第6話
「キャー、誰か助けてー!」
女性が道端で助けを呼んでいるー!
誰か駆けつけてくれー!
「もう一度助けを呼ぶトラ」
「はいはい……。誰か助けてー!」
………………………………誰も駆けつけないー!
「もっと大声で助けを呼ぶトラ」
「イヤよ。もう自分で呼んだら?」
「頼むトラ! 助けを呼んでくれトラ! 自分で呼んだら格好がつかないトラ!」
あーっと、何故か虎怪人が女性に対して助けを呼んでくれと頼み込んでいるー!
どういうことだー!
「このとおりだトラ!」
まさかの土下座だー!
虎怪人が女性に土下座しているー!
その行為も格好がついていないぞー!
「イヤったらイヤ!」
「……これでどうかお願いしますトラ」
あーっと、1万円渡してるー!
「少な!」
「……ならこれもトラ」
さらに2万追加だー!
「……ま、しょうがないわね。次が最後だからね」
「ああ、できるだけ大きな声で頼むトラ!」
「……キャーーー!!!誰か助けてーーー!!!」
大声で助けを呼ぶー!
今度はどうだー!
「そこまでよ!」
こ、この声は!
「私が相手になるわ!」
サクラちゃんが来たー!
「じゃ、私はここまでね」
「あ、ちょ……。……トラ!!」
女性が去っていくー!
そしてどうした虎怪人ー!
「……チェンジトラ」
「え?」
またチェンジ宣言だー!
組み合わせが噛み合わないー!
「お前じゃ相手にならないトラ。俺は以前デカトラマンと戦って引き分けたんだトラ。だからデカトラマンを呼べトラ」
デカトラマンと引き分けたということは相当強い怪人だー!
「私じゃ力不足だって言いたいの? 馬鹿にしないで! 私だって強いんだから!」
「そうじゃないトラ。俺自身がデカトラマンとどうしても再戦したいんだトラ。頼むトラ。デカトラマンを呼んでくれトラ」
一本筋の通った怪人だー!
「……わかったわ。今電話をかけてみるから少し待ってて」
サクラちゃんがデカトラマンに電話をかけたー!
「もしもし、デカトラマンさんですか?」
「なんだサクラか? 珍しいな、どうした?」
「今虎の怪人が目の前にいて、デカトラマンさんを呼べって言っているんですけど……」
「今パチンコやってるからそっちから来いって言っとけ。場所は3丁目のパチンコ屋だ。以上」
デカトラマンパチンコ中だったーー!!
「どうだトラ!?」
「3丁目のパチンコ屋にいるからそこに来いって……」
「よし、3丁目のパチンコ屋だなトラ。今日こそ決着をつけてやるトラ。あそこは昨日も大当たりして勝ったんだトラ。絶対今日も勝てるはずトラ」
「え?」
まさかのパチンコ対決だったーーー!!!
「よっしゃー、待ってろデカトラマントラー! ……あとお前その服装もう限界トラ。さっさと引退しろトラ。じゃあなトラ」
「……………………」
サクラちゃん、まさかの怪人から引退を勧められるー!
こうして今日は特に何も起こらなかった。
第6話完!




