表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/43

3章 第35話 奴隷オークション開催まで後18時間

「最近お前のところの牛舎では人間まで飼っているのか?」


見知らぬ男の声が聞こえたような気がする。


「これはこれはメリナス様。誠にお恥ずかしいことに客人が牛舎で寝泊まりして

 いまして、今起こしてどこかに行かせますのでしばらくお待ちを」


「女の子が腹を出してしかもよだれまで垂らしよって、ほんとだらしないのぅ。

 こら、起きるんじゃお嬢ちゃん」


ガタガタ……


「……むにゃむにゃ……地震?

 ……ふぅ……もう食べられないよ」


「ふふふ、ウソを申すなドンダレフよ。

 もしも真に客人ならこんな手荒い場所に泊まらせるわけがないだろ。

 しかし、この子娘は小さいが張りの良いみずみずしい乳をしているな」


もぎゅ、もぎゅもぎゅ……


「……ああぁ……」


「僕が思った通りに感度があるな。どれお尻はどうだ?」


もぎゅ、もぎゅ……


「……あぁ……ふむ……はにゃ??」


朧気に見えてくるちょび髭を生やした青年の顔。

その男の手の伸びる先はあろう事か俺のお尻を鷲づかみしている。


「きゃあぁぁーーーーー」


一瞬で目覚め、牛たちが徒党を組んで見守るワラのベットから跳ね起きる俺。

俺は跳ね起きる反動を利用してお尻を掴んでいる男の腕を強引に振り払う。


「何するんだっ、いきなり。この変態、あっち行けよっ」


パサ、パサァッーー……


落ちているワラを無作為に掴み、破廉恥極まりない男に投げつける俺。


「これこれ、落ち着くんじゃお嬢ちゃん。メリナス様に何て真似をするんだ」


何だか分からないけどドワーフのおっさんが怒っている?


「変態とは無礼な子娘だな。僕の名はメリナス・ゴーズル。

 うん、しかしまた元気がよさが気に入った。牛の購入はまた今度にして

 この人間の女を1つを貰おう? いくらするんだ? ドンダレフよ」


そう言ってメリナスと名乗った男は頭に乗ったワラを手を使い振り落とし、

そのまま手を高そうな革のズボンのポケットから数枚の金貨を掴み出す。


「メリナス様。この娘は決して売り物じゃなくてでして……

 お嬢ちゃんもさあ早くメリナス様に今の失礼を謝るんだ」


「何でわたしがこんな破廉恥な男に謝らないといけないんだよ」


「お嬢ちゃん悪いことは言わん、ここはわしの言うことを聞くんじゃ」


俺たちに強気だったあのドワーフのおっさんが震えている。


「ぺぇ、僕はこの子娘を売れと命じているんだ、ドンダレフ。

 それ以外に言葉は不要だ」


ドワーフのおっさんに顔に唾をかけるメリナス。


「これはいくらあなた様の頼みでもわしの客人ですがゆえに……」


「ふざけるなよ、メリナス。おっさんが下でに出ていたら調子に乗ってさ。

 あんたみたいなちんけなヤツに買われるほど俺は安い女じゃないんだっ。

 それとおっさんに唾を吐き捨てたことを今すぐにここで謝れよ」


逃げ腰になっているドワーフのおっさんをかばうように言葉を続ける俺。


「これ、お嬢ちゃん、このアリナス男爵の次男であるメリナス様に

 そんな偉そうなことを言わない方がいい。

 今すぐにわしらの方が黙ってメリナス様に頭を下げて謝るんだ」


「う……何するんだよ、おっさん」


俺の頭を押さえつけて無理にでも謝ろうとさせるドワーフのおっさん。


「メリナスはおっさんのお得意様だとは思うけど

 何でそこまで俺がしなくちゃいけないんだよ。わたしは被害者だよ」


「これ、メリナスじゃない。メリナス様だ」


「この僕に肌を触れられるだけで光栄なことなのに厚かましい子娘だな。

 どうせ僕を挑発してお前もこれが目当てなんだろう?」


ゆっくりと俺の手に金貨を握らせてくるメリナス。

マジックじゃない限り俺の手の中には金貨が3枚が存在することになる。

もちろん金貨が欲しい気持ちがないと言えばウソになるかもしれない。

でもどうしても奈緒の体をお金で売った真似だけはしたくない。


「何それ、それがどうしたの?」


チャリ、チャリーーーン……


手を裏返して金貨を床に落とす俺。

薄汚れた金貨とお別れして俺はメリナスの言葉を拒否するが……


「子娘の頭では金貨の価値も分からないのか?

 あいにく僕は銅貨は持ち合わせない主義なんだ。

 これは金貨って言って銅貨よりも何倍も価値ある代物なんだよ、お嬢ちゃん」


また俺を初対面のヤツらは子供扱いして……


「はい? そんな意味じゃないって、どうお前に伝えればいいのかな?」


「これ、お前ではないさっきもあれほどメリナス様だと……

 すぐにわしと一緒に謝るんじゃ、お嬢ちゃん」


俺の頭を押さえつけていたドワーフのおっさんは片腕を太ももにつけて

膝を曲げ土下座モードに突入している。


「何でわたしがこの成金野郎に謝らなくちゃいけないんだよ。

 謝るのは俺の寝込みを襲うとしたこいつの方だろっ」


「……この紳士の僕を成金野郎だとっ」


「お嬢ちゃん、危ないっ」


バチンっ!


「……えぇ?」


一瞬のことで俺は何も分からなかった。ドワーフのおっさんの声が

聞こえたと思ったら、俺の頬に激痛が走ったことだけは理解できる。

今俺って、メリナスにビンタされたの?


「平民の分際でお前は少々生意気だぞっ。分をわきまえろ、子娘」


「……よくもやったな、メリナスっ!

 何でも金で解決できると思うなよ」


「待つんじゃ、お嬢ちゃん」


ドワーフのおっさんは俺の肩を持って止めようとするが……

お尻を触られ、おまけに奈緒の顔を叩かれたのではもう

俺は引き下がる訳にもいかない。


「なんだ、その目は……僕を殴るつもりなのか?

 僕の父上だなニュートラルの権力者である……」


「そんなこと平民のわたしが知るもんかっ!」


「僕はゴーズル家の次男で……」


「これは奈緒の体を気安く触った分だっ、くらえ」


「ひぃぃ……」


俺の渾身の右ストレートが怯むメリナスの頬に容赦なくヒットする。


「はぐっ」


「……次はドワーフのおっさんを侮辱した分だっ」


「お嬢ちゃん、さすがにこれ以上はやり過ぎじゃ」


ドワーフのおっさんは2発目の殴るタイミングを見計らったように

暴れる俺を羽交い締めにする。


「離してくれよ、おっさん。まだおっさんの分が……」


「もういいんじゃ……お嬢ちゃん」


メリナスの鼻から血がぽとぽと流れ落ちていく。


「この僕にこんな恥をかかせたことは分かっているんだろうな、ドンダレフよ」

 父上に言って直ぐにでも牛の取引先を変えて貰うぞ」


「先代から続く牛舎もその子娘をかばったばっかりに潰れてしまって

 ほんとこの女は疫病神だな。おとなしく僕に子娘を差し出していたら、

 全てが丸く収まったのに。これだから平民は無能でバカなんだ」


「おっさんそれって……」


「……わしの力が無力なばっかりにすまない、アーネルよ。

 お前との約束を守れなかった……」


ドワーフのおっさんの目に涙が浮かぶ。

アーネルって叫びは先祖か嫁か、息子、娘かも俺には分からない。

アンシャにも指摘されたことだがつい興奮してしまって

ドワーフのおっさんの立場も考えずにただ突き進んでしまった。

こんなことを繰り返していたら俺はまた誰かを不幸にしてしまう。

何とかこの場は俺の力だけで収めないと……


「聞けよ、メリナス。わたしの名前は愛川奈緒。

 明日の奴隷オークションでエントリーする者だ。

 このわたしの身も心も屈服したかったら俺を落札してみるんだな」


「まぁお前みたいな小金持ち程度のお坊ちゃまには無理な話だったかな?

 わたしは気品のある高貴なレディだからね。

 俺とメリナスでは月とすっぽんって言うヤツかな? あはは~」


全身全霊で挑発してドワーフのおっさんから俺に

メリナスの全ての思考を誘導させる。


「……そうか、この生意気な子娘は明日の奴隷オークションに出るのか。

 自ら奴隷オークションに志願するとはどうしようもない間抜けな女だな」


「望み通り、この僕が意地と誇りで落札してその悪ガキな態度を調教して

 屈服させてやろう。もう普通の生活を送れると思うなよ、奈緒。

 拷問してでも僕のことをご主人様であることを体中に教え込んでやる」


「……メリナスには無理だって、そう意地になるなよ。

 もう、お子様の歳じゃあるまいし体で教えるなんて野蛮だって……」


メリナスを俺をいやらしく見る表情が矢ノ内と重なって

俺は少し尻込みをしたのかもしれない。

威勢のあった言葉が語尾に近づくにつれてだんだんと弱くなっていく。


「明日のオークション開催が実に楽しみになったぞ。

 また我が屋敷の地下室で会おう、奈緒よ。

 まるでお前の泣き叫ぶ顔が目に浮かんでくるようだ……あははぁーーーー」


笑い声と共にメリナスは牛舎を去って行った。


「モーー……モーー」


メリナスがいなくなると急に泣き出す牛たち。

もしかしたら、メリナスの姿に牛たちは怯えていたのかもしれない。

メリナスが現れると衣食住を共にした牛たちがどこかに消えていくのだから

本能的に怖がっているのも事実だろう。


「……ふぅ、これで牛舎の取引先を変更する話をメリナスのオヤジに

 話すことを忘れてくれれば嬉しいんだけど」


俺の女としての魅力がメリナスの心にどう影響を与えたか

試されるわけでもあるんだが……


「お嬢ちゃんは何てバカな真似をするんだ。

 あんなにメリナスを怒らせてしまって。特にゴーズル家に落札された奴隷は

 死ぬことよりも苦しいことが待っているってうわさで持ちきりなんだぞ」


「おじさんも心配性だなぁ~。メリナスに落札されてもすぐに脱走するから

 大丈夫だって、おじさん。俺は見た目にも寄らずスピードには自身があるんだ。

 それよりもおじさんの牛舎のことが心配だよ」


「やれやれ、連れがお嬢ちゃんの頭はおチビちゃんってことはあながち間違いでは

 なかったのぅ。お嬢ちゃんはニュートラルの奴隷制度を甘く見ている。

 落札された時点で奴隷には起爆装置の付きの首輪がはめられるんじゃぞ」


「はい? 俺はそんな話は一言も聞いていないけど……」


「そんなことはニュートラルに住んでいる者では常識じゃよ。

 天界にいるお友達はあの2人に任せてお嬢ちゃんはゴーズル家の専属の

 メイドとして一生を頑張ってくれとしか、残念ながらわしには言えんのぅ」


起爆装置の付きの首輪があるんじゃアキエルも助けにいけなし、

春美だって助けることも困難になるんじゃ……

それに毎日メリナスのおもりをし続けることは俺には荷が重すぎると

言うか生理的に無理だ。


「お嬢ちゃんは真面目に牛舎の掃除もしてくれるし、よい主人に買われることを

 願っていたのにとても残念じゃ。わしにもお金があったらお嬢ちゃんを落札して

 この服屋と牛舎の看板娘として末永く頑張って働いて貰っていたのにのぅ」


ドワーフのおっさんが俺を落札して看板娘に?


「……それだよ、おっさん。わたしをオークションでメリナスと競り合って

 ゴーズル家に落札されないように虚言を言い続けてよ。

 そうすれば俺の値段も吊り上がって価値も上がるし、一石二鳥だって」


どうしてこんな簡単なことに気づかなかったんだろう?

そもそもオークションは競売なんだから、相手よりも高い金額を提示し続けたら

ゴーズル家もきっと俺を諦めるしかないって。

奴隷出品者になるアンシャとあゆむには俺を釣り上げることは規則的に

無理なだけど部外者であるドワーフのおっさんならきっと……


「しかしのぅ、仮にゴーズル家が諦めたとしてお嬢ちゃんをわしが落札できても

 オークションの主催者に奴隷の買った利益の一部を支払うことに

 なっているじゃ。そのお金はいったいどうするつもりじゃ」


「それにお嬢ちゃんが欲しかったかりそめの翼もわしが落札したら買えんぞ。

 わしの服屋と牛舎の経営も赤字ぎりぎりなんじゃ」


「それは……おっさんがどこかに借金してこれから頑張って汗水働いて

 オークションの主催者に支払ってよ~。おじ様、借金ついでに

 かりそめの翼もおじ様に買って貰ってそれで、それで……」


「このバカ者がっ。 わしを過労死させるつもりか?

 それにわしにはお嬢ちゃんを助ける義理も人情の欠片もない」


「モ~……」


ドワーフのおっさんの叫びが鳴きかけていた牛たちをまた鎮圧させる。


「うん、分かっているよそれぐらのことは……

 でも、やっぱりおっさんはそのぐらい元気がないとね。

 主催者にお金を支払う前にわたしは脱走するから心配無用だって、おっさん」


「お嬢ちゃんの頭はやっぱりおチビちゃんだよ。

 その脳天気な考えの方が落胆的で成功するかもしれんが

 リスクが高すぎるんじゃ。わしももちろんお嬢ちゃんもじゃ」


「……じゃあ分かったよ。これ以上おっさんには迷惑をかけられない。

 ゴーズル家に競り合ってくれる人物をちょっと探してみることにするよ。

 あいつらに恨みを持ったヤツらは多そうだからどうにかなるって、ね」


俺はドワーフのおっさんを誘うのを諦め牛舎を出て行こうとすると……


「この牛舎を出てまっすぐ西に進むとガルタって男が経営しているギルドがある。

 あそこなら気軽に依頼が出せるからきっとゴーズル家に憎しみ抱えている

 ヤツが集まるかもしれんのぅ」


「ありがとう、おっさん」


「なーにだだの老いぼれの戯言じゃ。帰ったらまた牛舎の掃除を頼むぞ。

 牛さんたちはみんな綺麗好きなんじゃ」


「昨日もしたのにまた掃除しないとダメだの?」


「わしは服屋と兼用して365日欠かさずに牛の世話をしているんじゃがな。

 おぉー、最近は腰が痛いのぅ~。やっぱりただ飯くらいのお嬢ちゃんには

 年寄りを思う心が欠落しているんじゃろうか? 寂しい時代になったのぅ」


「分かったよ、やればいいんだろ。

 ところでアンシャたちはこの忙しい時にまったくどこに行ったんだか?

 知っているおっさん?」


あゆむは戦力にはならなくてすぐに寝てしまったけど牛舎の掃除を

手伝う意思は感じられた。

でもアンシャときたら本当に見ているだけで何も手伝ってくれなかったんだっけ。

今思い返してもだんだんと腸が煮えくりかえる。

クソー、アンシャめぇ! 覚えとけよ。


「いきなりそんな怖い顔して、お嬢ちゃんは……

 トイレを我慢しているなら、そこのバケツでしても構わんよ。

 後で花の肥料にでも使うからのぅ」


「……はい? もう、そうなんじゃないんだからっ」


俺はドワーフのおっさんの空回りな対応に真っ赤にして頬を膨らませると。


「わはは、怒ったお嬢ちゃんを見ていると若いときに手放していた娘を

 思い出すのぅ。あの子は今も元気で暮らしているじゃろうか?」


「……おっさん」


アーネルって言葉は娘さんのことだったかもしれない。

お金に困って奴隷オークションに娘を出してしまってぐらいの予想しか

思いつかないけど話を掘り返して聞くことは俺にはできなかった。


「確かあの2人になら、かりそめの翼の情報を集めてくるって出かけよったぞ。

 お尻を蹴りっても奈緒は起きないから、放っておくってあの背の高い男の子が

 言っておったことを伝えるのをすっかりと忘れていたすまん、すまん」


アンシャも俺のことをレオエルって呼ぶことを他の天使に気づかれないように

奈緒と呼ぶようになったようだ。俺はアンシャのことを何て呼べばいいのだろう。

とりあえずはまた後で考えるか?

それにしてもメリナスによりも先に俺に手をあげていたヤツがいたとは……

女の顔はやめてくれって言っていたら、今度はお尻を蹴りやがって。

道理でお尻がヒリヒリとしてくる訳だ。

ある意味でアンシャとの決闘の日は近いかもしれない。


「アンシャに伝言をよろしく頼むよ、おっさん。

 わたしが帰ってたら、アンシャのお尻も蹴り飛ばしてあげるから

 顔を洗って待っていてねって」


「よし分かったぞ、このおてんばのお嬢ちゃん。メリナスの時もそうじゃが

 暴力での解決はほどほどにするんじゃぞ。さもないと……」


「わたし自身にもブーメランのように返ってくるって言いたいんだろ、

 おっさん。忠告ありがとう」


「でも消極的で反撃もせずに泣き寝入りしているヤツよりも好奇心旺盛の

 当たって砕けろの精神の方が世界が変わるってもう俺は知ってしまったんだ。

 それは良い意味でも悪い意味でもね」


俺がまだ人間の男の頃は引きこもりで世界を知ろうとも思わなかった。

インターネットの情報が全てで俺は神様でもなったつもりだったんだろうか?

他人ある奈緒の体を借りてようやく俺は人間らしく学校に通ってみたが

何の因果か知らないが奈緒もまた俺と同じ以上の悩みに抱えていたのに

頑張って学校に通っていた。九条さんとの関係も未だに平行線のままだけど

世界が少しずつでも良い方に動いていたと思いたい。

それはみんな過去の過ちいたいな根っこが根付いているから

言えるかもしれないけど。前向きな気持ちは自分自身を変えていくんだ。


「お嬢ちゃんはまだ若いのにいろいろな経験を積んでいるようだな。

 もしかしてお嬢ちゃんはロリばばあって言うヤツじゃろうか?」


「ロリばばあって、それはさすがに酷いんじゃないかな? おっさん」


俺が男の人間だった頃と天使時代そして奈緒の体で人生をやり直しているけど

合わせてもばばあって年齢まではいっていない。

せいぜい中年のおばさんぐらいかな?

考えたら、病院でお世話になった田中さんを思い出してしまった。

もしかして俺は年を合算すると田中さんは同期なんじゃ?

……田中さんに申し訳ないがもう考えるのはよそう。

最近外に出て紫外線を浴びる機会が多くなったけど

まだまだお肌はぴちぴちの高校生なんだ。


「すまんかったのぅ。ニュートラルでは人間以外にもいろんな種族の特性を持つ

 生き物たちが共存しているからのぅ」


ドワーフのおっさんは信頼できるヒトだと思うけど肉体と精神が違うことまでは

しゃべる必要はない。これから天界に謀叛を企む俺としては余計に……


「そろそろおっさんが紹介してくれたガルタさんのギルドに行ってみるね」


俺はまた牛舎を出て行こうとすると……


「そうじゃったか? 気が効かんで悪かったのぅ。

 おしっこは我慢していると体に毒じゃよ。

 さあ、わしは外に行くから遠慮せずに使ってくれ」


そう言って俺に向かってバケツを持ってくるドワーフのおっさん。


「だから違うっておっさん…… じゃあ、行っています~」


出鼻をくじかれながらも俺はドワーフのおっさんから逃げるように

牛舎を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ