第52話 貴族令嬢を治療する
活動報告にキャラクターヴィジュアルイメージを掲載し始めました。最近ハマってる流行りのAI生成イラストです。作風コロコロ変わると思います。都度更新予定です、もしよければご覧下さい。
今日は昼過ぎに、私はフィオルの領主レオンの屋敷を訪れていた。石造りの壮麗な館は相変わらず立派で、庭園には季節の花が丁寧に手入れされて咲き誇っている。
門番は私を見るなり姿勢を正し、使用人たちは遠くからでも深々と頭を下げてくる。どうやら私はVIP扱いになっているらしい。
レオンはというと、会うたびに「我が領に永住を」「顧問としてぜひ」「お、お食事にでも」などと、毎度口説かれ続けてはウンザリと無視続けている。
とはいえ私を祀り上げてくれるカリオン王国との連絡役でもあって冷たくできず、やたらと貢ぎ物までしてくれるこいつは嫌いじゃない。適当に受け流しているうちに、それなりの仲になった。
とはいっても、今日ここに来た理由はレオンに会うためではない。私のお目当ては、レオンの妹――クラリッサだ。どうやら私のファンらしい。
「エリュシェル様……本日は、ほ、本当にありがとうございます……!」
広い寝室の中央、天蓋付きのベッドの上で美しいクラリッサは緊張した様子で感謝の言葉を述べていた。
長い金髪はまるで陽光を編み込んだように輝き、碧い瞳は澄み渡った湖のように透き通っている。貴族令嬢らしい気品を備えながらもどこか可憐で、整った顔立ちは社交界でも間違いなく評判になるだろう。
そして何より、スタイルが素晴らしい。すらりと伸びた手足に、程よく大きな胸元、くびれた腰。いかにも貴族の深窓の令嬢といった美しさを持ち柔らかな色香が漂っている。
でも、そんな彼女は足が不自由だった。
幼い頃の事故で脚に大怪我を負い、治りきらずにその後遺症が残ってしまっている。歩くと痛みが出てしまうらしい。
それ故にあまり外には出れず、初めて会った時もレオンに支えられながら足を引きずって現れた。
そんな話を聞いた私は、その場で軽く申し出た。
「私が治してあげるわぁ」
乙女にはとっても優しい私は、困っている美人を放っておかないのである。
というわけで今日は、その治療の日だ。あくまで治療である。
「そんなに緊張しなくて大丈夫よ?」
私はクラリッサににっこり微笑みながら言った。
「だ、だって、貴女様に治して頂けるなんて……!」
「いいのよ~、美人に苦労は似合わないわ」
「そ、そんなぁ……」
クラリッサは潤んだ瞳に頬を赤く染めて、嬉しそうに俯いた。
部屋はすでに人払いが済んでおり、広い寝室には私たち二人だけ。クラリッサは薄手のネグリジェ姿でベッドに俯せに横たわっている。
布越しでもわかるほど滑らかな背中のラインが美しく、ベッドに圧されて横にはみ出て見える胸が何ともエッロい。
私は持参した小瓶を取り出した。
「わぁ……!」
それを見て、クラリッサの目が輝いた。
「すごく甘くて……いい匂い……!」
「でしょう? 謹製のアロマオイルとアロマキャンドルよ。美容効果にリラックス効果もあるの」
「蕩けちゃいそう……!貴方様も愛用されてるのですか?」
「もちろん毎日使ってるわ~、美の秘訣ね」
「そ、そんなものまで……!本当に有難うございます」
キャンドルに火を灯すと、甘く柔らかな香りが更にふわりと広がった。花と蜜を混ぜたような匂いに、クラリッサの表情がとろりと緩む。
私はネグリジェの上から全身にオイルを垂らし、ゆっくりと満遍なく塗り込んでいく。そして、小さく吐息の漏れる彼女の右足首を手に取とった。
「じゃあ、治療を始めるわよ~」
「は、はい……!お願いします……!」
指先でゆっくりとふくらはぎを優しくゆっくりと揉みほぐすと、何度もクラリッサの体がぴくりと震える。
「あっ……き、気持ちいい……です」
「でしょう? 治療ついでにぃ、美容も兼ねてぇ、全身マッサージ、してあげるわねぇ」
「そ、そんなことまで……!いいんですか!?」
「遠慮しないでいいのよ、可愛いクラリッサの為だもの」
恐縮しきってる彼女に、私はくすりと微笑んだ。
「クラリッサの脚、白くてすべすべで、とても綺麗ね~」
「そ、そんな……あっ、すごく気持ちいいですぅ……」
とろんとした表情で、彼女は身を任せている。
オイルを追加で垂らし丁寧に塗り込みながら、足先からふくらはぎ、太腿へとひどくゆっくりと指を滑らせ優しく揉み込むと、クラリッサの吐息がどんどん甘くなっていく。
「んっ……あっ……あぁ……」
「いいのよ、我慢せずに声を出して。リラックスよ~」
「え、エリュシェル様……なんだか……気持ち良すぎて、私、お、おかしくなっちゃいそうで……!」
「ふふ、気にしないで大丈夫よ、私に身を任せるのよ?貴女を美しく磨いてあげる」
「…………あっ♡」
こうして結界と防音魔法で密閉された部屋に、貴族令嬢のあられもないトロトロに蕩けた甘い嗚咽が満ちるのであった。
そして快楽の極致にクラリッサの意識が遠のいてから、神眼で患部を見つけ回復魔法を脚に流し込む。古傷に残っていた歪みが一気に癒されていった。
そんなこんなで無事完治したクラリッサ。
「クラリッサ!!」
ツヤツヤぷるるんに磨かれた美肌にとろんと惚けた心在らずの表情で、怪我も何事も無かったように自然と立つ彼女。
妹が普通に歩いているのを見るなり、レオンは号泣し始めた。
「エリュシェル殿!! 本当に、本当に有難うございます!!」
「いいのよ~、クラリッサの為だもの」
「一生、恩に着ます!!」
涙と感謝に包まれる中、私は二人に軽く手を振って屋敷を後にした。
いい事したわね、フフッ。
そんな満足感に浸りながら街を歩いていると、夕暮れが近づいてきていた。
この時間は、ミィちゃんが冒険者ギルドにお使いに行っている頃だ。私の専属受付嬢として、朝夕二回は必ずギルドへ向かって連絡係をしてくれている。
尚、私は相変わらずのニートである。
指名依頼が山ほど来てるみたいだけど、面倒くさくて全部無視している。そのせいで何故か逆に価値が上がって、私を指名する依頼はとんでもない高額に跳ね上がってる。
今や「エリュシェルへの指名依頼」は王侯貴族が競い合うレベルの贅沢なプラチナチケットになってるそうな。
今は気が向かないの~、そのうち受けてあげるわ~、ミィちゃんと過ごす時間が大事なの~。
そんなことを考えながら歩いていると、遠くに冒険者ギルドの建物が見えてきた。
「ちょうどいいわ~、ミィちゃん迎えに行こっと――」
その時だった。空気がびりっと震え強烈な魔力の揺らぎが走った。
そして次の瞬間――冒険者ギルドから、「ボワッ!!」と大きなな炎が噴き上がり建物を包み込んだ。
「えっ?」
周囲でそれを見た街の人々も一瞬固まり、一拍置いてから悲鳴があちこちで上がった。
「おい見ろ!!」
「冒険者ギルドが燃えてる!!」
「うわっ、火事だ!!」
「水だ!!水持ってこい!!」
「火を消せぇ!燃え移るぞ!」
兵士や町の人がギルドへ駆け出し、お店からは沢山の客が飛び出してきて、商人たちは荷物を慌てて運び出す。炎はあっという間に窓から噴き出し、黒煙が夕空へ立ち上った。
私はその光景を見つめながら、唖然として固まってしまう。
まさか――
「ミィちゃん……まさか、巻き込まれてないよね……?」
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