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Magicians Circle  作者: ransu521
体育祭編
96/309

あなたはそうしますか

さてさて、化粧は簡単に済ませて、続いてはクリ○ーを倒す時が来た。

一之瀬はどうクリ○ーを倒すのだろうか……。


「……これって、倒さずに行くのも可能ですか?」

『もちろんです!要はここを抜け出せればそれでいいんですから』


……へぇ、そんなルールだったんだ。

にしても、コース中に埋まっているクリ○ーを避けて進むのは、まず不可能なんじゃ……。


「……我が足を極限までに強化せよ」


一之瀬はポケットより携帯を取り出して、詠唱する。

……ここで足を強化する方法に出たか。

そして、少し後ろに下がり、思い切り飛んだ。


「うぉ……」


傍から見れば、空飛ぶお姫様って感じ。

……幻想的(?)な光景である。


「なるほど……そういう方法もあったか。だけど、私は敢えてクリ○ーを踏んで行くわ!」


一之瀬の隣のコースで走る女子は、クリ○ーを一匹一匹踏みつぶしながら進んでいく。

踏まれる度に、『ふぎゃっ!』とか『ぴぎっ!』とか聞こえるのが……地味に嫌だ。

他の二人もそうして進んでいる。

だが、クリ○ーを飛び越えた一之瀬の方が、遥かにスピードは上だった。

気づけば、お茶をコップの中に入れ終えているのだから。


「このままいけば、一之瀬がトップでゴール出来る!」

「けど、最後には問題の変態が……」

「……こっちにも変態がいるけどな」


俺は隣を指さしながら、そう言う。

そこには……コース上にいるやつと同じような目をした晴信がいた。

なんか、『ハァハァ』と荒い息遣いをしながら競技場を見ている。

……正直、他人のふりをしたくなる光景だ。


「……医務室に運んでこようかな」

「ショック療法って手もあるよ」

「だな……一発殴って気絶させるのもいいか……」


とりあえず俺は晴信の脳天をチョップする。


「ぐわっ!」


喰らった晴信は、バタッとその場に崩れ落ちた。

……よし、これで変態の処理は完了したな。

ま、一之瀬の方はどう処理するのかは知らないけど。


「お嬢ちゃん……俺と一緒に、やらないか?」


……ダイレクト攻撃だ。

こいつ、目が狂ってるだけじゃなくて、脳内も狂ってやがる。

ていうか、ピンク色だろ、間違いなく。


「やりません」

「!!」


一之瀬は軽くそう男に言い放つ。

瞬間……男は白くなり、化石化する。

ああ……ああいう逃げ方もありなんだ。

間髪いれずに言葉を挟むって言い方もありなのね。

しかも、一之瀬のような、一見静かそう(実際に静かな方なのだが)少女に言われる程、きついものはないものね。


「……失礼しますね」


一之瀬はすっと横を通りすぎる。

すげぇ……たった6秒で決着つけちまったぞ。

遅れてきたやつらの方は、


「い、いやよ!」

「そんなこと言わないでさぁ~、おじさんとエクスタシー感じちゃおう?」

「は、離しなさいよ!」


などと、捕まっていたり、


「ふむ。男には興味はないのだがな……」

「まぁ、そんなこと言って……男装してるんだから興味はあるんじゃないの?」

「男に興味があって男装してるわけじゃないからな。それよりも、私は美しい者に惚れるタイプなのでな……」


などと、勝手に自らの価値観を説明していたり、


「あ、あの……」

「や、ヤバいっす……僕もう耐えられないっす!」


言葉の圧力に耐え切れなくなって泣きそうになっていたり。

色々とカオスな状況に置かれているようだ。

そんな中で、


『おっと!他の選手三名が悪戦苦闘している中、第四コースの選手が何と一位でゴールイン!!』


……一之瀬が一位でゴールインしていた。

これで、俺達赤組に点数が入ったことになる。














……ちなみに、他三名は、男達の所で戦線離脱した。















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