夕食の終了
夕食は、凄く騒がしいものであった。
アイミーに晴信が迫ってきて、それを葵と俺の二人が全力で阻止したり、
「死にさらせこの変態!!」
「アイミーンさんに近づかないで」
「そげぶ!!」
右手を虚空に突き出しながら、倒れていく晴信を見て、
「はっ……イイザマね!!」
「なんだと……北条!!」
北条が晴信に喧嘩売ってきたり、
「ハハハハハ!愉快で結構だ!」
「……アイミー、済まないな。俺達の日常は、こんな感じで騒がしいものなんだ……一部だけだけと」
鬱陶しいと思ってるかもしれない。
気になった俺は、アイミーにそう尋ねてみた。
すると、アイミーが笑いながら、
「そんなことないですよ。これ程楽しい1日は始めてですから」
「……そう言って頂けると、助かる」
よかった。
アイミーは喜んでいるみたいだ。
「……瞬一」
「なんだ?大和」
ここで大和が、俺に話しかけてきた。
「そろそろ料理もなくなってきたし、お開きの時間かな?」
「……そうだな。楽しいことは早いものだな……んじゃ」
「ちょ~っと待った!!!!」
俺がお開きの言葉を言おうとしたその瞬間。
突如晴信が叫び、俺の発言を遮った。
「どうした?晴信」
「……お前達は何も分かっちゃいないな。この場はどういった場所だ?夕食会の場所だろ?俺達はお客様としてここに呼ばれてるってわけだ。それでいて俺達は何故何もしない?」
「……何もしなくていいじゃねえか、別に」
夕食会はもうじき終わるんだ。
充分騒いだはずなのに、これ以上何をすると言うのだろう?
「……忘れては困るぜ。旅行で必ずやることと言ったら何だ!!」
「……そんなものあったか?」
「みみっちいやつだな、お前。そんなんだから、立てたフラグが全部折れちまうんだぞ?」
「……」
コイツ、喧嘩売ってるのか?
売ってるとしたら、買ってもいいのか?
俺はこういう時にとるべき態度を知らないからな……。
「心配いらないさ。そんな顔しなくても、答えは教えてやるからよ!」
俺はそんな顔をした覚えはない。
「答えはこれだ……王様ゲームだ!!」
「却下」
「否定早!?」
まぁ……このメンバーでそんなことやってしまったら、カオスな場になること間違いなしだし。
それに……とりあえず今は風呂に入りたい。
「というわけで、却下」
「そんなぁ……」
落ち込む晴信。
……まぁ、それはまた今度な。
アイミーにそんな遊びをさせるわけにもいかないし。
……本物の王様もいるしな。
「それじゃあ、これでお開きですか?」
「だな。そういうわけで、一旦ここで終わりにしよう」
俺が勝手に決めてもいいかは知らないが。
一応……というか、国王に確かめておこう。
「あの、夕食の方はこれでお開きにしてしまってもよろしいでしょうか?」
「構わんよ。こんなに楽しい夕食は初めてだった。ありがとう」
「!!いえ、どういたしまして!!」
まさかそう言われるとは思ってなかった……。
「それじゃあ、シュライナー。この者達に風呂の在り処を教えてやってくれ」
「畏まりました」
シュライナーが国王に向かって一礼すると。
「それでは皆様方。浴場の方へご案内します。私の後についていってください」
「えっと……片づけとかはいいんですか?」
空がそんなことを尋ねる。
するとシュライナーは、
「大丈夫です。私達が後でしますし、使用人は他にもいますから」
「さ、さすがは一国の王の住む城……規模が違うぜ」
晴信は呟いていた。
「それじゃあみんな……手を合わせて」
俺の声に合わせて、全員が手を合わせる。
……ふむ、アイミーと国王も、日本のことはやはりある程度知っているようだな。
「それじゃあ……」
「「「「「「「「「ごちそうさまでした!!」」」」」」」」」
こうして夕食が終わり、俺達は風呂に入ることとなった。