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Magicians Circle  作者: ransu521
秘草探し編
42/309

久しぶりのアイミーとの会話

「アイミー!元気だったか?」


久しぶりのアイミーとの会話に、若干テンションが高くなる俺。

それは相手も同じみたいで、先ほどからアイミーは、落ち着きがないようだった。


『私は大丈夫ですよ!……シュンイチの方こそ怪我は……』

「俺の方は完治した。だからこうして電話に出れるんじゃないか!」

『それもそうでしたね……よかった』


電話の向こうでも、明らかに心配してくれていたような雰囲気が伝わってくる。

何というか……人に心配してもらうのって、ここまで気分がいいことだったんだな。


「俺のこと心配してくれてたのか……」

『……少しばかり、怪我をさせてしまった責任が、私にもありますから』

「いやいや、お前に責任はねぇよ。俺はお前を守りたかったから護衛役を引き受けたんだ。だから、怪我しちまったのも、俺の責任だって」

『……そう、ですか?』

「ああ。だからお前はちっとも悪くない。そうやって自分を追い詰めるな」

『は、はい……』


な、何だか空気が重くなったな。

これは、何か新たな話題を振ってやらないと、この空気は打破出来ない。


「ところで、何で今日は電話してきてくれたんだ?」

『え?あ、はい。実はですね……』


アイミーは、そうして前置きを置く。

一体どんな話がくるのだろうか。


『父上があなたと一度、お話がしたいそうで』

「へぇ~それって今この電話で?」

『いえ、会って直接……とのことです』


……あ~なるほど。


「それって、日本で言うところのゴールデンウィーク中に、グレイブスタン公国に招待してくれるって話のこと?」

『知ってたんですか?』

「ああ。校長からおおよその話は聞いた」

『そうでしたか……それじゃあ……お見合いの件も、ですか?』


……はい?

おみあい?


「お前……見合いするのか?」

『はい……そうみたいです』

「あ、相手は?」


あ、アイミーが見合い……。

さすがは一国の王の娘。

きっと、その規模も違うんだろうなぁ。


『相手は……あなたです、シュンイチ』

「へぇ~シュンイチって奴か~。そいつはえらい幸せ者……って俺か!?」

『は、はい!!』


俺が突如叫ぶものだから、アイミーが驚きの声をあげる。


「ああ、すまん。つい叫んでしまった……しかし、見合いか。こんな一市民である俺と、一国を束ねる王の娘……合わなすぎるだろ」

『そういう問題じゃありません!こういう話に、身分などは関係ないものです!』

「……まぁそうだけどよ。てか、その見合い話、俺が校長から聞いた時には言ってなかったぞ」

『私の国に招待するって言ってた時、お父様が源三郎さんに言ったはずなんだけど……』


……謀りやがったな、校長。

俺が校長の方を見ると、厳格そうな顔はしているものの、口元がにやけていた。

いくらなんでもそりゃねぇよ。


「これ……ドッキリだったりする?」

『ドッキリなんかじゃありません!』

「ですよね~……俺も大変なことに巻き込まれたものだ」

『私とのお見合い……嫌、ですか?』

「うっ!」


これ、きっと電話越しにじゃなくて、直接話していたとしたら、多分上目遣いで尋ねてくる所だぞ?!。

それに、多分涙目だから、効果は抜群だ!!


「いや、俺としては嬉しい限りなんだけどな……お前のような綺麗な女の子とお見合い出来るなんてな」

『き、綺麗だなんて……そんな……』

「ただ、グレイブスタン公国の王女って言ったら、それなりの地位なわけだし、国民達からも結構好かれていると聞く。そこに俺のような奴が突如現れたら……目線が痛い」


葵と会話していた時にも感じたあの目線が。

今度は大人数のものを感じる羽目となるのかもしれない。

……それだけは、どうしても回避出来ないことかもしれないなぁ。


『大丈夫ですよ!……多分』

「多分かよ」


そりゃそうだよな。

そんなの、行ってみないことには分からないわけだし。


「ま、その日が来るまで楽しみに待ってるとするか」

『私も、シュンイチと会える日を楽しみにしてます!』

「それじゃあな、アイミー。また会おうな」

『はい、シュンイチ!また会いましょう!』


その言葉を最後に。

俺はアイミーとの電話を切った。
















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