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Magicians Circle  作者: ransu521
王女来日編
11/309

路地裏はいろんな意味で出会いがあります

「ふぅ……終わった終わった」


帰り道。

俺はそんなことを漏らしていた。


「さて、俺はどのクラスに所属することになるのかね」

「あんだけ大見えきって、結局またBだったりしてな?」

「不吉なことを言うな……案外当たりそうで怖い」


確かに、あれだけ宣言しといてBだったら……本当に怖いな。


「葵はまたSかね?」

「そうかもしれないけど……出来れば瞬一と同じクラスになれたらいいなって」

「晴信は?」

「晴信も……ね?」

「俺はついでかよ」


葵の言葉に、多少晴信が悲しそうな声で言う。

それが可笑しくて、俺と葵は声を揃えて笑う。

晴信も、俺達につられて笑う。


「それはそうと、これからどうすんの?今日はこれでもうすることがないわけだけど」

「俺は……しまった。今日の夕飯の材料がないんだった」

「あ、俺は帰っていろいろしないといけないことが」

「私は家に帰らないと、妹が帰ってくる前に家の鍵開けなくちゃならないから」


妹?

……って、


「妹いたの?葵」

「え?うん。空って言うんだけど」

「へぇ……今度機会があったら会ってみせてくれよ」

「うん、機会があったらね」


さて、新たなる事実が判明したところで、そろそろ俺は帰るとしますか。


「それじゃあ、ここでお別れか」

「ああ、そうだな……」


言い忘れていたが、この学校には確かに寮はある。

でも、葵のように家から学校まで近い人は、寮に泊まらず自分の家から通うことも出来るのだ。

最も、そんなの少数派なのも事実なのだが。


「そんじゃ、また明日学校で」

「出来れば同じクラスでな」

「お前は希望薄いけどな」

「余計なこと言わないでくれ!」


晴信が騒いでいる中、俺と葵は別の道を歩く。

晴信は慌てて葵と同じ方向に走っていく。

さて……俺も買い物済ませて、さっさと寮に戻るとするか。















「……なんで」


思わず俺は、そう呟いてしまっていた。

買い物で買った夕飯の食材は、先に空間転移魔術を使い、寮の俺の部屋に送っておいた。

後は、俺が寮まで帰ればいいだけの話。

ただし、未だに自分の体まで空間転移させる魔術師を聞いたことがない。

出来て、自分が触れた、自分の体以外の物なのだ。

ようは、自分で自分の体に触れた所で、空間転移出来るわけではない。

最も、それが他人となると話は別なのだが……ややこしいからその辺は省く。

俺が言いたいのは、


「こんな所で、何で女子が追いつめられてるのかってことだ」


ここは路地裏。

この場所からだと、寮まで近道出来るからという気まぐれで、ここを通っていた。

本当に、気まぐれ。

しかし、その気まぐれが、こんな奇跡ふこうを呼び込んだのかと考えると……頭が痛い。


「これは一体、どういう状況なんだ?」


路地裏の一角。

女子の立ち位置から、逃げる道はない。

見たところ、日本人ではない。

周りには黒服の男達。

一般人ではない……ていうか、殺し屋?

魔術使う殺し屋?


「……ないない。絶対ない」


さすがの俺も、こんな場面に遭遇するのは初めてだった。

て言うか、絶対こんな経験出来るはずないだろ!

……今俺がしてるけど。


「……これ、俺、助けるべき?」


聞くまでもない。

困っている人がいたら助ける=人間の常識?

……けど、これに関わったら死亡フラグ立ちそうなんだけど……。


「……けど、やるしかねぇ」


俺は決心すると、その黒服達の所まで歩みを進めた。

そして、言った。















今回の話の後半部。

そして、次回からは新たなる話へと入っていきます。

……境界線などありませんが。

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