表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/16

森での防衛戦 後編

ー 遅い、仕掛けるなら迅速にしろ。


そう言いながら振り下ろした大剣を肩に担ぎなおす。

大剣に激突し、爆散した土煙が徐々に視界を露わにしていく。

パラパラと土が降ってくる中、下に広がるは肉の塊

そして目の前に見えるのは驚愕に目を見開いた敵方2人。

その足は既に無様にも震えていた。


剣を両手で握り直し、大きく後ろに構える

そして引っ張る様に大きく弧を描き、全身の筋力と遠心力

腰の力を加え大剣を薙いだ。


「ッ!」


咄嗟に杖を翳し、高速演唱を行う

こいつ、”魔法使い か。

鉄の砲撃をも防ぐ魔力防壁、通常なら力技でどうこうできるものでは無いが・・・。


 この程度、雷切を発動する価値も無し。



ーぬんッ!


左足を軸に、右足を前へ踏み出す

そして軸を失わぬよう全力で魔法陣に叩き込んだ。


魔力と鉄の塊が全力でぶつかる甲高い音

魔力粒子が勢いと重量、大剣の威力に耐え切れず防壁繊維が崩壊する

そして元々無かったかのように、魔法防壁は呆気なく”割れた 。


「嘘・・・ッ!」


魔力繊維で編まれた防壁が硝子の様に崩壊する

呆然とするのは一瞬、再び口を動かすが・・・遅い

返す手に持ち替え、大剣を逆手に一瞬で刃が戻って来る。

敵の瞳に驚愕の色が浮かんだ。

巨大剣は一度振れば次振るのに時間が掛かるって?

そんなの誰が決めた。


人外の筋力に、繊細な技量。


大剣は吸い込まれるように敵方の喉に喰らい付いた。


事実は一瞬の内に終わる。

大剣がまるで「喰い千切る」様に肉を裂き、骨を砕き、皮を削いだ。

そして首は空高く舞い上がる。

血を振りまき、芸術のように舞う。


「魔法使いッ!!」


後方の戦士と思しき女性敵が、抜刀し、走り込んでくる。

狙いは振り切った俺の脇腹。

考えは読める、さしずめ防御部分のない関節部位を狙う気だろう。

・・・だが。


ー 弱点をそのままにする武人が存在するかッ!


剣を手首で動かす

その僅差の動作で、剣士の刺突は呆気なく防がれた

分厚い刀身に、剣先がぶつかり火花が散る

力任せに押し込もうと、1ミリとも動かなかった。


「馬鹿なっ!?」


ー馬鹿は貴様だ


剣士が顔を上げたとき、目前には雷撃に包まれた拳があった。

硬い感触が額を撃ち抜く

首が別の生き物の様に暴れ狂い、骨が嘶き、血が逆流する。

同時に甘い痺れが全身を駆け抜け、50m程地面の上を転がり続け、停止した。

その体は何度も痙攣し、軈て止まった。

彼女の鼓動と共に。


振り抜いた拳を払い、剣を背中に担ぎなおす

そして一息吐いて、思い出したように振り返った。


ーおい、お前・・・怪我は・・・・。


振り返って見えたのは撓わな”胸。

白い人肌が一面に広がっていて・・・。

巨大なおっぱおが降ってきた。


「~~~~!騎士さまぁ~~~~!!」


ーどわっぷぁ!!!!


柔らかそうな胸が視界いっぱいに広がる

俺は鉄の塊を身につけているため、直には触れられず想像だけとなった

鎧を着けていたことが仇になったか・・・くッ!!!

一生の不覚だッ!!!!

いや、まて、今ならまだ間に合うやもしれん

今すぐ鎧を脱いでその豊満なバストを・・・・・・・って馬鹿か俺は!

だが女性特有の甘い匂いが密封された鎧の中に広がり、なんとも言えない気分に・・はっ、いけいない。俺は一体何を・・・アブナイアブナイ


ーこ、これは罠か!? 俺を篭絡するためのワナカ?!


あたふたしながらなんとか起き上がろうとする

だが理性で分かっていても本能で否定していた。


(何やってんだ俺は~~~~っ!!)


淡い青春に浸る勇者19歳の今日この頃。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ