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Magicians Circle  作者: ransu521
王女来日編
23/309

校長室への呼び出し

次の日。

パーティーでの疲れがあったせいか、昨日は凄く早めに眠りについた。

そのおかげで、今日の俺は爽やかな目覚めを迎えることが出来た。


「かつて俺は、これほどまでの目覚めを迎え入れることは出来ただろうか?」

「……な~にやってんだ、お前」


気分良く叫んでた俺に突っ込みを入れる、晴信。

えらく軽蔑のまなざしで見ている……気がする。


「いやぁ、今日はかなり目覚めがよかったからな。我ながらはしゃいでしまったというわけだ」

「あ~いつも眠そうな顔してるもんな、お前。朝弱いんだったな」

「そうさ!だから今日は、とってもいいことが起こりそうな予感がするんだよな!」

「さいですか……」


だから何でそんな憐れみな目で見るんだよ。

まぁ、今日の俺は気分がいいから、許してやるけどな。

その時。

ブゥウウウウウ!というブザー音が鳴る。


「こんな朝っぱらから?一体何があったんだ?」

「……ま、いいだろう。どうせ俺達には関係のない話だろうし」


まぁ、晴信の言うとおりだろう。

こういう場合の放送って、俺達とは関係のない、職員集会とかだったり、生徒会の集まりがあるから集合とか。

そういった、一般の生徒とは何ら関係のない話のはずだ。


『二年S組三矢谷瞬一、二年S組三矢谷瞬一。至急荷物を持って校長室に来るように!』


……関係ない話のはず、なのだが……。


「……今、俺の名前呼ばれた?」

「ああ。間違いなく呼ばれたな。三矢谷瞬一って言ってたな」

「……マジで?しかも荷物持ってって言ったよな?」

「ああ。間違いなく言ってたな。荷物持ってって言ってたな」


……あれ?

俺、学年上がって三日目にして、何か問題起こしたか?

いやいや、身に覚えがまったくない。

これは嘘だ。

誰か嘘だと言ってくれ!!

いや、某村のカナカナ言ってるやつは呼んでないけどな。


「……骨は拾っといてやるよ、瞬一」

「いや、俺まだ死んでないから!……これからどうなるか分からないが。とりあえず言ってくる」


もしかしたら、俺今日帰ってこれないかもしれないな。

先ほどまで気分よかったのに、一気にブルーに落ちた感じだ。















Side晴信


「おはよう、晴信」

「おお、おはよう……大和」


瞬一が教室を出た後。

入れ替わりのように大和が入ってきた。


「どうしたの?瞬一がカバンを持って走って行ったけど」

「ああ。校長室まで呼び出しくらったんだよ……ひょっとしたら、何か問題でも……」

「ふむ。なるほど……そういうことか」

「あん?何一人で納得してんだよ」


大和が、何かに気付いたような素振りを見せる。

それが何だか気になって、俺は思わず大和に尋ねた。

すると大和は、笑顔を崩さずに言った。


「昨日の瞬一の話、覚えてるかい?」

「ああ。アイミーンとかいう女の子助けた話だろ?それがどうかしたのか?」

「その名前に、聞き覚えは?」

「……ないな」


アイミーンなんて外国の名前。

俺が知ってるわけがないだろう。


「なら……グレイブスタンって言葉は?」

「それなら知ってるぜ?グレイブスタン公国の王女様が、確か今日の一時に日本政府と何かの同盟結ぶ為に来るんだろ?今朝もテレビでやってたぜ」

「……そして、アイミーンの下の名前は?」


アイミーンの下の名前?

確か……。


「アイミーン・グレイブスタン……!!」

「そう。恐らく彼は、アイミーン・グレイブスタンの護衛役に任命されたんだろうね」

「あいつが、護衛役に?」


にわかには考え難いが……いや、納得もいくか。

何せあいつは、王女様のことを一度助けてるんだぞ?

その王女様が、瞬一のことを信頼しないわけがない。


「……そういうことか。なら、あいつは今日は……」

「多分、教室に戻ってくることはないだろうね」


しかし、護衛役か……。

下手したら命落とす危険性もあるってもんだが……。


「……死ぬことだけはよせよな、瞬一」


俺は窓から空を見ながら、そう呟いた。
















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