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 娼婦が立ち並ぶ薄暗い路地をしばらく歩くとその先にピンクのネオンで照らされた娼館が見えてきた。

 怪しさ満点だ。普通だったら絶対に行かない。

 あっちの世界でもあんまりこういう店には来たことがないので緊張するな。

 まあ、行きたくてもお金がなくて行けなかったんだけど。

 ララーナと名乗ったウサギの獣人はすたすたと娼館に向かい、入り口のドアを叩いた。

 するとドアの上にある窓が開いた。

「あたし。ララーナ。客連れて来たよ」

 窓の奥に見えた鋭い瞳が俺を捉えた。まるで値踏みするように見てくるな。

 俺は苦笑した。

「カ、カネならあるよ。ほら」

 ポケットに手を突っ込むと倉庫を発動して、そこからカネを取り出して見せた。

 三万ゴールド程見せるとドアが開き、そこから屈強なトカゲの獣人が出てきた。

 男の獣人は裏社会でボディガードをしたり、危険な依頼に同伴させたりするって聞くけど、目の前にするとでかくて怖いな。

 二メートルは軽く超えてる。たまに地元の街で外国人とすれ違うことがあったけど、あれより遙かに迫力がある。

 戦ったら一撃でやられる自信があった。

 俺がなんとか笑顔を作るとトカゲの獣人はニコリと笑った。

「いらっしゃいませ。奥へどうぞ」

「え? あ、どうも……」

 急な笑顔に拍子抜けする。

 客だと見なして優しくしれくれたけど、これはこれで怖いな。

 俺の後ろでララーナは手を振った。

「いってら~。リズちゃんはあたしが見といてあげるよ」

「頼むよ」

 リズは頷き、頭を下げた。

「いってらっしゃいませ。ご主人様」

 今から娼館に入る人のやり取りじゃない。

「うん。いってきます」

 緊張しながら恐る恐る中に入ると、後ろでドアが閉まった。

「こちらへどうぞ」

 トカゲの獸人が奥へと案内する中、もう逃げられないなと思いながら俺は進み続けた。


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