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ゴブリンは夜目が利く。
なので夜でも問題なく行動できる。
この点は俺には不利だけど、今日は月明かりが強くてその存在がはっきりと分かった。
五体のゴブリンが周囲を警戒しながら村の方に歩いていた。
「……穀物庫の方には行かないんだな」
聞いてた話と違う。
でも人間を襲うつもりならそっちの方が厄介だ。
予想通りゴブリン達は家の方に向かって行く。
中で村人が寝ているんだ。襲われたら被害が出る。そしたら報奨金が減らされるかもしれない。
俺とリズは急いで小屋から出た。
「まずは不意打ちで数を減らそう。言ってた通りに頼むよ」
「了解です」
リズは俺を抜いて先行した。
そしてゴブリンに追いつくと同時に跳び蹴りを喰らわせる。
「行かせませんッ!」
『ギャァッ!』
ゴブリンの内一体が蹴飛ばされて悲鳴を上げる。
奇襲に気づいたゴブリン達はすぐさまリズを取り囲んだ。
『ギャギャギャッ!』
叫び声を上げて威嚇するゴブリン達。
その視線は完全にリズへと注がれていた。
今なら俺でも近づける。
俺は全速力で走り、ゴブリンの内一体に接近し、右手を伸ばした。
同時にスキルを発動する。
「喰らえ!」
俺に気づいたゴブリンが振り返ると同時に、倉庫の中に吸い込まれていった。
「よし! いける!」
一匹はリズの蹴りで気絶している。あと三匹。
ゴブリン達の狙いが俺に変わった。
俺に向かって棍棒を振り上げる。
『ギャギャッ!』
「させません!」
今度はリズがゴブリンに攻撃を喰らわせた。
よろめくゴブリンに俺は右手を伸ばす。
「もう一匹!」
また一匹ゴブリンが俺の右手に吸い込まれていく。
これであと二匹。
だけどさすがに警戒したらしく、残りの二匹は俺達から距離を取った。
「くそ。逃げるか?」
俺の懸念はなぜか外れた。
ゴブリン達は少し離れはするものの逃げない。かと言って戦う意思もなさそうだった。
何というか困ってる感じだ。
なんでだ? ゴブリンは知能が高いから勝てないと分かった相手には逃げてくはずなのに。
まだ俺達を倒せると思ってるのか?
それとも――
ある可能性に気づき、俺はハッとした。
「まさか……」
俺はすぐさま伸びていたゴブリンに向かって走り、倉庫に入れた。
それと同時にリズへ叫ぶ。
「リズ! そいつらはもういい!」
「……え?」
リズはポカンとして首を傾げた。




