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Magicians Circle  作者: ransu521
学校破り編
34/309

一瞬でやられる男

Side晴信


「あらま……」


言われた所―――即ち玄関なのだが―――に行ってみると、そこには見知らぬ男子生徒がいた。

制服も見知らぬ学校のもの。

グレーで男にしては少し長めの髪。

瞳の色は、シルバーっぽいか?


「あれが噂の学校破り?」

「みたいだね……てか、学校破りって何だよ」

「道場破りの学校版でしょ?」


葵が俺に言ってきた。

まあ、そんなものだよな。


「あれ……あいつは……?」

「ん?知ってるのか?」

「……いや、何でもない」


大和が何かを思い出したかのような顔をしたが、あまりよく分からなかった。


「この学校に……風魔術を扱える奴はいないか?」

「風?」


ほほう、相手の希望は風魔術を得意とする魔術師か。

この時点で俺は候補から外れたな。


「大和、お前は候補に入ったな」

「そうみたいだね……でも、風魔術か」


どうして奴が風魔術を扱える奴を探しているのかは、この際置いておこう。

とりあえず、早く誰か名乗り出ろよ。


「んじゃ、俺が行こうかな?」

「……ん?あいつは……誰だ?」


何か、やけに顎が長い奴がいるのだが。

あんな奴、うちの学校にいたっけか?


「お前は俺と戦っただろ!小野田だよ、小・野・田!!」


言われても分からないな……。

……あ、俺のフレイムスパイラルに勝手に飛び込んできた馬鹿野郎か。


「それは思い出さなくてもいいから!!」


面倒臭い奴だな。

思い出せと言ったり、思い出さなくてもいいって言ったり。


「……話は終わった?」


シビレを切らしたのか。

学校破りの男子生徒が、俺と小野田にそう言ってきた。


「ああ。いつでもかかってきな!」

「そうか……それなら」


……この勝負、早くに終わってしまいそうだな。

なんというか、負けフラグ立ってるね、間違いなく。


「どっちが勝つと思う?」

「100%小野田が負けるで」

「俺も」


……全然支持されてないな、あいつ。


「ぐわぁ!」


……あ、目を離していた隙に、勝敗ついてた。


「……弱いな」

「僅か10秒で負ける奴とか、聞いたことねえよ」

「さすがは自殺王。相変わらずその自殺っぷりは健在だな」

「クラス分け試験で一番最初にぶっ飛ばされた男なだけはあるな」

「しかも、E組という微妙なランクになったしな」

「お前ら……五月蝿いぞ……」


倒れている小野田は、そうやって言葉を返す。

なんというか……見ていて悲しくなるって言うのはこういうことを指すんだな。


「にしてもお前、俺に負けてからそんな名前がついたんだな……えっと、岡田だっけか?」

「小野田だよ!!」

「悪い悪い。本気で忘れてた」


小野田には悪いが、こいつの名前、意外と覚えにくいんだよな。


「何だよこいつ……全然弱いじゃないか。他にはいないのか?」


さて……そろそろ大和の出番なんじゃないの?


「……ん?そろそろ僕の出番かい?」

「ああ。S組の実力、見せてやってもいいんじゃないか?」

「……そうだね。行くことにするよ」


そう言って、大和が学校破りの前に立つ。


「次の相手はお前か……」

「そうだよ。でも、ここで戦うのも迷惑になるから、場所を移そう」

「……いいだろう」


そう言って、大和と学校破りは、闘技場の方へと向かう。

ギャラリーの一同も(俺含めた)、その後ろをついて行った。
















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