ひと時の休息
「流石です!魔王様!!」
塒に戻るなり、配下にした魔物が頭を垂れゴマを擦ってきた。
集落を落としに掛かった時に丁度最初にぶん殴った魔物だ。
未だにその後は残っている。
「別にどうという事はない。
人狼一族とて、上位種の中では下の位置だ。」
「それでもです!
人狼一族の族長を倒したんですから!
今の戦力なら軽く戦争を起こせますよ!!」
戦争を起こすのだ。
戦力がなければ話にならん....など初歩的な会話をする気はない。
私は適当にあしらうと、簡易的に作らせた拠点の奥へと進んだ。
「っふぅ・・・・・・」
部屋に入るとソファにダイブし、戦いの気疲れを癒す。
戦力を掻き集めると決めてから四方を走り回り、族長との一騎討・・・・。
ソレをもう10時間近く続けていた。
(一騎討で討ち取った部族は”6 つ
その内非戦闘員を除いた戦力は”10000 弱と言った所か・・・)
戦力としてはまだまだ足りない。
だが1日の成果としては上々なモノだろう。
毎日このペース....とは行かなくとも、未だ魔王による支配を受けていない部族は多いと聞いた
ならば少しずつ、少しずつ、私の勢力図を世界に広げていこう。
軈て”弱 と言う烙印を押された蛇は、虎すらも「咬み殺す」
「全体的な魔物のLV水準は決して高くない。
前の世界と比べれば低いものだ・・・・・・・だが。」
この世界にはまだ”魔物が存在する。
それだけで十分だった。
疲れのせいか、まぶたが重い。
私はよろよろとした足取りでベットに近づくと、そのまま倒れるように
夢の世界へと引き摺り込まれた。
明日の事は明日の私へ。
酷く投げやりな思考だったが、睡魔に誘われた私は意識を手放し
心地よい眠りへと落ちた。




