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Magicians Circle  作者: ransu521
入学試験編
10/309

科学魔術師の戦い方

「太古より眠りし聖水よ。我の名に答え、その身を変え彼の者を包みこめ!」


科学魔術師の最大の特徴として。

呪文を詠唱しながら、その機械を操作することにある。

例えば携帯なら、まずは魔術を発動する為の始動キーを入れる。

そして次に、呪文キーを入力し、最後に発動キーを入力する。

なんとも面倒くさい操作なのだろうか。

だがしかし、


「あいつ、動きが速いな……」

「そうだね。科学魔術師の中でも速いほうだと思うよ」


なんでったって、あいつはSじゃなかったんだ?

……A止まりだったってことなのか?


「アクアラップ!」

「そう簡単にはいきませんよ!……大地よ、轟け喚け泣き叫べ!」


一之瀬が攻撃した男子生徒が、呪文を詠唱する。

瞬間。


「え!?」


大地が、揺らいだ!?

地震を魔術で発動させたってわけか……。


「ロットシェイク!!」


でも、地震を起こしたからどうしたって言うんだ?

……ってよく見ると、その男子は新たな呪文を詠唱し始めている。


「我が呼び声に答えよ!……グラッド!!」


精霊を呼ぶための布石だったのか!?


「ロックアート!!」


そして、地面の精霊は、岩石を周囲に投げつける。

その岩石により、一之瀬を除いた二名は、ノックダウンしていた。


「水の壁、我の身を守れ!」


一之瀬は、若干遅れて防御魔術を発動させる。

一之瀬の周りには、たった今発動したばかりの水の壁が張られていた。


「ちっ。命拾いしたな」


攻撃は収まったらしく、岩石は飛んでこなかった。

しかし、水の壁は張られたままであった。


「どういうことだ?攻撃が収まったなら、もう……いや、これは」

「あの人、このまま魔術を発動する気だよ」


相手に見られないようにするための目隠しか?

でも、逆に術の詠唱者からも、相手が見えなくなってると思うのだが……。

そして、次の瞬間。


「な!?」


なんと、水の壁が上空に舞い、球体になった!?


「ちっ……科学魔術師なのに、なんてスピードだ」


そのスピードは、最早Sクラスのもの。

一之瀬って、本当は凄い奴だったんだな……。

もしかして、あの時不良達に抵抗しなかったのは、偶然携帯を置いてきてしまったからか。


「これで終わりです……アクアインパクト!」


そして球体を維持しつつ落ちてくる、それ。

恐らくは、一之瀬が使える上級魔術の一つなのだろう。


「そう簡単に喰らうかよ……足強化!」


叫び、男子生徒……面倒だからAでいいや。

Aの両足は、まるで重みなど消えたかのように、軽やかにその攻撃を避けた。


「反撃開始だ!」

「いえ……罠にはまりましたよ」

「へ?」


一之瀬がそう言葉を発した次の瞬間。


「……え?魔方、陣?」


突然Aの足元現れた魔方陣。

色は青。

これはまさか……。


「設置系魔術だな」


今まで発言をしなかった晴信が、初めて言葉を発した。


「やっぱりか?」

「ああ……しかも結構長い間設置されてたみたいだ。多分……」

「あの水の壁の中で詠唱してたんだね」

「そう言うこと」


晴信が言おうとした部分を、葵が先に言った。


「これで最後です……ブービートラップ!」


その術の名前を叫んだ瞬間。


「うがあああああああああああああああ!!」


Aの悲痛の叫び声が聞こえてきた。

そしてそのまま、Aは気絶した。


『そこまで!』


校長の声と共に、最後の勝負が終わった。
















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