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8回目の嘘コクは幼馴染みからでした  作者: 東音
嘘コク八人目
236/255

文化祭編④ アオハル高校演劇部版「シンデレラ」《前編》 

 

 文化祭1日目ー。

 視聴覚資料で開催される演劇部の劇を見に多くの観客が詰めかけていた。


「氷川さん、矢口くんに引き続き、部長まで、劇に出演するなんてすごいですね?」

「「はい。私達までドキドキですぅ!」」


「京太郎緊張し過ぎて、とちらないか心配だわ〜。」

「うちも、芽衣子が右足出して、セット壊さないか心配だわ〜。」


「柑菜さん、王子役なんてぴったりだね?潮。」

「本当だな。楽しみだな?雅。」


「「「「「委員長、頑張って下さい〜♡」」」」」


 その中には、読書同好会部員の桃羽、紅、碧、京太郎母、奈美&芽衣子母、麻衣子、雅や潮を始めとした風紀委員達の姿もあった。


『ただいまより、アオハル高校演劇部&有志による「シンデレラ」を開演致します。

 従来のストーリーとは少し違ったアオハルならではの「シンデレラ」をお楽しみ下さい。』


 部長の黒瀬の挨拶の後、暗転。


 第一幕


『昔あるところに、シンデレラというとても美しい娘がいましたが、義理の母と姉に冷たく当たられていました。』


 スポットライトが当てられ、ボロ服をまとったシンデレラ(芽衣子)、継母、義理の姉(彩梅)が現れる。


「シンデレラ!さっさと食事の用意をしなさい!私達の服を洗いなさい!」


「はっ、はいっ!お母様っ!!」


 継母に怒鳴られながらこき使われるシンデレラ。


「このトロイ子に家事を任せていては、今日中に終わらなくて迷惑よ!私もちょっとだけ手伝ってあげるわ!ったく、仕方ないわねぇ…!」

「す、すみません!お姉様!!」


 義理の姉(彩梅)に謝るシンデレラ(芽衣子)。


「ホラッ!私の方が飾り切り得意なんだから、さっさと野菜貸しなさいよ!」


「はっ、はい!お姉様!!」


『実は姉は、母にいびられるシンデレラを密かに心配して、色々と手伝っていたのですが、ツンデレの為、シンデレラにはなかなかその気持ちは伝わっておりませんでした…。


 そんなある日の事。お城の王子様が婚約者を探す為の舞踏会を開く事になりましたが、シンデレラは、継母と義理の姉に舞踏会に連れて行ってもらえませんでした。』


「あなたのような娘が行くところじゃないわ。家事でもしていらっしゃい。行きましょう。我が娘。」


「そうね!行きましょう。お母様。

(王子様は多くの女性を侍らせる女ったらしっていうもの。純真なシンデレラに近付けたくないわ!)

 シンデレラは、家で大人しく待っていなさいな!

(お土産買ってきてあげるからね…。)」


「ああ、そんなぁ…!ぐすん…。」


『継母とツンデレ義姉に置き去りにされ、泣いていたシンデレラでしたが…。』


「泣かないで?シンデレラ。」

「あ、あなたはっ…?」

 シンデレラ(芽衣子)の前に現れる魔法使い(京太郎)。


「私は魔法使い。私が舞踏会に行かせてあげましょう。」


 ズキューン!(ハートを撃ち抜かれる擬音) 


「魔法使いさん…!

 な、なんて、優しくて素敵な人なの…♡」

「し、シンデレラ?近いんだけど…?///」


 目をハートにして、シンデレラは魔法使いに寄り添う。


 ✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽

 ざわめく観客席。


「「え?シンデレラ、魔法使いに惚れちゃってません?」」

「(氷川さんと矢口くんは平常運転ですが)面白い脚本ですねぇ…。」


 紅、碧も戸惑い、桃羽は感心している。


 ✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽


 暗転


 第二幕


『魔法使いの力で、ボロ服とボロ靴をドレスとガラスの靴に…。』


 綺麗なドレスを着てガラスの靴を履いたシンデレラ(芽衣子)にスポットライトが当たり…。


『かぼちゃを馬車に、ネズミを馬になり、シンデレラは、舞踏会に行けることになりました。』


 背景のかぼちゃの馬車や馬にスポットライトが当たり…やがて全体が明るくなる。


「さあ、行きましょう、シンデレラ!」


 魔法使い(京太郎)に手を取られ、喜ぶシンデレラ(芽衣子)。


「はいっ♡魔法使いさん!このまま、結婚式場で私達の式を挙げるんですね?」


「違うよ?何いってるの、シンデレラ。舞踏会に行くんでしょうが!」

「あれ?そうなんですね…?」


 魔法使いに突っ込まれ、シンデレラはキョトンとする。


 背景がお城に変わり…。


『お城に着くと、シンデレラは魔法使いから大事な事を言い渡されました。』


「シンデレラ。0時までには帰っておいでね?さもないと魔法がとけてしまいますからね。」

「はぁい♡0時になったら、必ず魔法使いさんの元へ戻って来ますね?」


『魔法使いに見送られ、舞踏会に向かった美しいシンデレラ(芽衣子)は、王子様(柑菜)の目に留まりました。』


「おや、なんて美しい人なんだ…!✧✧」


 ✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽


 王子様姿の柑菜の登場にキャーッと観客席から歓声が上がる。


「「柑奈さん!」」

「「「「「委員長、カッコイイ〜!」」」」」」


 風紀委員も盛り上がっていた。

 ✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽



「ん?げっ。あ、あれは、シンデレラ…?!(あんな綺麗な格好して…!女ったらしの王子に目を付けられてしまったじゃないの!)」


 舞踏会に来ていた義理の姉(彩梅)が、ハラハラする中、王子様(柑菜)はシンデレラに近付いていく。


「お嬢さん。私と踊ってくれますか?」

「は、はい。喜んで…。(すごい!王子様と踊れるなんて。後で魔法使いさんにご報告しよう。)」


 そして共に微笑んで踊り出す二人。


 王子様の心の中

(素敵な人だ…。ぜひこの人と結婚したいなぁ…。)

 シンデレラの心の中

(着飾って踊るの楽しいけど、魔法使いさんと一緒に踊ってみたかったなぁ…。舞踏会に一緒に来てくれたらよかったのに。)


『そして時間は過ぎ、魔法が解ける0時になる頃シンデレラは、急いで帰ろうとします。』


「王子様、私はもう行かなければなりません…。さようなら!」

「君、待ってくれ!」


 慌てて去って行くシンデレラ(芽衣子)の後を王子様(柑菜)は必死に追いかけ…。


「きゃっ!」

 王子様に腕を捕まれ、悲鳴を上げるシンデレラ。


「行かないでくれ!僕と結婚…」

「やめて下さいっ!魔法使いさんの元に戻るんですぅっ!私はぁっ…!!」


 もみ合いの末、シンデレラの右足からすっぽ抜けたガラスの靴が、宙を舞い…。


 ドスッ!!


「ギャッ!!ううん…。」


 ガラスの靴のかかと部分が、頭に直撃した衝撃で、王子様は床に伸びてしまった。


「ど、どうしよう…?|||||||| 王子様、殺っちゃった!?」


 自分がやってしまった事に慄き、青褪めるシンデレラ(芽衣子)。


 ✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽


「ううっ、芽衣子、やっぱりやらかしたわ…。|||||||」

「ま、麻衣ちゃんっ。そういう脚本なのよっ。(多分…。)」


 観客席でフラッとする麻衣子を慌てて支える奈美であった…。



読んで頂きまして、ありがとうございました✧✧

文化祭編の劇パートは次回で終わりになります。

劇ポスター(ベルバラ調?)と、

上月さん、白瀬先輩の劇バージョンのAIイラストをみてみんに投稿予定ですので、よければそちらもぜひご覧下さいね。


追記:AIイラスト投稿しました。

https://42432.mitemin.net/i903875/

https://42432.mitemin.net/i903876/

https://42432.mitemin.net/i903877/

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