第6話 オダジマとカレンダー オダジマ式 一年一三ヵ月制の提唱
オダジマとカレンダー
今、わたくしの仕事場のデスクの前には、一枚で一六ヶ月分のカレンダーが貼ってあります。何ヶ月も先に予定を入れることがあるので、一覧性がないと使いにくいからです。毎年年末に貰うカレンダーのお尻についている一二ヶ月分の一覧と、翌年の一~四月分の一六ヶ月をセロテープでくっつけて使っています。
その横には、年齢早見表が貼ってあります。西暦と昭和・平成・令和と年齢が横並びになっていて一目でわかるもので、特に西暦と昭和・平成の照合が重宝しています。「ンなもの必要なのか?」と思ったアナタ、それなら二〇〇二年は平成何年か三秒以内に答えてみなさい。ホーラ出来ないでしょう? オホホホ! 今チラッと早見表をみたら平成一四年でしたよ。
で、これらカレンダーについて、前々から思っていたのですが、なんで毎年毎年一二枚も印刷して、しかも大の月と小の月があるのでしょうか? てか、二月なんか、大小の概念も超越して二八日しかないじゃないかっ! 大の月群から二月に二日トレードすれば、全体の凸凹がならされて平らになるのに、なんでわざわざ二八日にすんだっ! ということで、わたくしが、ずっと前から提唱してきたのが「一年一三ヶ月説」です。
どういうものかというと、一年を二八日×一三月にして、一三月にはもう一日くっつけて二九日にすると、「あら不思議? 三六五日になるワ!」という荒業で、これだと、各月、必ず曜日と日にちが合致するので、すごく使いやすくなるんですよ。一月一日が月曜日なら、その年は一日はずーっと月曜日なんです。てことは二日はずっと火曜日。便利でしょう? 多分最初の一~二か月で全部覚えてしまうんじゃないでしょうか。
カレンダーも一三ヶ月共通で使えるから、最初の月のだけ一枚あれば足りるんですよ。
と思って調べてみたら、意外なことに「一年一三ヶ月説」は昔から提唱されていて、割と有名な学者も導入を叫んでいたのでした。しかも、大晦日は一三月二九日じゃなくて、「時間を外した日」と呼んで(何の訳でしょうか? タイムレスデー?)、どこにも属さない日にしてるらしいです。「じゃ閏年はどうすんだ」と思ったら、「時間を外した日その二」をくっつけるんですって。
で、これだと、「永久に曜日と日にちが合致するので、そもそもカレンダーを作る必要がないヨ」とのことでした。‥‥‥えっ? なんスかそりゃ。てことは「時間を外した日」には、日にちもなければ曜日もないのですか? 小松左京(日本SFの大家。代表作「日本沈没」「復活の日」)の世界ですか?
そりゃちょっとやりすぎじゃない? ということで、一応、大晦日に日にちと曜日を割り振って、「永久じゃないけど、各年の日にちと曜日は必ず合致するのですよ」というオダジマ折衷説は結構いい出来な気がするんですけどね。
問題は、一三じゃどうやっても割り切れないので、半期や四半期の概念がどっかに行ってしまうことと、四季の分かれ目に困ることですが、後者は夏を六月~九月にすれば解決するんじゃないでしょうか。ここんとこ温暖化で九月も暑いし。あと欧米では「一三」が嫌われるということもあるかも知れませんが、「最終月」でも「ファイナル月」でもいいから、名前だけ変えてしまえば済む話です。最終は「Fin」だから、それらしくnをmにして最終月は「Fimber」でどうでしょう?
あ、あと、カレンダーにお願いしたいのは、四月二九日の昭和の日なんて要らないから、代わりに六月第三週の水曜日を休みにして下さいっ! GW明けから海の日まで祝日がなくてダラダラしてしまうんです。梅雨の時期だから、名称は「雨の日」がいいですね。雨だからみんな家でおとなしくすんの。
→ 今、気になって調べてみたら、今年の四月四日に明治生まれの男性が亡くなって、国内の明治生まれの男性はゼロになったそうです。女性はまだ何人かご存命のようです。今年は昭和九九年ですから(覚えておくと便利ですよ)、大正の一四年を足すと、一番若い明治生まれの方でも一一三歳ですからね。何年かしたら、一人もいなくなると思います。最後の方はきっとニュースに取り上げられるんでしょうね。
あと、「時間を外した日」って、ラノベで使えそうですよね。
あるとき王様が「来年から一三月制に移行するぞ」って言い出して、王都の暦担当の役人オダジマがカレンダー作って大教会に納めてお祈りしたら、「時間を外した日」で本当に時間が止まってちゃって、だけどカレンダー作ったオダジマだけが自由に行動できる、みたいな。
まあ、悪事をはたらきたくなるのと、ヒロインを絡めにくいのが難点ではありますが。
今朝、料理人オダジマのお姫様編に「いいね」を頂きました。ありがとうございました。嬉しかったです。「いいね」はポイントと関係ないのですが、エピソードごとにつけられるので、書いている方としては、どのエピソードが評判よかったのかが分かるという優れものです。特に私のような、話ごとにテーマが異なるエッセイを書いている作者は参考になります。ポチるだけなので、今後も「今回はよかったな」ってときはポチって下さい。宜しくお願い致します。
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