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8回目の嘘コクは幼馴染みからでした  作者: 東音
嘘コク八人目
240/255

文化祭編⑧ おじさんズとの遭遇 

 

 文化祭を一緒に回ろうと、約束していた芽衣子と京太郎。


 文化祭二日目の午前中、待ち合わせ場所(京太郎のクラスの教室前)にてー。


 ガバッ!

「京ちゃん…!やっぱり羊の被り物可愛い〜!!///ワフンワフン♡♡」


「わあぁっ!!///めーこ!!」


 再び、犬(芽衣子)に襲われる羊(京太郎)。


「うんわ。まった、イチャイチャしてんよ。あの二人。」

「見せつけんなしー?」


 今の時間担当の京太郎のクラスの女子二人(猫と兎の被り物をしている)に、からかい半分に言われる中、体を起こす二人。


「ほ、ホラ。見られてるぞ?めーこ。いきなり押し倒すなよ…。//」

「ごめん、京ちゃん。衝動が抑えられなくて…。//」


「しかし、めーこも、その格好…。」


 まだ、クラスの出し物で着るメイド服姿のままで、しかも犬耳を付けている芽衣子に、不思議そうな顔をする京太郎。


「あ、ああ…。「芽衣子は目立つから、デート中も宣伝よろ!」ってマキちゃんに言われてこの格好なの…。ホラッ。背中にも…。」

「ホントだ…。」


 芽衣子は、背を向け、

『1ーD メイドカフェ』と書かれた張り紙が貼られているのを指差し、京太郎は苦笑いを浮かべた。


「!それいい案じゃね?」

「うん!矢口もやろう、ソレ!」


「え。」


           *


「「いってらっしゃーい!!しっかり宣伝してくんだよぅ〜?」」


「はあぁ…。俺もこの格好のまま行くのかよ…。」

「犬&羊カップルだね?京ちゃん♡♡」


 クラスの女子に見送られる中、

 羊の被り物を被ったまま、背中に『2−D アニマルクイズミッション』という張り紙が貼られた京太郎は、

 同じように張り紙が貼られた犬耳&メイド姿の芽衣子と共に文化祭デートへ出かける事になった。


           *


 取り敢えず、知っている人のクラスから回り始めた京太郎&芽衣子。


 風紀委員 大山雅と小谷潮のクラス、「クレープ屋」にてー。


 ザワザワ…。

「(あれ、矢口と氷川さんカップル…!?背中に張り紙してあるけど…??)」

「(羊の被り物に、犬耳メイド??目立つ格好でデートしてんなぁ〜。)」


「大山先輩&小谷先輩はいなくて、残念だけど、クレープ美味しいね?京ちゃん…♡」

「あ、ああ。そうだな…。//(ううっ。皆に見られて、落ち着かないぜ…。)」


 初めての文化祭デートを満喫する芽衣子に、

 行く先々で注目を浴び、落ち着かない京太郎。


「あ、あの〜。青春高校伝説のカップルの、氷川さんと矢口さんですか〜?」


「「えっ?伝説のカップル?!」」


 突然他校の女子グループから話しかけられ、驚く二人。


「お二人と一緒に写真撮ると恋が叶うというジンクスが広まっているんです〜。

 よかったら、私達と一緒に写真撮ってもらえませんかぁ?」


「「ええ〜!!」」


 驚きつつ顔を見合わせる二人。


           *    


 カシャッ!


「「「「ありがとうございました〜!!」」」」

「「い、いえ…。」」


 頼み込まれ、戸惑いながらも、女子達と写真を撮った後息をつく二人…。


「そんなジンクスが出回っているんだな…。」

「驚きだね…。」


 目をパチクリしている二人に、更に別の女子達が近づく。


「あの〜。青春高校最強のカップル、氷川さんと矢口さんですか?お二人の所属している読書同好会の部誌を読むと、勉強や、部活で成績が良くなるというジンクスを聞いたんですが、どこで買えますか?」


「「また、別のジンクスが…?!」」


           *


「「ありがとうございました!いってみます♪」」

「「よ、よろしくお願いします〜。(せっかくの文化祭デートなのに、全然ゆっくりできない…。)」」


 読書同好会展示室の場所を説明し、ついでにまたも記念にと写真を撮られた後、女子達を見送りながら、疲れた表情の二人は、更に後ろから甘ったるい声をかけられる。


「伝説のカップルの矢口さんと氷川さんですかぁ?♡」


「「またぁ?」」


 一斉に、振り向いた二人だが…。


「ははっ。なんちて…!京太郎、驚いたか?」

「コラコラ、京兄やめなよ。」


「「…!!」」


 いたずらっぽい笑みを浮かべる京介とそれを窘める凪が並んでそこに立っていて、京太郎と芽衣子は、目を見開いた。


「京介おじさん…。何でここにいるんだよ…。」

「(京ちゃん…。)」


 ずっと親戚のおじと言われていた京介が、実の父と知ってから初めての対面となり、動揺し、硬い表情の京太郎を心配そうに見遣る芽衣子。


「いや、文化祭行くって言ってただろう?

 廊下で女の子達が京太郎達の噂してるの聞いて、ここに来てみたら会えたってわけ!お前、有名人なのな?

 隣りにいる別嬪さんは芽衣子ちゃん…か?」


「は、はい。お久しぶりです。京介…おじさん…。」


 気まずそうに京介に挨拶する芽衣子。


「え?芽衣子ちゃん?うわぁ…!見違えたなぁ。」

「凪おじさんもお久しぶりです。」


 京太郎の叔父も、芽衣子の成長ぶりに目を見張る。


「せっかく会えたんだし、二人の写真でも撮ってやろうか?」

「…!やめろよ!!」


 カメラを構える京介に、手を突き出し拒否する京太郎。


「来るのは勝手だけど、俺達に構わないでくれ!凪叔父さん。その人が変な事しないように見張っといてくれよ?」


「「京太郎…!」」


「めーこ。行くぞ?」

「う、うん。京ちゃん…。」


 芽衣子は気まずそうに、二人のおじに会釈をすると、京太郎に手を引かれその場を後にした。


 そして廊下に出て、生徒会室の近くを通ったところ…。


 ガチャッ!


「とにかく、今はステージの警備を増やす事しか出来ないな…。」

「すまないな…。君も充分気を付けて…!」


「ああ。心配しなくていい。」


「白瀬先輩に…。」

「生徒会長さん…?」


 風紀委員長の白瀬柑菜が、生徒会長の早坂圭三郎と何やら深刻そうな様子で部屋から出て来たところに行き合った。

読んで頂きましてありがとうございます!

これから文化祭編後半、水、木、金の週3投稿していきたいと思います。


今後ともどうかよろしくお願いしますm(_ _)m


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