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Magicians Circle  作者: ransu521
学校破り編
35/309

大和vs学校破り

「ここなら、誰も邪魔は入らないし、巻き込む危険はないよ」


二人と一同がやってきたのは、闘技場。

この場所なら、確かに他人の介入に遭うことはない。

流れ弾が当たって、他人に迷惑をかけることもない。


「戦う前に、君の名前を教えてもらいたいんだけど……駄目かい?」

「……名前は、この勝負で俺が負けたら教えてやる。弱い奴に教える名前など、俺は持ち合わせていないからな」

「うっ……」

「……気にするな、小野田」


激しく落ち込む小野田を、何故か横に座っていた晴信が慰めていた。


「そうか……なら、僕の名前も名乗らないことにするよ」

「……気に食わないな。昔の俺の友人にそっくりだよ」

「……僕もそんな気がするよ。きっと戦ったら何か思い出せるかもしれないよ?」

「そうだといいな……」


二人の間に、緊迫した空気が流れ始める。

一触即発。

触れた瞬間、その者は邪魔者扱い……いや、それ以上の扱いを受ける。

先手必勝。

しかし、二人は未だに動こうとはしない……否、動けない。

油断大敵。

二人は互いの能力の違いを知ってはいない。

千差万別。

違いはあるはずだが、何の行動も起こしていない二人にとって、最初に手を出すのは自殺行為となる。


「埒が明かないな……」


その内、晴信が鎮まった闘技場内にてそんな一言を発する。

それが、きっかけとなった。


「「……!!」」


二人は同時に動き出す。

目指すは、互いの体。


「「風を纏いし我が剣よ、我の呼びかけに答え、その姿を具現せよ!!」」

「なっ……!呪文の詠唱文が同じ!?」


大和は、ポケットより携帯……いや、偽の携帯を取り出して詠唱をするふりをする。

対して学校破りの方も、ポケットより携帯を取り出して、剣を発動する術式を詠唱した。

しかし、その詠唱文が、まったくもって同じなのである。

通常、詠唱文というのは、確かに基本となる文章は存在する。

だが、そのほとんどが学んでいく最中で詠唱文が変わる。

何故かというと、詠唱文には、その人の性格・特徴等が関わってくるからだ。

なので、同じ過程を歩んできた人間か、よほど気が合う人間でもない限り、詠唱文など同じにはならないのである。


「てやぁ!」

「ハァッ!」


ガキン!と、剣同士がぶつかり合う音がする。


「何で呪文の詠唱が同じなんだ……!」

「知るか、たまたまだろ……!!」


力を込めて、互いの剣を振り払う。

そして、もう一度、打ち合う。

再び、ガキン!という音が響く。


「大地の怒りに答え、永劫なる風よ吹け!ストーム!!」


大和が詠唱を完成させた瞬間。

学校破りが立っている位置より、魔法陣が出現する。


「ちっ!」


慌てて学校破りは、剣を離し、魔方陣から慌てて離れる。

瞬間。


「うぉっ!?」


その場所から、かなり高い位置まで伸びた竜巻が現れる。

そしてその竜巻は、攻撃対象を逃して、消えなかった。


「……暗雲たちこめし空に繋がり、更にその威力を増せ!」

「万物を切り裂きし強大なる刃と化せ!!」


大和と学校破りは、それぞれの呪文を詠唱を行う。

そして、大和の方は雷を纏った竜巻を。

学校破りの方は風で出来た巨大な刃が。


「ハリケーン!」

「ウイングカッター!」


それぞれの技同士がぶつかり合う。


「うわっ!!」


二人より発せられる風が、観客席まで吹き荒れる。

魔術を防ぐ壁は、しかし自然現象である風だけは防ぐことはないのだ。


「……勝敗は!?」


土煙が舞っていて、何がなんだかよく分からないような状態となっていた。

前があまりにも見えなくて、二人がどうなっているのか、観客席からでは確認することが出来なかった。

やがて、その土煙が消え、視界を確保出来た一同が見たのは、


「「……」」


体に傷一つついてない状態でその場に立っている、大和と学校破りの姿であった。
















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