新たなる弄り相手の発見
いや、タイトルぶっちゃけあまり関係ないですからね?
あー憂鬱だ。
何で俺が学級委員なんかやらなきゃなんねぇんだよ。
俺だって色々用はあるんだぞ?
例えば……例えば……。
……あれ、ない。
思い当たる部分が、俺にはない。
……なんだ、俺、暇じゃん。
いや、一つだけあったな。
『魔術格闘部』という部活に所属していることが。
「三矢谷瞬一……ね?」
「あ?ああ、そうだけど?」
その時。
俺は、見知らぬ人物に声をかけられた。
えっと……どちら様で?
「私はあなたと同じで学級委員に選ばれた、北条真理亜よ」
「ああ……あんたが学級委員に選ばれたっていう、女子か」
ふむふむ。
金髪で釣り目。
……うん、こいつは間違いない。
「ツンデレだな」
「……死にたいの?」
「すいません」
人殺せるオーラが纏われた所で、俺は間髪いれずに謝った。
行動が速かったおかげか、すぐにそのオーラは消え去ってくれたが。
「まぁ……大和君の友人ということもあるから、今回は許してあげるわよ」
「はぁ……ん?」
『大和君の友人』?
何故俺は呼び捨てフルネームで、大和だけ君づけ?
……まさかとは思うけど。
「お前、大和のことが好きだったりする?」
「なっ!そ、そんなわけないでしょ!!」
ですよね~。
こいつ、完璧にツンデレタイプだな。
「何?死にたいの?」
「滅相もございません」
うん。
こいつも俺の遊び道具第二号に任命しよう。
何というか……大和のことでネタを出してみたら、即効で面白い反応をしてくれそうだ。
「何か変なことを企んだりしてないでしょうね?」
「いや、面白いことなら企んでたけどな」
「あんたね……!!」
と、北条が何か反論を述べようとした。
その時だった。
ブゥウウウ!という音と共に、こんなアナウンスが聞こえてきた。
『二年S組三矢谷瞬一。二年S組三矢谷瞬一。至急、校長室に来るように!』
……また俺かよ。
今度は何の役目が回ってくるっていうんだ?
「そういうわけだから……今日の学級委員の話し合いは、お前一人で何とかしてくれ。んじゃ」
「あ、ちょ、ちょっと!!」
何か言いたげな北条を教室に置き、俺は校長室へ向かうことにした。
「君を呼んだのは他でもない」
「……あの、いきなりそんなこと言われたところで、誰も校長の言ってること理解出来ないと思うのですが」
「失礼。一度この言葉を言ってみたかっただけだ」
「はぁ」
大丈夫か校長!?
この数日間で一体何があったというんだ?!
「まぁ、相手が長く待っておる」
「相手が待ってるって、どういう……?」
「とにかく、この受話器を受け取り、話をするがよい」
そう言って校長が差しだしてきたのは、置き電話の受話器だった。
……誰からの電話だ?
それに、校長室の電話にかけられた上での、俺への用件?
……さっぱり分からない。
「……もしもし?」
とりあえず俺はその受話器を受け取り、恐らくその先にいるであろう人物に向かってそう言葉を発してみる。
すると、向こうからはこんな声が返ってきた。
『お久しぶりです!シュンイチ!!』
……え。
この声って、まさか。
もしかして、もしかしなくても……。
「アイミーか!!」
『はい!!』
その電話は、アイミーからの物だった。