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 外観は怪しげだったけど中は意外と綺麗だ。

 廊下には絨毯が敷いてあり、等間隔に掛けられたオシャレな照明が足下を照らす。

 奥へと進むとなにやら音楽が聞こえてきた。

 行き止まりにあったドアが開かれるとフロアが広がり、客がたくさんいた。

 みんなの視線は奥のステージへと注がれる。

 そこではセクシーな衣装に身を包んだ獣人の女の子が艶やかにポールダンスを踊っていた。

「うお……」

 なんかあれだ。ストリップみたいだ。行ったことないけど。

 みんなセクシーだった。

 大きな胸を揺らし、お尻を揺らし、尻尾を揺らす。

 それを男達はニヤニヤしながら眺めていた。

 見慣れない光景に圧倒されていると際どいバニーガールの格好をしたウサギの獣人の女の子がお酒の入ったカップを持ってやってきた。

「いらっしゃいませぇ。お客様。当店は初めてですか?」

「ま、まあ……」

「ではシステムを説明させてもらいますね」

 女の子は胸を揺らしてステージを見た。

「あそこで踊っている女の子を指名してもらいます。それから個室へと移動し、二人きりでゆっくりと休憩してもらいます」

「ははは……。休憩ね……」

「はい。女の子にはランクがありまして、高くなると指名料金も上がっていきます。ランクは胸元の名札に張られた星の数で分かります。1~5まであるのでお好きな子をお選びください。ただし、複数の指名が入った場合は競売になります」

「なるほど……」

 高い子がいくらするのかは分からないけど、アメリアが安いといいな。

 女の子はニコリと笑った。

「今はダンスタイムです。気に入った女の子がいたら私達バニーを呼んでください。ダンスが終わると指名に入ります。気になる子はいらっしゃいますか?」

「えっと……」

 ステージではたくさんの女の子が踊っているけど、金髪のねこ系は見当たらない。

「金髪で青い目の、できればねこ系がいいんだけど」

「アリアナのことですか?」

「アリアナ?」

 アメリアに似ている名前。もしかして……。

「その子はどこにいるの?」

「メインイベントに出てきます」

「メインイベント?」

「はい。あ。始まりました」

 ステージで踊っていた女の子達が捌けていく。

 暗くなり、かと思えばステージの中心が照らされた。

 そこには長い金髪に青い目をしたねこ系の美少女が立っていた。

 すると男達が楽しげに声をかけた。

「待ってました!」

「アリアナ! 今日こそ買わせてくれ!」

 なんだかすごい人気だな。

 アリアナと呼ばれた女の子は妖艶な雰囲気を醸し出していた。

 気の強そうな目以外はベールで顔を隠し、セクシーな衣装からは胸がこぼれそうで、お尻はほとんど見えていた。

 音楽が鳴り始めるとアリアナは踊り出した。

 なめらかな踊りは前の女の子達と一線を画す上手さだった。

 もうこれだけでお金が取れるんじゃないかって程だ。

 ギャラリーも湧いている。

「今日もすごいな!」

「さすがアリアナだ!」

 こいつらも踊りを見に来てるのか。

 まあ、それだけの価値はあるな。

 最早娼婦というよりダンサーだ。ねこの血のなせる技なのか、身体が柔らかい。

 その柔らかさを使ってセクシーなポーズを取りながらしなやかな踊りを見せている。

 あの子がアメリアなのかは分からないけど、特徴は一致していた。

「ち、ちなみにあの子はいくらくらいするんだ?」

「アリアナですか? 残念ながら彼女は非売品なんです」

「非売品?」

「はい。この店では入店すると必ず誰かを指名しなければなりません。ですからアリアナがいると他の女の子にお客がつくんですよ」

「なるほど……。あの子の踊りを見に来たら儲かるってわけだ……」

「その通りです。だから申し訳ありませんがアリアナは指名できません」

「で、でもさっきの客は買わせろって」

 女の子はニコリと笑った。

「とんでもない大金を積めばそれも可能かもしれませんね」

 つまり無理ってことか……。

 夢を見せることでカネを巻き上げる。まるでアイドルだな。

 だけど夢見てしまうのも無理はない。

 それほどアリアナの踊りは魅力的だった。

 俺は目的もそっちのけでアリアナの踊りに見とれてしまった。

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