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近隣の村まで行くのでちょっとした遠出になる。
俺は緊張しながら市場で必要なものを揃えていった。
傷を治すハーブ。
ゴブリンの中には毒を使う奴もいるから毒消しも必須だ。
食料に水。
武器も欲しい。でも俺使えないんだよな……。
商品を見ながらう~んと唸っているとリズが苦笑していた。
「あの、ソーコさん。さすがにお鍋はいらないんじゃないでしょうか……」
「でももしものために…………。いや、そうだな……。あはは……」
村に行けば簡単な食べ物くらい手に入るだろうし、大体食料も持って行く。
鍋が必要なのはダンジョンくらいだ。
俺のスキルはいくらでもモノが運べるからついつい持ちすぎてしまう。
今は節約もしないといけないのに。
て言うかそもそも俺は大した料理ができないし。
まずい。
緊張でテンパってる。
俺は深呼吸をして心を落ち着かせた。
するとリズがニコリと微笑む。
「大丈夫ですよ。わたしもいますから」
「……うん。頼りにしてるよ」
「はい♪」
情けないけど今はリズの存在が頼もしい。
俺なんかよりよっぽど戦闘センスはあった。
だとしても全てを任せるわけにはいかない。
俺達が目指すのはただのゴブリン討伐じゃないからだ。
狙うはレアアイテム。
そのためにはこのスキルでゴブリンを捕獲しないといけない。
しかも手が触れるような至近距離で。
それはつまり、俺も戦う必要があるってことだ。
やばい。
また緊張してきた。
「…………やっぱり鍋も買っとこうかな」
また悩み出す俺の横でリズはまた苦笑していた。




