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8回目の嘘コクは幼馴染みからでした  作者: 東音
嘘コク八人目
232/255

おまけ話 ようこそ!メイドワンコカフェ

※カクヨムさんの方でカクヨムコン終了後、近況ノートに載せたお礼のおまけ話になります。


時系列としては、嘘コク6人目のお話後になりますのでよろしくお願いしますm(_ _)m



 

「いらっしゃいませ?旦那様!!ご飯になさいますか?お風呂になさいますか?それとも…ワ・ン・コ♡♡?」


「め、芽衣子ちゃん?えええ?」


 俺は目の前のメイド服を来た茶髪美少女(犬耳付き)にノリノリで出迎えられ、目をパチクリせた。


 芽衣子ちゃんとその親友の笠原さんに、文化祭の事で相談があると、L○NEのグループメールをもらったのは、昨日の夜。

 ちなみにいつの間にかグループ名が『☆嘘コクミッション☆』から、『☆めーワンコを愛でる会☆』に変更されていた。


 休日の午前中に、二人に呼び出され、芽衣子ちゃん宅に来たのはいいのだが、この事態は一体どういうことだろうか?


 ただでさえ美少女な芽衣子ちゃんが、メイド服を来て、界○拳並に、戦闘力が爆上がりしている。


 可愛い顔は、薄く化粧を施されており、ピンクのリップが塗られた唇は艷やかに光り、

 少し長めのセミロングの髪は、ワンサイドだけ、アクセントに三つ編みが可愛くあしらわれている。

 そして、頭には、保護欲を掻き立てる似合い過ぎな犬の耳が…!


 けっこうぴっちりした服で胸の膨らみが強調されているあたりとか、膝上のスカートとかに白のニーソックスが太ももに食い込んでいるところとか、いけないところもガン見してしまいそうになり、俺は慌てて目を逸らした。


「芽衣子。セリフ違う!“いらっしゃいませ。ご主人様“でしょう?」


 リビングから、同じくメイド服で現れたのは、笠原さん。笠原さんもショートボブの髪を三つ編みのアレンジがあり、エメラルドグリーンのリボンで纏められている。


「えへへ…。一度このセリフ言ってみたくて…。」


 芽衣子ちゃんは、ペロリと舌を出した。


「笠原さんも…。えーと…。これは一体…??」


「ふふ。実は文化祭でうちのクラスメイド喫茶をやることになりまして、私と芽衣子はお給仕係になったんです。」


「ああ…。それでメイド服を…。」


 俺は笠原さんの説明でようやく、二人の格好に合点が行った。


「このメイド服、マキちゃんのお母さんが作ってくれたんですよ?作りがしっかりしていてすごいてしょう?」


「本当だね?笠原さんのお母さん洋裁上手なんだね?」


 芽衣子ちゃん達の着ているものは、通販などで、安く売っているペラペラのメイド服と違って、生地がしっかりしていて、縫製も丁寧で、フリルの作りやスカートの膨らみ方など随所にこだわりが見られた。


 俺は感心して、大きく頷くと、笠原さんは、


「いや〜、お母さん、オタクで、コスプレ服作るの趣味なんで…。これ、作ってもらう代わりに、他のコスプレ服着せられて写真撮られて大変だったんですよ。」


「ええ…。プ○キュア@の衣装着させられました…。」


「この年で変身ステッキ持つのちょっとキツイよね…。」


「そ、そうなんだ…。」


 二人はげんなりした顔を見合わせていたが、

 俺はプ○キュア姿の芽衣子ちゃん達もちょっと見てみたいなと密かに思ってしまった。


「それで、京先輩に相談したい事なんですが、よかったら、リビングで説明しますので、どうぞ奥へ…。」


「あ…うん…。お邪魔します。」


 俺は二人のメイドに導かれ、リビングへ向かった。

          *

          *


「京先輩にご相談したいのは、髪飾りのリボンの色をどれにしたらいいかという事なんです…!」


 リビングテーブルの俺の隣の席に座った芽衣子ちゃんは、サイドにアレンジされた三つ編み(今はシンプルな黒いゴムで止められている)を指差してそう切り出した。


「お給仕係は、全員同じメイド服を着るんですが、髪飾りは、全員別々の色の好きなリボンをする事になったんです。

 お給仕係の女子は6人いて、他の人は、赤、青、黄、ピンク、エメラルドグリーン(私)ともう決まったんですが、芽衣子は矢口先輩に聞いてから決めたいと言っていたので相談したくて。

 どうせなら、実際に見て決めようかと言う事になりまして…。」


 笠原さんが補足で説明をし、ニヤッと笑った。


「ただでさえ、可愛いメイド服の芽衣子を自分色に染められるとか、堪らんでしょう〜?」

「あなた色に染めて下さい。ワンワンッ♡」


「あなた色って…。//」


 胸の前で2つ拳を作り、犬のマネをしている芽衣子ちゃんにそんな事を言われ、俺は顔を赤らめた。


「最初は京先輩が好きだと言っていた白にしようかと思っていたのですが、マキちゃんから、この格好では映えないから他の色にしたらと言われて…。」


「ホレ、芽衣子、コレ白の。」

「ありがと。」


 芽衣子ちゃんは、向かいの席に座っている

 笠原さんからリビングテーブルの上に並べられたリボンの内1つを受け取り、三つ編みに当てた。


「どうです…?」


「うん…。確かに白と黒が基調のメイド服と一体化しちゃとてあまり映えないな…。

 他にどんな色があるの?」


「えっとですね…。この色なんかどうでしょう?」


 芽衣子ちゃんは、橙、藤色、銀、金、茶色、濃い緑など次々にリボンを髪に当てていき…。


「あっ。この色、すごくいいんじゃないか?芽衣子ちゃんの茶髪にもよく映えて、俺は好きかも…!」


「ホントですかぁっ…?じゃあ、この色にします!!」


「んっ。じゃ…決まりだね?私もその色すごくいいと思うよ?」


 絶賛する俺に、顔を輝かせる芽衣子ちゃん、満足げに頷く笠原さん…。


 こうして、芽衣子ちゃんのリボンは、“水色”に決定した。


「芽衣子ちゃんやっぱり水色も似合うなぁ…。」


「ん?私、京先輩の前で、水色の服着たことありましたっけ?」

「えっ?!」


 不思議そうな顔をする芽衣子ちゃんに、

 俺はこの前見た水色ティーバッグのパンツの記憶からそう言ってしまっていたことに気付き、急いで言い訳をした。


「い、いや、見たことはないけど、そうじゃないかな〜って前々から思ってたって事だよ!」


「そうですか?そんなに好評なら、私、今度から水色の服も着てみようかなぁ…。」


「う、うん…。似合うと思うよ…?」


 ふ、ふぅ…。バレなかったか…。気付かずに嬉しそうにそう言う芽衣子ちゃんを見て、内心安堵のため息を漏らしていた。


「あらあら、二人の世界作っちゃ

 ってぇ…。正にあなた色に染まっちゃったね…。爽やかな水色○代…。ヨキヨキ…」


「「っ……!///」」


 笠原さんが、ニヨニヨされて、俺と芽衣子ちゃんは、目を見交わすと、互いに赤くなり俯いてしまった…。


 *

 *


「さて!リボンも無事決定したところで、実際にお給仕も実演していきましょう!」

「おー!」


 芽衣子ちゃんに水色のリボンをつけてあげた笠原さんは、拳を高々と掲げ、芽衣子ちゃんもそれに続いた。


「えっ。そこまでやるの!?」


「ハイ。どうせなら、最後までやりましょう!今から、文化祭で実際に出すお料理を

 出しますね?」

 驚く俺に、笠原さんはウインクをした。


「京先輩。オムライスとホットケーキはお好きですか?」


 芽衣子ちゃんが手を組み合わせて、上目遣いで聞いてくる。


「あ、ああ…。好き…だけど…。」


 あれ?何か俺、今日色んな意味で美味しい思いできそうじゃね?今日で俺死ぬのかな…。


          *

          *


「「はーい♡ご主人様、お待ちどうさまです!!」」

「うおおぅっ…!」


 芽衣子ちゃんがオムライスの皿を

 笠原さんがホットケーキの皿を同時にテーブルに置かれ、俺は思わず感動の声を上げてしまった。


 どちらもホカホカしてメチャメチャ美味しそう…!!


 二人は、それぞれケチャップとチョコシロップを♡形にかけてくれているようだった。


「では、今から、お料理が美味しくなる呪文を唱えま〜す!」


 笠原さんは、両手でハートの形を作り、呪文を唱えた。


「テクマクマヤコン、テクマクマヤコン、お料理よ、美味しくなーれ!!」


「笠原さん、それ変身する呪文だから…。」


「私も負けずに、お料理が美味しくなる魔法をかけます。」


 芽衣子ちゃんも両手でハート形をを作って呪文を唱えた。


「美味しくなーれ、ワンワンキューン♡」


「芽衣子ちゃんも何か違う…。」


「芽衣子、その呪文いい…!正に胸にキューンと来たよ!」


 何故か、笠原さんにはドンピシャだったらしい…。


「あれ?芽衣子ちゃんは、何のマークを書いてくれたの?」


 笠原さんがハートのマークを書いていたから、てっきり芽衣子ちゃんもハートを書いているかと思ったのだが、オムライスの上に描かれたなんとも言えない形のマークを見て、俺は首を傾げた。


「ホントだ。なんだろ?萎んだ風船の形みたいな…。あっ。分かった!前方後方墳形?」


「違うよぅっ。普通にハート形だよぅっ!」


 笠原さんにもそう言われ、芽衣子ちゃんはガーンとショックを受けた様子で涙目になっていた。


「「こ、これが、ハート形…。」」


 俺と笠原さんも少なからずショックを受けた。


「ええー。そんなにひどいかなぁ。桃型だったら練習したから上手なのになぁ…。ホラッ。」


 芽衣子ちゃんは、別のお皿の上に葉っぱ付きの桃をケチャップで書いた。


 確かに桃に見えるし、上手だった…。


「ほ、ホントだ…。」

「ほぼ同じ形なのに、何ならこっちのが難しいのに何故…?」


 俺と笠原さんは首を捻るばかりだった。


「ま、とにかく芽衣子、文化祭までに、ハート形も書けるように練習しようね…?」


「はーい。文化祭までに桃だけでなくハートも上手に書けるようになるから、

 京先輩、文化祭ではクラスに遊びに来てくださいね?」


「え?あ、ああ…。も、もちろんだよ…!」


 とびきりの笑顔でそう言われ、俺はドキッとした。

『桃だけでなくハートも上手に書けるようになるから』という芽衣子ちゃんのその言葉に、何だか特別な意味が込められているように深読みしてしまったのだ。


 その後食べた、オムライスとホットケーキがメチャメチャ美味かった事は、言うまでもない…。


*あとがき*


いつも読んで頂きまして、ブックマーク、いいね、評価下さりありがとうございます。

次回から、文化祭編に入ります。それぞれのシーンや仮想のシチュエーションのAIイラストをみてみんに多数投稿する予定ですので、よければご覧下さいね。


今後ともどうかよろしくお願いします

m(_ _)m

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