第9話
「さてと、そろそろ俺の活動時間だな。行くか!」
夜勤担当のバクレンジャーブラックが町の見回りに行くようだー!
※ここで皆様にお知らせです。怪人協会の活動時間は午前9時から午後6時までと以前お知らせしましたが、それを正義協会側は知りません。なのでバクレンジャーブラックが夜勤担当として町内を見回りしています。以上お知らせでした。
「今日こそ俺の初戦闘かな? そろそろ俺も戦いたいな……」
残念ながらその可能性は0だー!
「いや、俺が戦うということは町民が怪人に襲われているということだ。戦いたいと思うのは不謹慎か……」
そんなこと心配しなくても大丈夫だー!
「ん? なんだあいつら?」
おーっと、どうやらコンビニの前に3人の若者がいるようだー!
怪人を倒すだけがヒーローの役割ではないのだー!
「おい君達、今何時だと思っているんだ」
「わ、バクレンジャーブラックじゃん!」
「本物初めて見た!」
「おいマジか! スマホで撮っていいすか!?」
「それは別に構わないよ」
まんざらでもないようだー!
「私握手もしたいんですけどいいですか?」
「ああ、もちろんだ! なんならサインも書こうか?」
「やった〜! じゃあこのノートにお願いします」
自分からサイン書いてるー!
完全にノリノリだー!
「それはそうと君達、もう夜遅いんだから家に帰りなさい」
「まだ9時っすよ?」
そこまでの時間じゃなかったー!
「私ら塾の帰りなんですよ〜」
「何! それは立派だな!」
「ブラックさん、僕悩みあるんですけど少し聞いてもらってもいいですか?」
「もちろんいいとも。人助けもヒーロー活動の1つだからな!」
完全に若者ペースで会話が進むー!
「僕好きな女子とクラスが同じになったんですよ。でもまだ1回も喋ったことないんですよね。もっとその子と仲良くなりたいんですけど、どうすればいいですかね?」
ザ·思春期の悩みー!
「うーん、軽く挨拶から入るとか?」
「急に挨拶とかされたら引かれないですかね……」
「流石に挨拶だけでは引かれないとは思うが。何か困っているときに話しかけてみるとかでもいいんじゃないか?」
「うーん……」
「とにかく勇気を持つことだ! 話しかけることすらできずに接点が何もないまま学生生活が終わってしまったら、絶対後悔するだろうからな!」
「……そうですよね。頑張ってみます!」
「ああ頑張れ!」
解決したー!
「ブラックは何も悩みとかないん?」
「いや、俺にも悩んでいることがあってな……」
「俺達がブラックの悩み聞いてやるよ」
「何! 本当か! 聞いてくれるか!」
「もちろんです!」
あー!
まさかのブラックがお悩み相談をする側にー!
「実は俺1回も怪人を倒したことがなくてな。それどころか1回も戦ったことすらないんだ……。戦うのが怖いとかではないんだが、ヒーローとしてこのままで大丈夫なのかと……」
けっこう不安だったっぽいー!
「何言ってるんすか! ブラックだって町の見回りとか相談乗ってくれたりとかしてるじゃないすか! 俺の兄貴もブラックに相談してもらって助かったって言ってましたよ!」
「そうですよ! 今だって僕の相談乗ってくれましたし!」
「それに痴漢を捕まえたって話も聞いたことあるよ! 十分みんなの役に立ってるってば!」
「そ、そうか、ありがとう……」
逆にヒーローが励まされてるー!
「そうだよな、イエローやグリーンなんかは活動すらしてないんだから俺の方が立派だよな……」
「え、なんでイエローもグリーンも活動してないの?」
「敵の攻撃のせいでな、イエローはメチャクチャ太ったから今ダイエット中で、グリーンは鬱になったらしい」
「えー、初耳!!」
「マジか!!」
「そうなんですか!!」
あーっ、そんなこと民間人に話していいのかー!
「おまけにブルーは水虫だし、ピンクはヒーロー活動より彼氏とのデートを優先しているようだ」
駄目だーー!!
ブラックの口が軽いーー!!
「え、ブルー水虫なのかよ! なんか幻滅だわ!」
「ピンク最低ー!」
「……そういえばデカトラマンが警察と一緒に警察署入っていくの見たって僕の母さんが言ってた」
「うわ、マジかよ! ついに何かやらかしたんじゃね!? それに黒バイ仮面はこの前事故ってたよな!」
「あとダリアちゃんが河原メチャクチャにしたの私の友達が見たって!」
悪評だらけだーー!!
次々出てくるーー!!
「でもブラックの悪い噂って一切聞かないよな?」
「そうそう」
「そ、そうか?」
「そうですよ! ブラックさんは立派なヒーローなんですからこれからも頑張ってください!」
「ありがとう、君達に元気をもらったよ! そろそろ見回りに戻る。君達も遅くなる前に家に帰るんだぞ。じゃあな」
「バイバ〜イ」
「ありがとうございましたー」
「またなー」
ブラックが自信を取り戻し町の見回りに戻っていくー!
しかし他のヒーロー達は大丈夫なのかー!
多分あっという間に町中に噂が広がるぞー!
「ねぇ、2人から見てサクラちゃんってあり?」
「ないな」
「同級生であの格好は流石に無理」
「だよね〜」
最後にサクラちゃんがディスられたーーー!!!
こうして今日もブラックは若者からの好感度がアップするのだった。
第9話完!




