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Magicians Circle  作者: ransu521
秘草探し編
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啓介の頼み事

学級委員の会議が終わった後、俺は佐々木のことを呼んだ。

まさか佐々木啓介がB組の学級委員にまで上り詰めているとは。

ていうか、Bに入れたんだ。


「よぉ。お前は確か、クラス分け試験の時に戦ったよな?」

「お前は……三矢谷瞬一!」

「覚えてくれてたのか。嬉しいなぁ」

「いやいや、よく呼び出されているし、なんとなく分かるって」


俺ってつくづく、負の意味で有名になってるような気がしてならないのだが。

これも、校長が俺のことをしょっちゅう呼び出してるからに違いない。


「それにしても、お前よくBに入れたな」

「ああ……あんな無様な最後を遂げたにも関わらず、このクラスに入れたのが奇跡だよ」


多分こんな奇跡はもう起こることはない。

俺はそんなことを考えていた。


「それにしても、入院したんだって?」

「ああ。やっぱりBでもその話は出てたか」


一生徒が入院したって話をせんでもええっちゅうに。

同じクラスの奴が知ってればそれでいいんだから。


「怪我の方は大丈夫なわけ?」

「それなら心配いらねえよ。何せ腕のいい医者に診てもらったから、完治するのも早かったってわけよ」


そういうわけでいいんだよな?

普通なら何週間も入院生活送る羽目になりそうな怪我でも、たった一週間で行けるようになったのは、治療してくれた医者のおかげだ。


「んじゃ……怪我も治っているって言うなら、頼みやすくなった」

頼みやすくなった?

何の話をしてるんだ、こいつは。


「お前の実力を見込んで、頼みがあるんだけど」

「頼み?」


頼みってなんのことなのだろうか。

……まあ、クラス分け試験の時にはお世話になったわけだし(的として)、話は聞いてやるか。


「俺に出来ることなら協力はするけど」

「本当か!?」


啓介が嬉しそうな顔をする。

どんな話になるのかは知らないけど、とりあえず話を聞いてからだな。

けど今は……。


「この言いようもない怒りのオーラから逃れたい……」

「……(`o´)」


顔文字変わってるし。

てか、こいつは感情を顔文字にして表すのが趣味なのか?


「とりあえず、場所を移してから話そう」

「……あまり多くの人には聞いてもらいたくないし、俺も賛成だ」


と言うわけで、俺と啓介の意見が一致した為、速攻会議室を出ることにした。


「ちょっ……ちょっと!?」


何か北条が言いたそうだったが、無視無視。















「ここなら大丈夫だろう」


来た場所は、屋上。

この場所は、意外と生徒が来る確率というのが少ない場所なのである。

原因は、ここが立ち入り禁止区域ではないことにも繋がっているのだろう。

何だか、禁止っていわれると人間ってやりたくなる生き物じゃね?


「……まぁ、そんなことはともかくとして?」

「え?」

「何でもない。こっちの話だ……それで、頼みたいことっていうのはなんだ?」


俺は佐々木にそう尋ねる。

すると佐々木は、こう前置きを置いた。


「……アンジック病って病気、知ってるか?」

「アンジック病?……ああ」


そういえば、そんな名前の病気を聞いたことがある。

あれは確か、俺がちょうどアイミーの護衛をしていた時に、校長から聞いた言葉。

ていうか、校長がかかっている病気そのものだったはず。


「通常、魔術師というのは生命力を魔力に変換して魔術を使う。でも、魔術を使用した後、しばらく時間が経てば、普通だったら生命力は元に戻る……けど、アンジック病患者は、それが出来ない」

「なるほど。魔力を練成出来た所で、それを使っちまえば生命力まで消えちまう。それがアンジック病」

「そして、症状が進行すると……魔術を使用できなくなる程までに体が弱る」


校長がかかっている病気というのは、そこまでやっかいな物だったとは。

でも、それとこれとで、どういった関係があるんだ?


「なぁ、お前が言いたい用件っていうのは……」














「……実は、俺の幼馴染が、その病気にかかってるんだ。治す方法とかを、知らないか?」















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