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Magicians Circle  作者: ransu521
秘草探し編
49/309

何か挟まれてるんですけど

「ふぅ……」


この年で山登りするとは思ってなかったからな。

地味に大変だな。


「しかし、これかソージの葉か」


先生に渡された写真を見て、佐々木が呟く。

色が、とても緑とはほど遠いような、黄色の葉っぱ。

形は細長く、周りがギザギザになっている。

こんな葉っぱをつけてる木なんてあるのかね……。


「奥まで行かないとないって、先生は言ってなかったっけ?」


佐々木が尋ねる。


「ああ。確か、山奥に生えているのがこの木の特徴だな」

「じゃあ……しばらく山登りは続くということになるの?」


葵が、首を傾げながらそんなことを尋ねてきた。

俺はこう答える。


「まぁ……そうだろうな」

「マジかよ……奥に行けば行くほど、魔物の数が多くなったりするんじゃねえのか?」

「だね。魔物はこういう場所を好むって聞くからね」


晴信の問いに、大和が答える。

しかし……何で大和はそういう情報を知ってるんだ?


「博識の大和君……素敵♪」

「そこ、危険だから」


晴信が、思わずそうツッコミを入れていた。

いやはや、俺もそうは思ったが、コイツには言うだけ無駄だしな。

無視する方向で行こう。


「あの……」

「ん、どうした一之瀬?」


おずおずと俺に話しかけてきた一之瀬。

でも、このタイミングで何を尋ねる?


「魔物……出てきてるのですが」

「「「「「「……え?」」」」」」


大和と一之瀬を除く六人の声が重なる。

恐る恐る後ろを振り向いてみると。


「……」


凄くでかいクマらしきものがいました。

口元からはよだれが出ています。

今にも、『お前らみんな、食べてやる』的な表情見せてます。


「……でたぁ!!」

「落ち着けお前ら!ここは落ち着いて死んだふり……」

「クマの前で死んだふりしたら、間違いなく食われるぞ」


あの知識は、確か間違いだってこないだテレビでやってた気がする。

正しい判断は、クマの方を見ながら、そっと後ろに下がっていくだったっけ。


「みんな、クマの方を見ながら、一歩ずつ、慎重に後ろに下がっていけよ」


俺は、とりあえずみんなにそう指示を出す。

言われた通りに、みんなは後ろに下が……らなかった。


「どうした?」

「……悪い、瞬一。お前の判断は正しいとは思うけど、無理だ」

「どうしてだ?」


晴信が変なことを言ってくる。

俺にはさっぱり分からない……。

このまま逃げないと、このクマに襲われて怪我をする危険がある。

だからこの場から立ち去ろうと……。


「う、後ろからもクマが……」

「……何?」


空が後ろを見ながら呟く。

見ると、いつの間にかそこにもクマが待ち伏せしていた。


「挟まれた!?」


いつの間にか、俺達はクマに挟まれていた。

……もとい、クマの形をした魔物に。


「これは……絶体絶命って奴か」

「どうする?このままだとクマに襲われるが落ちだけど」


大和があまり困ったような顔をしないで答える。

それでも、全然困ってないと言ったような表情でなく、さすがに焦りの色が見えていた。


「気は進まないが……こいつらと戦う他ないな」


佐々木が身構え、そう言う。


「待ってくれ。ここは俺に任せろ」

「それじゃあ、私も手伝います!」


俺が進んで出ると、空が手伝うと言ってきた。


「空……空は見ててくれ。怪我しちまうぞ」

「大丈夫ですよ。自分の身は自分で守る、ですよね?それに、私も瞬一さんの役に立ちたいですから」

「……分かった。それじゃ、他の奴らは少しばかり見ててくれ」


俺と空は、戦闘態勢に入る。

空はポケットより携帯を取り出す……科学魔術師だったのか。

他のみんなは、なるべく戦闘の邪魔にならないような場所に行く。

そして……クマとの戦いが、始まった。















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