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Magicians Circle  作者: ransu521
秘草探し編
55/309

魔物達との戦い

最初に動いたのは、佐々木であった。


「舞え、疾風の刃。その刃を以て、斬り裂け!エレメンタルカット!!」


佐々木が携帯を取り出して魔術を発動させる。

瞬間、風に乗って様々の種類の葉が、勢いよく魔物の体を斬り裂く。


「ギャッ!」

「グゥッ!」


魔物はそのままその攻撃を受け、気絶するものもいた。

その瞬間に、瞬一達は見た。


「あれ……魔物から、何か抜けてってるぞ」

「これは……魔物にかけられた魔術が抜けてるんだ。きっと、気絶やら何やらをすることで、魔術が抜けてしまったのだろう」


大和の冷静なる分析に、瞬一達は一瞬だけ感銘を受ける。

だが、目の前の敵を倒さないことには、話が始まらない。

瞬一もまた、詠唱をする。


「ここに宿りし力は、断罪の雷。彼の者に安らかなる眠りを……サンダーブレード!!」


右手を地面に叩きつける。

瞬間、その辺りを中心にして魔法陣が展開され、


「うわぁ……」


雷撃を帯びた剣が、地面より何本も出現し、魔物の体を貫いてるように見えた。

だが、実際にはその剣は貫いているわけではなく、腹を思い切り殴っているだけだった。

本来なら貫くはずのその術は、無意識のうちに瞬一の中で手加減というのが行われていた。

原因は恐らく、空の言葉だろう。


「遥かなる大地よ。我にその力を貸せ!」


その空は、詠唱を終えた後に携帯を地面につける。

スパイラルナックル―――地面から根っこが出現し、回転しならが相手を思い切り吹き飛ばす技だ。

クマとの戦い時に使用した時よりも、若干小さめにも見えなくはないが、その威力は十分だった。


「……!!」

「おっと」


その時、大和は空中からの奇襲にあった。

先ほどの鳥みたいな魔物が、上空から突っ込んできたのだ。


「風を纏いし我が剣よ、我の呼びかけに答え、その姿を具現せよ!」


大和は、携帯をポケットから出さずに、魔術を詠唱する。

魔物相手に、自分の戦術は使用しても意味がないことを悟ったからだ。

そして、何もない空間より剣を取り出すと、その剣の刃のついていない方……すなわち峰を使い、


「てやぁ!」


ドン、ドン。

魔物を一匹ずつ、確実に気絶させていく。

決して、刃を返して斬ることはしない。

なぜならこの戦いは。

自分の命を守るのと同様の意味として……魔物達の、いや、動物達を救う戦いでもあるからだ。


すいを纏いし精霊よ、その慈愛の水にて願わくば彼の者を邪悪の意思より救わん!」


葵が、精霊を呼ぶ呪文を詠唱する。

すると、葵の目の前に、青い精霊が現れた。

その精霊は、右手を前に突き出すと、水なんか存在しない所から水があふれ出てくる。


「アクア!私に力を貸して!!」


その葵の言葉をしっかりと聞いていたかのように。

アクアと呼ばれたその精霊は、魔物達のほとんどを、その水によって包み込んだ。

するとどうだろう。


「……?」


その場所にいた魔物は、魔術が解けて元の姿に戻っているではないか。


「さすが……葵ってすごいや」


瞬一は、その様子を近くで見ていたのだが、思わず手を止めてしまうほどの光景だった。


「へへ……やっぱり葵の力は凄いな」


瞬一は、驚くような、感心するような顔でそう頷いて見せた。

それと同時に、役目を終えたはずの水がまだ残っていることに気付いた。


「!そうか……春香の魔術か」


大和は、敵を峰打ちで仕留めつつ、そう呟いた。


「葵さん……この水、使わせて頂きます」


すると、その水は頭上で塊と化して、浮き上がる。


「アクアインパクト!!」


一之瀬は、その塊を魔物の群れに落とした。

中心に落ちたそれは、その場所で破裂して、その周囲にいる魔物を包み込んでいく。

だが、包みきれていなかった魔物が、一之瀬目掛けて飛び付いて来た―――!!


「!?」


咄嗟に目を閉じてしまう一之瀬。

だが、痛みはやってこなかった。


「?―――!?」

「させるかよ……!!」


いつのまにか刀を取り出していたのか。

刀で相手の攻撃を防いでいる瞬一の姿が、そこにはあった。


「佐々木、今だ!」


近くにいた佐々木に対して、瞬一はそう叫ぶ。

佐々木は、言われると同時に、呪文の詠唱を始めた。


「我らに味方せし自然よ、彼の者に制裁を与えよ―――リーフランス!!」


瞬間。

佐々木の頭上に、葉で出来た槍が出現する。

そして……。


「ふぎゃっ!!」


それは魔物の腹部に当たる。

その魔物は、佐々木の攻撃を受けた影響で、気絶した。

そしてこれが最後の攻撃となり、瞬一達の周囲にいた魔物達は、すべていなくなったのであった。
















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