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第13話 正悪町フードファイト

「えー、それではこれから第6回正悪町商店街フードファイトを始めたいと思いまーす」


 司会の男がマイクで話しているぞー!


「えー、先程飛び入りでバクレンジャーイエローの乾さんが参加することになりましたー。ありがとうございまーす」


 なんだってーー!!


「乾さん、何故飛び入りでご参加を?」

「友人に頼み込まれて参加することにしましたぁぁ」


 でもダイエット中だろー!


「最初は断ろう思っていたんですけどぉぉ、断ったところで明日からバクレンジャーイエローとしてぇぇ、怪人を倒せるわけではないのでぇぇ」


 確かにそれはそうだけどー!


「それに参加者が少なくて困っていると聞いてぇぇ。町民の困り事を解決するのも自分達の役目ですからぁぁ。ここで断る方がヒーローとして本末転倒なんじゃないかとぉぉ」


 参加する方が本末転倒になってないかー!


「それでは参加者を紹介します。参加者は右から若山さん、畑中さん、荒川さん、乾さんの4名です。次々出される8品を最初に食べ終わった方が優勝です。優勝者には5万円分の商品券が贈呈されまーす。参加者のそれぞれの目の前に1品目が用意されましたね。……それではよーいスタート!」


 フードファイトが始まったー!

 1品目は何だー!


「さあ、皆さん1品目のお団子を食べ始めましたー。みたらし、あんこ、ごま、ずんだ、いろいろあります」


 いきなり甘いものからスタートだー!


「ちなみに4人が食べているお団子は商店街にある和菓子屋の棚浜屋さんのお団子になっております。気になる方は是非棚浜屋さんでご購入してくださいねー」


 棚浜屋って前にも聞いたことあるー!


「さぁ、若山さんがお団子を平らげ2品目のレモンかき氷を食べ始めましたー」

「ぶふぉっ、おほっ、おほっ!」

「あーっと、若山さん、むせてます。それもそのはず、かき氷にかかっているのはレモンシロップではなく、本物のレモンを搾ったレモン100%果汁だからです」


 そりゃむせて当然だー。


「しかもこのレモン、農家の奈良坂さんが趣味でとにかく酸っぱさだけにこだわり、品種改良に品種改良を重ねて育てた超激酸っぱレモンとなっております」


 そんな品種改良するなーー!!

 そんなの誰が食うんだーー!!


「ちなみにこのレモン、商店街にある八百屋の笠原屋さんで購入できます。興味のある方は是非ご購入くださいね」


 笠原屋も前に聞いたことあるぞー!


「さあ、畑中さんが酸っぱさをものともせずかき氷を完食し、3品目の激辛ラーメンに挑んでおります。ちなみにこの激辛ラーメンは商店街にあるラーメン屋の早高屋さんで実際に食べることができますので、興味のある方は是非早高屋さんで食べてくださいね」


 正悪町商店街関連の食べ物ばっかりだー!


「畑中さんが激辛ラーメンに苦戦していると思っていたら、荒川さんが激辛ラーメンを食べ終え、4品目のおはぎに突入しました。もちろんこのおはぎも棚浜屋で購入することができます。そしてこのおはぎの原材料は農家の奈良坂さんが育てたもち米などで作られております」


 今度はダブルだー!

 多分お団子も奈良坂さんだろー!


「4人共ペースが落ちません。そして荒川さんが瞬く間におはぎを完食し、5品目のセンブリ茶ひつまぶしと戦っております」 


 センブリ茶ひつまぶしって何だーー!!

 聞いたことないぞーー!!


「もちろんセンブリ茶ひつまぶしはどこのお店でも提供はしておりません。実際に食べたい方は自分でなんとかしてくださいねー」 


 そんな奴いるわけないだろー!


「ここで乾さんセンブリ茶ひつまぶしをかきこみトップに躍り出ました。6品目の蜂蜜ソフトクリームに挑んでおります。このソフトクリームも当然商店街のカフェ甘花屋さんで頂くことができます」


 だろうねー!


「さぁ、乾さんがトップのまま7品目に突入しそうです。しかし、この7品目がこの大会の厳しいところ! 毎回恒例悪魔の7品目、味付け無しのご飯、うどん、パンだー!」


 なんでそんなものをこのタイミングで出すんだー!

 それにさっきから順番に悪意を感じるぞー!

 甘→激酸→激辛→甘→苦→甘→無って酷いだろー!


「全員止まったー! やはりここにきての味無しは厳しいのかー! やはり参加者が増えないのはこれのせいなのかー!」


 わかってるんだったらやめとけーー!!


「これさえ食べ終われば最後の8品目のカレーが待っております」


 7品目と一緒に出してやれーー!!

 食の拷問かーー!!


「おーっと、乾さんのペースが落ちている間に若山さん、畑中さん、荒川さんがほぼ同じタイミングで食べ終えそうだー! そして最後のカレーだー!」

「うっ!」

「なんだこれ!」

「まずっ!」


 どうしたんだー!


「最後の砦、激マズカレーです! 商店街にあるカレー屋、鎌沢屋さんの娘さんの手作りなのですが、鎌沢屋さんのご主人曰く、娘のカレーは食えたもんじゃない、だそうです」


 そんなもの出すなー!

 そして一体何が入ったカレーなんだー!


「ここで遅れてイエロー……じゃなかった、乾さんがようやくカレーを食べ始めました」


 もう身バレしてるからイエローでもいいんじゃないかなー!


「あーっと、乾さん、激マズカレーをゴクゴク飲み込んでいくー! 平気なのかー! マズくないのかー!」


 そうだったー!

 イエローは肥満光線のせいでカレーが食べたくなっていたんだったー!

 多分味は関係ないのだー!


「乾さんが全て食べ終え優勝だー!」

「おー!」

「流石バクレンジャーイエローだ!」

「いい食いっぷりだったぞー!」


 観客から歓声が上がっているー!


「優勝者の乾さんにインタビューです。乾さん、どれが苦戦しましたか?」

「やっぱり7品目のご飯、うどん、パンかなぁぁ」


 でしょうねー!


「そうでしたかー。最後のカレーはどうでしたか?」

「不味くてもカレーはカレーなんで大丈夫でしたあぁ」

「成程、ありがとうございましたー。乾さんには優勝賞品の5万円の商品券が贈呈されまーす。それでは皆様、これにて第6回正悪町商店街フードファイトを閉幕とさせていただきます。ありがとうございましたー」


『パチパチパチパチ』


 最後は拍手で終了だー!


「乾、参加してくれてありがとな。優勝おめでとう」

「浅田ぁ、俺食い足りないから優勝賞品でカレー食べに行くけどお前も来るかぁぁ?」


 なんだってー!


「俺はいいけどダイエットはいいのかよ?」

「今日はチートデイってことにするわぁぁ」


 するなーー!!

 カレーが食いたいだけだろー!


「よし、なら行こうぜ。鎌沢屋のメニューに大盛りカレーがあるんだ。そこ行こう」

「おぉー!」


 駄目だー!

 イエローが復帰する日はまだまだ遠そうだー!



 こうして今日もイエローはカレーを食べるのであった。

 第13話完!

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