表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Magicians Circle  作者: ransu521
水の都グレイブスタン王国編
70/309

国王に謁見

料理は……とにかくうまい。

何だよ、この料理。

今まで食べたことのないような味ばかりだ。


「う、うまい!」


晴信なんか、頬を落としそうだ。

口にはしていないが、一之瀬と空も、料理をうまそうに食べていた。


「瞬一!このお肉、とってもおいしいよ♪」


先ほどから笑顔でそんなことを伝えてくれるのは、隣に座っている葵だ。

隣でフォークに肉を差しながら、俺にさし出してくるのだけはやめてくれ……。

何というか、シュライナーがそばで見てて、笑いをこらえているのが見えるから。


「……シュンイチも罪つくりな男ですね」

「何言ってんだよ、お前」


挙句の果てには、意味の分からないことをおっしゃるほどだ。

……シュライナーよ、それはどういう意味だ?


「や、大和君……こっちの野菜炒めなんか……ど、どうかしら?」

「うん。どれどれ……」


大和は、北条に勧められたものに箸を伸ばし、食べる。


「……うん。おいしいね」

「本当?!よかった……」


よかったも何も、作ったのはここの城の料理人だぞ?

なかなかに謎なことを言ってくれるな、コイツは……。

その時。

コンコン、と食堂のドアをノックする音が聞こえてきた。


「お嬢様とレイブン様がお見えになりました」

「分かりました。通してください」


外から声が聞こえてくる。

その通知は、アイミーと国王がこの食堂にやってきたことを意味していた。

……いよいよアイミーに会えるのか。

久しぶりだし、どう挨拶しようかな……。


「では、入ります」


ギィッと、重い扉が開かれる。

そして、そこから入ってきたのは。


「……うわぁ」


目を輝かせて、たった今入ってきた少女を見つめる葵。

他のみんなもまた、その姿に見入っていて、晴信なんか、


「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!みなぎってきますぞぉおおおおおおおおおお!!」


何か、どっかの戦国武将みたく、みなぎっていた。

あの大和でさえつい振り向いてしまった程だった。

まずは国王について述べてみよう。

結局若い感じであり、見た所、50代前半と言ったところだろうか。

あごひげが少々伸びており、瞳の色はスカイブルー。

髪の色はアイミーとは違い黒。

右手には、王の印なのかは知らないが、杖らしきものを握っていた。

赤いマントを羽織り、その下には黒いスーツらしきものを着ていた。

対するアイミーの方はと言うと……。


「……綺麗だ」


一言で言うならば、綺麗。

派手すぎない白のドレスを着ていて、身に付けているものも最低限のものまでで抑えている。

首に掛けてあるネックレス、濃すぎない化粧……と言うか、化粧なんてしてるのか?

とにかく、その姿は、見た者を虜にするような……そんなものであった。


「……あれ、あの国王。展望台で見た人に似てない?」


小声で耳打ちをしてくる葵。

……そう言われてみればそんな気もしなくもないが、


「でも……なんか少し違う感じがしないか?」

「……うん」


あっちは何だかふざけたような感じを出すのに対して、目の前の国王は、真面目と言ったような感じだ。


「本日は我が国に来てくれて、本当にありがとう」

「いえ、どう致しまして」


座っていた椅子から立ち上がり、俺は国王に頭を下げる。


「……よく出来た男だな。さすがはゲンザフロウが認めた生徒なだけはある」

「……校長とは面識があるのですか?」

「若い時には、ゲンザフロウに助けてもらったことがあってね……その話は追々していくことにしよう」


ガタッと言う音を鳴らし、国王は椅子を引く。

そして席についた―――大和の斜め右隣に。


「つまり俺の左隣はアイミーってわけか」

「なぁ……改めて言わせてくれ。お前、羨ましいぞ」


そうは言われても……なぁ?


「時間を裂いてしまって申し訳ない。では、夕食の方を続けることにしよう」


その国王の言葉を聞くと、アイミーは席に着く。

俺も、立っている状態から座り直して、それが合図となったのか、夕食は再開した。
















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ