その14
犬が苦手なあたしが、そのお宅の犬を好きになっちゃった話。
スーパーやコンビニなんかの出入り口付近に、リードで繋がれた犬がポツンと佇んでいる時がある。
飼い主さんが散歩の途中で買い物なのか、逆に買い物ついでに犬を散歩させてるのかは、正直どっちでもいいとして、その犬が大人しくて静かに待っているないし、たとえちょっとやんちゃで行き交う人行き交う人に吠えたとて、リードがちゃんと短めに繋いであるなら平気なのだけど、時折、吠えるわ、リードが長いわ、出入り口付近に近すぎちゃうわとなると、本当に迷惑だと感じる。
あたしはもう大人なので、ずるく、見ず知らずの買い物客の「連れ」の様な振る舞いで、その人を盾にしてささっと入店したり、その逆に両手いっぱいの荷物を持って出て来れたりするけれど、抱っこできる大きさのちびっ子じゃないちびっ子などは、怖がって、足が竦んでなかなか前に進めず、泣き出しちゃったりして可哀想にと思う。
一緒にいるお母さんだって、子供が一人ならなんとか手を繋いでそそくさ出来ても、子供が2〜3人、全部ちびっ子となると、「早く歩きなさい!」とモタつく子供に苛立ったり、「なんでこんなとこまで犬なんか連れてくんだよ!吠えない様にちゃんと躾けとけよ!」などと犬の飼い主に苛立ったり、本当に大変だよなあと。
だからかなあ、犬を連れて来た飼い主さんに、無性に腹が立つ。
自分だけの勝手な行動で、見知らぬあたしみたいな「犬が苦手」な人達や、ちびっ子を怖がらせて困らせて。
あれも「犬関所」だなあと思う。
できればやめてほしい。
「なんなら条例に…」とまでは言わないけどさ。
でもまあ、同じ様にスーパーやコンビニ、ホームセンターやドラッグストアなどの駐車場で、たまたま自分達の車を停めた隣の車などに、小さい犬がそのまま乗ってて、ガラス越しにわんわん騒いだりしているのは、勝手だけど「可愛い」などと思ってしまう。
それは、こちらが完全に安全だとわかってる状態だから、なんだけどさ。
「ああ、吠えてる吠えてる…あんなに吠えて疲れないのかねえ」なんて、余裕ぶっこいちゃって。
あと、車が動いている最中、追い越し車線で追い越して行く車の窓から、でっかい犬が舌を出して外の風を感じている姿も、案外好きだ。(一瞬見るだけだから)
そう言えば、「吠えるけど大丈夫」な犬もいる。
2023年4月から2024年3月までの1年間、町内会の区長と班長を兼任させられた時(次の年も何故か手描きのイラスト付きのお便りが評判がいいからとお願いされたけど、丁重にお断りしたのよ。だって、同じ人ばっかりやらされるというか、やるのってよくないことだと思うから)、同じ区の違う班長さんに毎月「回覧板」に挟む紙(区長特権で、「今月分です、お願いします」などの手描きのイラスト付きのお便りを1番上に乗せて。奇数月は「もうすぐお相撲が始まりますよ」とか書いたり)などを渡しに行く際、1件のお宅はちびっ子達がいる家で、もう1件のお宅が犬を飼っているお宅で。
おばあさんとその娘さん(と言っても、あたしよりも結構年上の方)と、小さなプードルが2匹。
1匹は茶色で、もう1匹はグレーだったか?
そんでもって、大概、玄関先で「今月分です、お願いしま〜す」などと挟む紙類を手渡して終わりなのでけれど、町内会費のやつでちょっと説明せにゃあならないことがあって…
夫が仕事で居ない日中、あたしが歩いて渡しに行って説明となった時、丁度おばあさんしかいなくて…
「あがって、あがって!」
促されるまま、部屋の中にお邪魔する羽目になってしまい、断る訳にもいかず、やむなく部屋にお邪魔した。
その時、2匹のぬいぐるみの様な可愛さのプードルさんが、キャンキャン吠えるけど、全然怖くなくて。
「あんた誰?どこから来たの?一緒に遊べる?」的な吠え方で、あたしの傍に来つつ離れつ、興味津々だった模様。
「座って〜」とおばあさんに促され、長居をするつもりなど毛ほどもなかったけれど、仕方なく腰掛けると、ピョンとソファーに飛び乗った1匹が、あたしの尻の匂いを嗅いでから膝に両前足を乗せて可愛くして、もう1匹はあたしの足元にピッタリくっついて(靴下越しだけど、足の甲に乗っかっちゃってた)
その後おばあさんに「うるさいよ!静かに!」なんて何度か優しく叱られても、あたしの訪問が嬉しかったのか、可愛くわんわん吠えながら喜ぶ様に部屋を走り回ったり、吠えながらクルクル回ったり、吠えながらあたしの傍に何度も駆け寄り、足に擦り擦りしたりして。
ほんの15分ぐらいの触れ合い(おばあさんにきちんと丁寧に説明して「ああなるほど、わかりました」と納得してもらって)だったけど、あれはあたしでも大丈夫だったし、ちょっぴりくすぐったい様な、妙な嬉しさだったっけ。
あんなに可愛くされたら、そりゃあいくらあたしでも、犬を好きにならざるを得ないと言うか、好きになっちゃってもしょうがないよ。
2023年は2月にルルが天国に逝っちゃったから、その後、心にも暮らしにもぽっかり大き過ぎる穴が空いちゃってたからねえ。
最後まで読んで下さって、本当にありがとうございました。もう少しだけ書きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。




