表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/44

42

 俺達は穀物庫へと急いだ。

 するとさっきまで閉まっていたはずの扉が開いている。

 近くには木製の閂が切り落とされていた。

 俺とリズが中に入ると先程戦っていたゴブリンよりも一回り大きい剣を持ったゴブリンがこちらを振り向いた。

 ゴブリンソルジャー。

 通常のゴブリンより強い上位種の一つだ。

「やっぱりあいつらは囮か」

 通りで逃げないわけだ。逃げたら殺されるなら戦うしかない。

 ゴブリンソルジャーは俺達を見て怒っていた。

『ギャゴオオウッ!』

 その迫力に押されながらも俺は笑った。

「はっ。なにもないってか?」

 そう。穀物庫の中身は空だった。

 中にある食糧は見張りの前に俺がスキルで収納したからだ。

 ゴブリン退治も大事だけど、一番大事なのは食糧を守ること。だから先に移しておいた。

 ざまあみろと言いたいところだけど、予想外に強い敵が出てきた。

 でもクエストを受けてたらこういうことはよくある。相手は自然だ。いつも狙った相手ばかりと戦えるわけじゃない。

 普通は予想外の強敵は追い払ったり、逃げたりする。

 だけど今の俺には好都合だった。

「あの剣とでかい体から取れるレアアイテムはカネになる。逃がさないぞ」

 なんて口では言ってみるけど、俺の手足は震えていた。

 それを見てゴブリンソルジャーが飛び掛かってくる。

『ギャゴッ!』

「ひいっ!」

 尻餅をついた俺の足下をゴブリンソルジャーの剣が切り裂く。

 当たっていたら死んでいた。

 そう思うと血の気が引いた。

 やばい。やっぱりここは逃げた方が――

 そう考えた時だった。

「はあっ!」

 リズの飛び蹴りがゴブリンソルジャーに放たれる。

『ギャッ!』

 ゴブリンソルジャーは後方に飛ばされた。

 着地するとリズは心配そうに振り返る。

「ソーコさん! 大丈夫ですか!?」

 リズの声を聞いて俺はようやく落ち着いた。

「あ、うん……」

 危なかった。ちょっとなにかあるとびびっちまう。

 そもそも俺のスキルは戦闘用じゃないから、咄嗟の時には無力だった。

 使えるとしたら相手の隙をついた時か、無力化した時だけ。

 今はリズに任せよう。

「あいつ強そうだけど、いける?」

「大丈夫です。ゴブリンならよく里から追い払ってましたから」

 マジ? ゴブリンってそんなネズミみたいな感覚なの?

「じゃ、じゃあ任せる。俺も隙が見えたら加勢するから」

「はい!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ