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episode1 目覚めは妹

僕ぁ朝食食べないし妹もいません

 朝、いつもと変わらない俺の惰眠を奪う存在。時間は7時、なんて健康的なのだろうか、まだ30分も寝れるじゃないか。


 寝よう


「寝んな」

「!?な、何だよ美香ちゃんいたのかよ」


 ビックリした。普通に心臓が止まるかと思った。てか何でこの妹は普通に俺の部屋に居て、そしてあたかも当たり前のように俺のベットの上に居座っているのだろうか。


 百歩譲って部屋に居るのはまぁ良いだろうよくないけど。理由と言うか入ってきた方法は見たらわかる見たくないけど。

 決してドアが壊されてるのが視界の中に入ってきて現実逃避したくなったとかそんなんじゃない。


「あら?私もいますよ兄さん」

「……デスヨネー」


 美香あるところ美咲在り。二人は双子で昔からよく、くっついて行動していたようだ。ようだ、なんて他人行事なのは他人だからしょうがない。いくらひとえに兄妹と言えども所詮義理なのだから。


 まぁ義理だからこそ、この状況がやばいと言える。なんなんですかねこの二人、俺の人生終わらせにかかってるんですかね?まだデレてないの?そのままなの?


 最近、本当に最近。春休みが始まって3日目この二人に事件があった。が、この話はまた別の機会だ。


 しかしその事件以来仲良くなれたと思っていたのだけれど。


 精神的攻撃、物理的攻撃の次は社会的攻撃とはなかなか兄をいじめることに関していろいろ手段を尽くしてきやがる。


 だがな、俺はそんなことには屈しないぞ!絶対だ!




 なんてフラグを立てつつも実際問題なぜここにいるのか、そして2度寝の邪魔をしくさってくれているのかを問い質さねばなるまい。


「美香ちゃんに美咲ちゃん、なぜここにいる?ドアは……見たらわかるけど何故俺の2度寝の邪魔をするんだ?まだ春休みだ、2度寝くらいしたっていいだろ?」


「おいおい兄ちゃん、ボケるにはまだ早いぜ?春休みは昨日で終わり今日は入学式だぜ?」


「何?そっちこそボケるには早いぞ美香ちゃん。今日はまだ春休みだろ、な?美咲ちゃん」


「兄さん……春休みボケは早く直さないと」


 ……え?うそでしょ?本当に今日入学式?春休み終わったん?


 俺の春休みが終わった?


 宿題いっさい手つけてないけど本当に終わってしまったとでも?


 俺はそんな現実に向き合いたくないが、それでも確認しなくてはならない。デジタル時計には時間はもちろん今日の日付に曜日まで表示されている。

 そんなデジタル時計さんの表示する数字並びに曜日は。


「春休みは昨日で終わり、今日は4月6日の月曜日だぜ兄ちゃん」


 4/6 月  7:08


 Oh……


 神は死んだ。妹達の証言が正しいことがここに証明された。それは俺の証言が虚偽であったことも証明する。


 人とはなぜ楽なことはすぐに過ぎ去り嫌なことはなかなか過ぎ去ってくれない脳になっているのだろうか。どこかの偉人は「時間の良い所と悪い所を教えてやろう。良い所はどんな嫌なことでも過ぎ去ってしまう、悪い所はどんな嫌なことでも来てしまう所だ」みたいなことを言っていた気がするが、もしこれに付け加えるのならば、「楽しいことは直ぐに過ぎ、嫌なことは過ぎるのが遅いのも悪い所」と付け足したい。

 心の底からこの言葉を付け足したい。


 しかしどんなに嘆こうともどれだけ現実逃避しようともデジタル時計さんと妹達からの言葉からは逃げられない。


「さ、兄さんいつまでも寝間着でいないでちゃっちゃと制服にきがえますよ」

「そうだぜ兄ちゃん、早く着替えないと遅刻しちゃうぜ?だから私と美咲ちゃんで着替えさせてやるよ」


 え?何?よく聞こえなかったけど、今この妹着替えさせるとか言ってなかった?本気なのだろうか。あ、これ本気だ。目が座ってやがる。


 手だってワキワキさせながらじりじりと近づいてくる。やめろぉ!そんな手つきで近づいてくるんじゃねぇ!一線超えちまうだろうが!今俺がどんな気持ちで息子を抑えていると思っていやがる。


 まず妹のことを極力考えないようにする。控えめに言ってこの二人かわいいんです。(控えてます)


 姉である美香ちゃんなんか字面だけ見れば弟かとも思われるかもしれないが、れっきとした女の子である。女の子特有のなんだかわからない、いい匂いに膨らみかけのおっぱい。髪はショートで筋肉も主張しない程度についていて……エロいです(控えなし)。なんか汗のにおいも甘いんじゃないかと思う今日この頃(変態)


 妹の美咲ちゃんなんかロングヘアで凛とした感じがしてエロい(控えない)。姉とは違い胸は絶壁でそれを気にしているところもまたいい。揉みたい、揉んで大きくしてあげたい。

 しかしそんなものよりもこの美咲ちゃんの良い所は太ももだ。ふかふかの太もも。デブみたいにすごく太いわけでもなく病気なのかと疑いたくなるほど細すぎない、体に対して均衡を保つ太さ。まさに完璧。


 そんな妹二人が俺の部屋に入ってきてしかも至近距離。法的に結婚だってできる義理兄妹。末損食わぬは男の恥とはよくいうものだ。


 もしここで本当にこのふたりを美味しく頂いてみろ、まずもって学校には遅刻。この二人はいろんなところに言いふらすだろう。


 例え俺が言わずとも、二人が言いふらすせいで悪友達の耳にも入る。となると俺に待ち構えているエンディングはただ一つ。



 デッドエンドだ。



 まだ死にたくねぇな。まだやり残したこといっぱいあるんだよね。完結してない本を読んだりとかアニメ見たりゲームやったり。それに妹も悪友とも仲良くなったばかりで失いたくない。せめてもう少し。高校での生活が終わるまでは耐えよう。


 耐えれるかな。


「着替えさせてくれなくていいからお前らとっとと部屋から出てけ、後どっちがドア壊したか知らないから二人の小遣いから半分ずつ扉の修理代に回すよう父さんと母さんに言っておくから」


「ちょっと待ってよ兄ちゃん!それはあんまりじゃないか!」


「そうですよ兄さん!ドアを壊したのは美香ちゃんなんだから美香ちゃんのお小遣いから全部出すべきです!私は止めたんですよ!!」


「なっ、美咲ちゃん裏切ったな!?もし責められたときは一緒に怒られてあげると言ってくれてたじゃないか。あれは嘘なのか!?」


「嘘?馬鹿言わないで。怒られるだけならいいけどお小遣いがかかっている場面でそんなことしないわ」


 なんか姉妹喧嘩が始まってしまった。いや部屋から出て行ってほしいんだけど。

 別に姉妹喧嘩やるななんて言わないけれどここでやるなよ今やるなよ。兄ちゃんいつまでたっても着替えれないだろ?本当に遅刻してしまう。


 てか喧嘩しながらもこっちをチラチラと見てくるんだが。


 何か?「喧嘩しているからこっちに目が言ってないから着替えるか」で着替えるのを待っているのか?浅はかな妹共だ。そんなもの俺でも想像できる。想像できると言う事は回避することもできる。


 俺はあえて上だけ脱ぎ今だ内容のない喧嘩の振りをしている妹共の期待を煽り、喧嘩なんて忘れたかのようにシンと静まり俺の上半身をガン見してくる。


 やはりむっつりか。や、この場合むっつりではないのか?まぁいい。


 思春期の男子中学生みたいな反応をしてくる可愛くも変態な今日から高校1年生の2人をよそにシャツと制服をもって。


「じゃ、俺風呂場で着替えっから」


 言い残し呆けている2人を置いて風呂場に直行。着替える。


 着替え終わり朝食をとるために居間えと向かったのだが2人ともいない。両親が居ないのはいつもの事だ。あの人たちは朝が早い。夜も早いが。いいねホワイト企業。


 親がホワイト企業に勤めていることなど関係ない。妹2人だ。


 何かあったのかと様子を窺うために自室に戻るとそこには。


「こいつら……気絶してやがる」


 鼻血を垂らしながら俺の体を見ていた体勢のまま固まっていた。やはり変態じゃないか(歓喜)


 喜んでいる場合じゃない。このままでは本当の本当に遅刻していしまう。


 デジタル時計さん曰く既に15分を回っている。他の学校はどうか知らないが、俺の通っている学校は8:15には席についていなければ欠席もしくは遅刻扱いだ。


 しかも今日は入学式兼始業式。しょっぱなから遅刻なんて笑えない。


 え?まだ余裕あるだろって?馬鹿野郎!朝食はゆっくり30分かけて食べるものだと決まっているだろ!


 この計算でいけば朝食に30分で8:45、片付けに5分で8:50。学校まで自転車で30分。


 そこから駐輪場に止めてなんやかんやあって、ギリギリ間に合うか間に合わないかだ。俺は良い。遅刻の常習犯だから今更だ。


 しかし妹たちは今日が初登校。中学からの知り合いもいるだろうがこいつらは一応才色兼備として語られている。


「おい、美香ちゃん美咲ちゃん起きろ!早くしないと学校に遅れるぞ!」

「……はッ、に、兄ちゃん。いい身体してるな」

「本当に……ついつい見とれてしまったわ」


ありがとう。じゃない!なぁにを呑気に俺の体の感想を言ってるんだ。そんなものは学校が終わって家に帰ってから好きなだけ俺に言えばいい。


だが今は時間が本当にないのだ。


「2人とも俺の体を褒めるのは学校が終わってからでいい。今は一刻も早く朝食を食べなければ学校に遅刻してしまうぞ」

「ああ、大丈夫だよ兄ちゃん」

「私たちもう食べたから後は出るだけ」


ほほーう。つまり最初から遅刻が分かっていたのは俺だけだと。だから呑気に感想なぞを言っている暇があったと。


チクショーメーオッパイプルンプルン


ま、春休み中と勘違いして二度寝しようとしたのは俺なんだけどね。


「そうか、ならお前らはもう行きな。俺は常習犯だから今更遅れたところでなんともないがお前らは初登校だからな。しっかりいい印象を与えないといけないぞ」

「反面教師か?」

「反面教師ですね」


うるせーよ


「んじゃま、先に行ってくるぜ兄ちゃん」

「どうせ遅刻するから二度寝しても平気なんて思わずちゃんと来るんですよ兄さん」

「わーってるよ」


たく、どこまで信用されていないんだか。二度寝なんてそんなモノ当たり前にして3度寝4度寝位するつもりだったがしたら軽く殺されそうなのでやめておこう。

家の妹はデンジャラスなのだ。


くっ殺せ!


「「いってきまーす」」

「おう、いってらー」


さて、ゆっくりご飯食べてマッハで片付けして、警察官が怒って走り出すくらいのスピードを出して学校に向かいますかね。


遅刻はしても決して休みはしない。なぜなら再三言っているように、今日は妹、美香ちゃんと美咲ちゃんの入学式なのだから。

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