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一ヶ月分の宿代を先払いして部屋を取った。
いつもより広い部屋だ。一階だから移動も楽だった。
その分値段は高いけど、今の俺には金があった。
「本当に大丈夫ですから。こんな部屋もったいないですよ」
リズはずっと不満そうだったけど、半ば無理矢理連れてきた。
「気にしないでいいよ。今はお金があるし、まずは治すのが先だ。ヒーラーも呼んでおいた。これから毎日通ってもらうから」
「それってすごくお金がかかるんじゃ……」
「そうだけど、でもそれくらいの働きをリズはしてくれた。大丈夫。使わない分は稼ぐから」
「稼ぐって、どうやってですか?」
「それはまあ、考え中だけど」
リズのことで頭がいっぱいだったからアイデアなんてなにもない。
リズはムッとし、そしてしゅんとした。
「……すいません。わたしが足を引っ張ってしまって……」
「いやだからリズがいなかったらここまで来られなかったんだって。一千五百万だよ? そんな大金を一ヶ月ちょっとで稼げたんだ。ほぼ奇跡だよ。だからそんな風に思わないでゆっくりしてていい。お金のことは俺がなんとかするからさ」
「……すいません」
俺に説得力がないのかリズは更に落ち込んでしまった。
ダメだ。なにを言ってもリズは自分を責め続ける。これを止めるにはお金を稼いでアメリアを助け出すしかない。
するとホテルのドアがノックされ、声が聞こえた。
「ソーコさんの部屋で合ってますか? ルルです」
「あ。どうぞ入って」
ドアが開くとルルが入ってきた。
マスクをしてるから顔は全部分からないけど、目元は美人だ。なにより胸が大きい。リズも大きい方だけど二回りはサイズが違った。
思わず目線が行ってしまう。すると後ろからリズが俺を睨んでいたのに気付いてハッとする。
ルルは不思議そうに部屋の奥へと入ってきた。
「どうかしましたか?」
「え? いや……」
ルルが小首を傾げると大きすぎる胸がたゆんと揺れる。
再び視線が持って行かれるとリズはむすっとした。
「男の人ってそうですよね」
「だ、だから違うって。と、とりあえずここはルルに任せるから。俺はちょっと市場に行って色々買って来るよ。じゃ。あとは任せた」
俺は半ば逃げるように部屋から出た。
後ろではルルが「任せられました」と言っていた。




