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 村長の態度はどう考えても手に入らないってものだった。

 全然間違ってない。むしろ当然の反応だ。

 ゴブリンの髄液なんて滅多に市場に出回らない。

 村長の言ってた通り動きを止めた状態で解体しなければならない。

 それには高度な魔法をかけ続ける必要があるし、解体の知識もいる。

 生きたままじゃないと新鮮な髄液は手に入らないから基本的に誰も狙わない。

 拘束魔法に加えて催眠魔法もいる上に解体の知識も必要な超高難易度だ。

 ただゴブリンの髄液には強壮効果があるらしく、丸薬にして使う冒険者もいる

 ダンジョンに潜り、ボスモンスターを前にして自分の力を引き出すために使用するそうだが、そういうのは上位のギルドに所属している冒険者が使うのであって、普通の冒険者からすれば値段が高すぎて手が出ない。

 実際俺も使用したことはなかった。前のギルドでも使ってるところは見たことがない。

 だが戦士向けに確かな需要があるからその材料となるゴブリンの髄液は高値で取引されている。

 なのでなるべく多くの髄液が欲しい。

 倒すと手に入らないから捕獲が絶対条件だ。

 俺はそのことをリズに伝えた。

「つまりいつも通り殺さなければいいんですね?」

「うん。まあでも、相手はモンスターだし、毎回そんな都合良くいくこともないだろうからさ。できたらでいいよ。ゴブリンは結構強いし、捕獲を気にしてこっちがやられたら本末転倒だ」

「心配してくれるんですか?」

「そりゃあね。これでも依頼を受けた一応責任者なわけだから」

 リズは不思議そうにしてからはにかんだ。

「ありがとうございます。一生懸命がんばりますね」

 きらめくリズの笑顔になんだかホッコリする。

 この子だけは守らないとな。

 そんな決心はあったものの、普段とは違い、俺は緊張していた。

 穀物庫は村はずれにあった。

 窓から覗くと木でできた倉庫の中には穀物がたくさん入れられていた。

 一年かけて育ててきたんだ。これを奪われるのは死活問題だろう。

 なんとしてでも守らないと。

 でもゴブリンを確実に倒せる自信はないし……。

「……一応保険に入っておくか」

 俺がそう呟くとリズは不思議そうに小首を傾げた。

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