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Magicians Circle  作者: ransu521
王女来日編
16/309

揃ってしまったメンバー

「それで、本題なんだけど……由雪迅には近づかない方がいいよ」

「は?」


突然何を言い出すのだろう、大和は?


「由雪迅は、去年からSクラスにいた人間なんだ」

「それは知ってる。昨日、俺の友達に聞いたから」

「そうか……彼は去年からずっとこんな感じなんだ。どうやら人が嫌いみたいで……触れようとすると、魔術を出してくることさえあった」

「!?」


魔術で攻撃?

それほどまでに、人と関わることを拒絶してるってのか?


「だから、彼はそっとしといてあげた方がいい。その方が、彼の為にもなるし……君の為にもなる」

「……納得はいかねえけど、理屈は分かった」


つまり、自分の身が可愛いと思ったのなら、由雪に接することをやめろ。

そういうことなのだろう。


「まぁ……気をつけることにはするよ」

「うん。それがいいよ」


とりあえず、本日一人目の会話相手は見つけた。


「とりあえず、これからもよろしくな。大和」

「こちらこそ、瞬一」


そうして俺は、自分の席につく。

ふと横を見てみると、


「……あれ」


幻覚、か?

何だか、あいつの姿が見えるような気がするんだけど。


「おう瞬一!」

「……幻聴だ」


あり得ない声を聞いた気がする。

うん、気のせいだ。

聞こえるはずがない声だもんな。


「お~い、現実逃避するのもいいけど、そろそろ戻ってきてもいいんじゃねえか?」

「……とりあえず、ジャッジメントスパーク撃っとくか」

「待って!そんなの撃ったら教室なくなる!俺死ぬ!」

「じゃあライトニングで……」

「術変えればいいって問題じゃねえよ!!」


まあ、冗談はここまでにして。


「さて。ここからが本題だ……どうして晴信がこのクラスにいる?」

「それがな、俺の予想通り……ミスだったってこと」

「……マジで?」

「マジで」


……奇跡だ。

この男は、こんなにも簡単に奇跡を呼び寄せられるとでも言うのか!?


「どうだ凄いだろ?」

「別に凄くはねえよ。ただ……お前、いくら払ったんだ?」

「金じゃねえよ!!」

「じゃあ……体か?」

「男の体なんか誰が欲しがるかよ!!」

「実は校長はそういう趣味……」

「あり得ねえよ!あの人奥さんいるじゃねえか!」


久しぶりに聞いたな。

晴信の連続突っ込み。


「……あ!」

「……お?」


少し遅れて入って来たのは、


「葵じゃねえか!」


葵だった。


「瞬一~!」

「うわっと!?」


突然葵が抱きついてきた!?

ちょっ……少し足りない気がするけど、それでも胸が……。


「……今、失礼なこと考えてなかった?」

「いいえ、滅相もございません」


即答した。

だって、葵から何やら黒いオーラが出てるんだもん♪

……『♪』つけた意味が分からねえ。


「中学以来の、三人全員揃いだな」

「だな」

「ところで晴信……いくら払ったの?」

「お前もかい!!」


葵までもが、俺と同じ質問をする。

ただし、俺の場合は若干冗談混じりだけど、こっちは素で聞いてるから、更に効力はでかい。


「もうここまでくると清々しいくらいだから、いっそのことS組に入れた記念でパーティーでもやるか?」

「面白そうだね!」

「やろうぜ!」

「それなら、僕も混ぜてくれないかい?」


そう言って俺達の所にやってきたのは、一旦別の集団の所で話していた、大和だ。


「大和君?」


葵の『君』付けは結構レアだな。

まあ、呼び捨てで呼んでるのは、俺と晴信、後は中学からの友達くらいだからな。

後は基本的に、『ちゃん』とか『君』をつけるのが、葵の特徴の一つである。


「大和?誰だお前」

「君は初めてだったね……僕は大和翔。宜しくね」

「ああ……宜しくな!」


爽やかに挨拶をする大和。


「ま、人が増える分には問題ないだろ」

「後……あそこで君達のことを見てる子なんてどうかな?」


そう言って大和は、とある方角を見る。

そこには、紫色の長髪の女子が、こっちを見ている光景があった。


「一之瀬!」


その女子は、紛れもなく一之瀬春香だった。


「え?三矢谷君……?」

「お前もSに入れたのか!だったら一緒にパーティーやろうぜ?」

「え?は、はい……」


顔を若干赤くさせて、一之瀬は頷いた。

ちょうどよいタイミングで、


「お~い、席につけ~」


このクラスの担任になるだろう先生がやってきた。
















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