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第七話その顔に見えるもの
「次は俺の番だ。そろそろ一人になりたいから、これでお別れだ。さあ、最後にもう一度、あの明かりとりの蝋燭を灯して、俺の顔を見てくれないか?そして、俺に憑いている悪魔の正体を見届けて欲しい。」
ブレアティに言われるまま、カルロは蝋燭を灯して、薄暗く陰影の際立つブレアティの顔から、闇を取り払い正確な表情を近くで観察した。
「きみは…」
カルロは、絶句したままブレアティを見つめるしかなかった。
カルロが動揺する度に揺れる明かりに照らされて、そこに現れたのは、まだ20才に満たない青年の顔だった。薄汚れた顔の為に今まで気にも止めていなかった。
ジルの事件から、まだ10年とたっていないのだ。
あの時、犯罪を犯したのが彼だと言うなら、あの残忍な殺人を10才かそこらの少年がやってのけたと言うことになる。
「神父さま、ちゃんと記録してくださいね。私にとり憑いた悪魔の事を…。それとも、私には悪魔なんて憑いて居なかったのでしょうか?」
プレアティの言葉を遠くに聞きながら、カルロは背中に深々と恐怖が染み入るのを感じた。




