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8回目の嘘コクは幼馴染みからでした  作者: 東音
嘘コク一人目
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告白後の夜

「とうっ。」

 私はお気に入りのピンク地にカピバラ柄のパジャマ姿で自分の部屋のベッドにダイブすると、今日一日に起こった色んな出来事を思い出していた。


 屋上で、憧れの京ちゃんに告白して、何故か嘘コクと思われ、更にその状況を利用して嘘コクミッションをやることになった…。


 そして、放課後にその出来事をマキちゃんに報告していると、京ちゃんに嘘コクをした一人目、柳沢梨沙先輩に会い、話を聞き、更には私の恋に協力してもらう事になった…。


 何だか怒濤の展開だ…。



 でも、京ちゃん、近くで見ると更にかっこ良かったなぁ…!


 小さい頃は私と同じくらいの背だったのに、

 私よりもぐんと背が高くなっていた。


 少し縦長になった可愛い顔立ち。優しそうな眼差し。いたずらっぽく緩む口元。

 染めた髪もよく似合っていた。


 低くなった声で、今の私を「可愛い」と言ってくれた。

 嘘コクミッションだったけど、「好きだ、付き合おう」とも…!!


「ふぐあぁっ…!!」


 私はベッドの上で、真っ赤になり、足をバタバタと動かした。


「はうぅ…、幸せ…。」 


 屋上でのやり取りを何度も思い返しては、

 ベッドの上のクッションを抱きしめ、ゴロゴロ転がりつつ幸せを噛み締めた。


 最後、パンツまで見られちゃってはずかしかったな…。

 しかも、ピンクの水玉にくまさんプリントなんて、子供っぽいパンツを…!

 京ちゃんはあんなに素敵になっていたのに、

 私ったら本当に子供っぽくて嫌になっちゃう。

 もっと京ちゃんに釣り合う素敵な女の子になりたいのに。


 それから、柳沢先輩の姿が頭をよぎった。


 ショートヘアの美人でスレンダー体型のスポーツ少女。


 京ちゃんが好きだった人…。


 胸がチクンと痛む。


 私なら、絶対嘘コクなんてしないのに…。


 京ちゃんに想ってもらえるのなら(想ってもらえなくてもだけど)、他の男子になんて目を向けずに、一途に京ちゃんだけを想い続けるのに…。


 京ちゃんが、柳沢先輩にしてあげた事はなかなか出来る事じゃないと思う。

 すごいと思うし、流石は京ちゃんと惚れ直す部分もある。

 だけど、昔は私だけに向けられていた京ちゃんの優しさが、今は他の女の子に向けられているという事実には辛いものがあった。


 今でも京ちゃんはあの人に心を残しているのかな?


 私も以前よりは外見が良くなったと思うのだけど、京ちゃんに好きになってもらえなかったら何の意味もないよ。


 明日は、京ちゃんの女の子の好みを聞いてみてみよう。

 そして、好みに出来るだけ近付けられるよう努力しよう。


 そう。明日。

 明日も屋上で京ちゃんに会えるんだ。嬉しいなぁ…!



 いやいや、でも、本当に今日の京ちゃんかっこ良……。


 以降、舞い上がったり、落ち込んだり、

 思考の無限ループに陥った私は、なかなか寝付けず、翌日、寝坊して学校に遅刻するのだった…。


柳沢さん編はこれでおしまいです。

彼女については、厳しいご意見も多々あると思いますが、ざまぁはなく、その分柳沢さん自身がその罪をどう償っていくか、課題が課される形になりました。

今後は嘘コク二人目〜七人目の案内人(?)として芽衣子達の力になっていく存在になります。


彼女のこれからの言動に「本当に反省しているのか?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、表に出さないものの、京太郎への感謝の気持ちと罪悪感は常に彼女の中にあり、行動の言動力になっています。

彼女の贖罪のあり方も見守って頂ければと思いますので、どうか宜しくお願いします。

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