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そんなことがあったもんだから休憩なんかする気にはならなかった。
いや、全くその気がないとは言わない。
俺だって男だ。少ないチャンスはモノにしたい。
でもリズやアメリアの気持ちを考えた時、自分だけスッキリするのは流石に躊躇われた。
それをマリアに説明すると、ニコリと笑って提案された。
「じゃあマッサージならどうですか?」
「マッサージ?」
「はい。せっかく高いお金払ってるんだから、少しくらい気持ちよくならないと損ですよ」
それはそうか。
三万も払ってるんだし。
このまま時間までここにいるのももったいないな。
それにマッサージならリズやアメリアも許してくれるだろう。
「まあ、それくらいならいいか」
「ではベッドにうつ伏せで寝転んでください♪」
言われた通りにするとマリアは俺の上に乗った。
お尻が触れて柔らかい感触がする。それに温かい。
「じゃあいきますよー♪」
マリアは俺の背中を押し始めた。
筋肉を下から上に持ち上げられると気持ちがいい。
基本的に肉体労働だからな。
昨日の疲れも溜まっていたらしい。
そう言えば最近体が硬くなった気がする。これも歳を取ったからか。
倉庫で働いていた時も常にどこか痛かったな。腰とか、肩とか。首とか。
「どうですか?」
「うん。気持ちいいよ」
「よかったです。ではもっと気持ちよくなってください♪」
すると背中に二つの柔らかい感触が訪れた。
お尻じゃない。
これってまさか。
俺は顔を熱くさせながら焦った。
「え? いや、これってただのマッサージだよね?」
「そうですよー。ただのマッサージですよー」
「でもなんか当たってる気が……」
「当ててますから♪」
当ててるのか。ならしょうがない。
「イヤですか?」
「イヤかと言われたら……」
イヤなわけがない。
でもそういう気持ちにはなってしまう。
ダメだ。
そんなんじゃ外で待ってるリズに顔向けできない。
静まれ。静まれ俺の魂よ!
俺の葛藤も知らずにマリアはニコリと笑った。
「じゃあマッサージを続けますね♪」
そのあと俺は悶々としながら体をほぐしてもらった。
最初はドキドキしたけど、次第にリラックスしていき、そのせいか色々と考えが浮かんできた。




