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「サーペント!」

 若い男の声が聞こえると同時に炎の蛇が飛んできて木の化け物とゴブリンを焼き払った。

「……へ? うわっ!」

 俺の身体を支えていた蔓は燃え尽き、地面が目の前に近づいてくる。

「げへっ! うっ。息ができねえ……」

 痛みに背中を押さえる俺を金髪の若い男が覗き込んだ。

「無事ですか?」

 青年の腰には剣が見えた。服装も中世ヨーロッパ風でマントも着けている。

 すごく顔が整ってるな。

 なんかRPGの主人公みたいな奴だ。

「……なんとか」

 青年はホッとしていた。

「よかった。すいません。俺達がゴブリンを取り逃がしたせいで」

「……あ。そうなんだ……」

 怒ってたのはそのせいか……。

「いてて……」

 背中を押さえながら立ち上がると気になったことを聞いてみた。

「変なことを聞くようだけど、今の炎ってもしかしてスキルとかいうやつ?」

「そうです。『フレイムマニュピレーター』って言って。炎を自由に操れるのが俺のスキルです」

 青年は炎を出すとそれをぐるりと回して消した。

「すごい……」

 いいなぁ。俺もそんなのが欲しかった。ハズレの倉庫じゃなくて。

 すると青年の後ろから二人の少女がやって来た。

 一人は髪が長く、スタイルの良いクールな感じの女の子だ。首元にファーを巻いていて背中には弓と矢を背負っていた。

 もう一人はツインテールの楽しげに笑っている幼さが残る子だった。ミニスカートを履いて腰のベルトには杖が差されている。

 二人共びっくりするくらいの美少女で、スタイルも抜群だった。

「どう? 倒せたの? フリード」

 髪の長い女の子に尋ねられ、フリードと呼ばれた青年は頷いた。

「うん。ゴブリンもトレントもこの人に夢中で格好の的だったからね。でもまた燃やしちゃった。生け捕りにできたらよかったんだけど、苦手なんだよね。ミレーナも大丈夫だった?」

「問題ないわ。あっちのゴブリンも私とカレンで倒しておいたから」

 カレンと呼ばれたミニスカートの女の子が笑う。

「それより聞いてよ。あっちの崖にレアリアント鉱石が見えたんだけど、大きすぎて運べないんだよねえ。マジで最悪~」

 フリードは困ったような苦笑した。

「鉱石は重いからな……。ちょっとだけ採ってあとは諦めよう。それよりも納品用のゴブリンの牙を集めないと」

「ええ~。せっかく見つけたのにぃ~」

 カレンは不服そうに頬を膨らませた。

 俺は恐る恐る手を挙げる。

「あ、あの……。助けてもらったお礼に少しくらいなら運ぼうか?」

「いいんですか?」

 フリードは喜んだ。

「うん。その代わりに安全な場所まで送ってほしいんだけど」

「もちろんです。よかったね。カレン」

 カレンはあまり嬉しくなさそうに「うん」と頷いた。

「でもあの大きさだったら結構残っちゃうな~」

「そんなに大きいの?」

「うん。とにかく見てみてよ」

 カレンの案内で俺達は崖に向かった。


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