僕達男がAEDを使いづらい社会を

どうして変えようとしないんですか?」

ポロシャツの男

「えー、私は、インストラクターですので

法律とかの話は専門外ですので

そういった質問に答える義務は持ち合わせて

おりませんご理解ください」

更に別の男性社員

「それ以前に何で男ばかり集めてるんですか?

ためらわずに女性にAED使いましょうって

男に言うだけじゃなくて、

男にAED使われてもセクハラで訴えては

駄目ですよって女に言わなくていいんですか?」

ポロシャツの男

「……さあ!皆さん本日は以上となります!

皆さんお疲れ様でしたー!」


ポロシャツの男は小走りで帰って行ったらしい。


AEDの講習を行った所で

問題の根源が解決する筈も無く、

男女の仲は戻るどころか

逆に男性達の神経を逆なでする結果となった。


女性からセクハラで訴えられた時点で

男性の社会的名誉や信用は失われる。

重要なのは裁判に勝てるかではなく、

訴えられないかである。

男性達は訴えられる事を拒み、

セクハラ容疑者扱いされる事を拒んでいる。


これを証明する男性達のポストはSNS上に

大量に見つかる筈なのだが、

メディア、政府、社会、そして

AEDの普及を促進する団体でさえも

この事実からは目を逸らすのであった。


事態の収束が見えぬ日々が続く中、

突然信じがたいニュースがこの国を駆け巡った。


インフルエンサーのWさん(仮名)が

健康状態は問題なかったにも関わらず、

突然意識を失い倒れ、意識不明の重体。

そして最悪な事に、

AED拒否グッズを自ら販売してたWさんは、

ファッションアイテムとして

AED拒否グッズのキーホルダーを

イヤリング替わりに両耳につけていたのだった。


次項へつづく

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