表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/80

シーン5.5:唐突

「エレナ――」


 声が、どこからともなく聞こえる。だが、それは私の意識の中に響くだけで、現実には存在しないものだった。


 突然、目の前にカラスの金色の目が迫ってきた。その瞬間、私の視界が暗転した。


「――っ!」


 私は跳ね起きた。

 冷や汗が背中を伝い、息が荒い。目を見開いて周囲を見回すが、どこにもカラスの姿はない。

 まだ夢の余韻が残っている。あの金色の目が、まるで現実に引き戻されるように頭の中に浮かんでくる。


「……また、あの夢を見たのね…」


 自分の腕を掴んで、ようやく冷静を取り戻す。汗がじっとりと背中に滲み、心臓は激しく打っていた。


 しばらくして、私はようやく寝台から立ち上がった。

 窓の外はほんのり明るく、夜明けが近いことを告げていた。

 夢のことを忘れようとしても、胸の奥にはざらついた違和感だけが残った。


 私は深く息を吸い、心を落ち着けようと試みた。

 今日は、イリスとギルドに行く予定だったはずだ。

 また新しい一歩を踏み出さなければならない――そのことだけを考えるようにした。


 朝、イリスはギルドに私を連れていった。


「パーティーを組むには、登録が必要よ。面倒だけど、これも最初の一歩だから」


 イリスはすでに「白銀のイリス」と呼ばれる名のある冒険者で、受付嬢が丁寧に頭を下げる様子に、私は少し緊張した。


 そして私たちは正式にパーティーを組むことになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ